IMF:G20にリスク警告、ユーロ圏のデフレと新興市場の混乱

新興国市場の混乱長期化とユーロ圏 のデフレというリスクが世界経済の見通しを脅かしていると国際通貨基 金(IMF)のスタッフが警告した。

IMFは週末にシドニーで開催される20カ国・地域(G20)財務 相・中央銀行総裁会議向けに準備したリポートで、景気回復はまだ弱 く、「著しい下向きのリスクが残っている」と分析。2014年の世界経済 成長率を3.7%(13年は3%)とした1月時点の予想について、トルコ やブラジルなどの市場における最近の不安定な動きが一時的なものかど うかに左右されるとの見解を明らかにした。

リポートは「新興国での資本流出や金利上昇、急激な通貨安が引き 続き主要な懸念材料だ」とした上で、「長期的なインフレ期待が低下す る可能性のあるユーロ圏では非常に低いインフレに起因する新たなリス クが生じ、経済活動への深刻なショックが起きる場合、デフレリスクが 高まる」と懸念を示した。

IMFは新興国に対し、足元の混乱を乗り切るためにインフレ率が 高い間に金利をさらに引き上げ、財政への信頼が欠けている場合には政 府支出を削減するよう求めた。

さらに「通貨が過大評価されている場合には特に為替相場の柔軟性 が対外的な調整を引き続き促進するはずだ」と指摘。為替市場介入につ いては、「外貨準備が十分な場合に過剰な変動をならしたり、金融の混 乱を防止したりために利用することが可能だ」と指摘した。

対話に注意払う必要

IMFは先進国については、緩和的な金融政策を維持すべきだと し、米連邦準備制度理事会(FRB)は資産購入の漸進的な調整をめぐ るコミュニケーションに特に注意を払う必要があると主張した。

ユーロ圏に関しては、「リセッション(景気後退)から脱し、弱い 景気回復局面に入りつつある」とした上で、ストレステスト(健全性審 査)の結果、資金が必要になりそうな銀行について、公的なセーフティ ーネット(安全網)の利用が可能であることをもっと明確に示すよう欧 州当局に要請し、それによってストレステストの信頼性が高まり、民間 からの資本調達も容易になると説明した。

IMFは極めて低いインフレ率について、「目標を長期にわたり下 回る場合、長期のインフレ期待が支えを失う恐れがあり、実質金利の上 昇に伴い、公的および民間債務の実質的負担が増し、周辺国の課題が複 雑化する」との認識を示した。

IMFはまた、世界経済の成長を押し上げるために協調的な政策の 実施を提言。「強化された協調的な政策は世界的な混乱が再燃するリス クを減らし、一段と力強く、バランスの取れた持続可能な中期的成長を 実現する」とした。

原題:IMF Warns G-20 of Deflation Risk, Emerging-Market Turmoil (1)(抜粋)

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