五輪メダル「インフレ」、ソチは294個-国別で数競う意味に変化

ロシアのソチで開催されている冬季 五輪で、ノルウェーは既に18個のメダルを獲得した。1924年にフランス のシャモニーで開かれた第1回冬季五輪での獲得数を、この時点で既に 1個上回っている。しかしメダルの独占度という点でソチ五輪は第1回 に遠く及ばない。1924年の五輪では全部で16種の競技が行われた。その うち1競技で銅メダルを2者が分け合ったため、メダルの数は合計で49 だった。ノルウェーはその35%を獲得したことになる。残りの32のメダ ルは9カ国が分け合ったのだから、ノルウェーの強さがいかに圧倒的だ ったかが分かる。

状況は90年を経て様変わりした。全メダル数の3分の1を取れる国 などはない。学校での成績評価「A」について言われているのと同じ問 題が、五輪のメダルに起きている。インフレだ。

大会ごとのメダルの総数はこの30年間に急増した。メダル数は初回 の49個から徐々に増え100に達した後、しばらく横ばいになった。その 後急激に増え200を突破。ソチ五輪は98種目で294個のメダルが得られる ことになった。次回大会では簡単に300を超えるだろうし、400になるの 日も遠くはない。138個だった1988年のカルガリー五輪からの急激な増 え方を見れば容易に想像がつく。

テレビ局は大歓迎だろう。競技とメダルの数が多くなれば放映する 時間は長くなり、販売できる広告枠も増える。たくさんのドラマも生ま れ、ヒーローも誕生しやすくなる。一方、選手らにとっては1個のメダ ルの価値が希薄化することになり、企業とのスポンサー契約を得るため の競争も激しくなる。

そして「ノルウェーが史上最多のメダルを獲得」などという情報 も、意味を失いつつある。この30年とその前の60年の状況が比較対象に ならないほどかけ離れているからだ。

原題:Olympic Medal Inflation: Triumph Has Never Been Easier(抜 粋)

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