急速にしぼむ豪州の製造業-自動車に続きアルコアも事業縮小

オーストラリアでは人件費の高騰と 通貨上昇を背景に、果物の缶詰や作業用ブーツなどあらゆる製品を手掛 ける製造業が圧迫されており、既に約10年ぶりの高水準にある失業率が さらに上昇する恐れがある。

米アルミニウム生産最大手アルコアは製錬所1カ所と圧延プラント 2カ所を閉鎖し、従業員980人を削減すると発表。豪州の飲料製造最大 手コカ・コーラ・アマティルは18日、加工食品部門で4億400万豪ドル (約370億円)の評価損を計上した。鉱業投資ブームが終了し、自動車 メーカーが操業停止を予定する中、作業着や防護服メーカーも打撃を受 けている。

クレディ・スイス・グループのアナリスト、マシュー・ホープ氏 (シドニー在勤)は「豪州では人件費が高騰しており、市場は小さい」 と指摘。「50年前に理にかなっていたことが現在ではそうでないよう に」製造業者はプレッシャーにさらされていると述べた。

昨年9月に発足したアボット政権は10年以内に200万人の雇用を創 出することを公約として掲げており、豪州の製造業低迷は同政権にとっ て逆風となっている。米フォード・モーター、ゼネラル・モーターズ (GM)に続きトヨタ自動車も今月に入って、豪州での自動車生産を中 止すると発表。同国の自動車・部品製造業界で働く約5万人の雇用が脅 かされている。

クイーンズランド大学経済学部のジョン・クイギン教授は、「従来 の大規模製造業の大半は終えんを迎えている。急激な落ち込みはほとん どが豪ドル相場上昇の結果だ」と指摘した。豪ドルは米ドルに対し2009 -12年に約50%上昇し、豪州の輸出競争力が低下する一方、輸入が有利 になっている。

原題:Work Boots to Fruit Squeezed as Australian Manufacturing Wanes(抜粋)

--取材協力:Daniel Petrie、David Fickling. Editors: Edward Johnson, Malcolm Scott

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