米FRB:外銀の資本ルールの最終案発表、実施1年先送り

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米連邦準備制度理事会(FRB) は18日、米国で事業展開する外国銀行に対する新たなルールを承認し た。規模の大きな銀行には資本増強を義務付ける内容で、国内金融シス テムを守る壁を築く他国の政策に米国も追随する形だ。

この日承認された最終的なルールでは、対象となる外銀資産規模 を500億ドル(約5兆1200億円)とし、2012年に提案した100億ドルから 引き上げた。FRBは当初案の中で議論を招いた2つの要素を最終案か ら除外した形で採決した。

外銀の米国部門を壁で囲むことになる新ルールは、危機時に公的資 金で救済する必要をなくし米国の納税者を保護するのが狙いだが、銀行 の借り入れコスト上昇や収益圧迫につながる可能性もある。外銀は政府 や消費者の借り入れ金利の上昇を招くと指摘している。

キーフ・ブリュイエット・アンド・ウッズのアナリスト、アンドル ー・スティンプソン氏は「FRBが他国の規制当局を信頼していないの は、大手銀行の資本水準を誰も監視していなかったことが危機で浮き彫 りになったためだ」と指摘した。

新ルールは最終的な承認の遅れから、当初予定よりも1年遅い16年 7月に実施される。1取引相手に対する銀行のエクスポージャーの制限 や標準要件を超える追加の資本バッファーの設定といった部分について は、この日の採決案から外された。これらの部分について銀行業界は反 対していた。

対象行

新ルールでは大手外銀は米国事業を集約して1つの子会社とし、国 内銀と同じ資本・流動性の最低要件に従う必要がある。FRB当局者に よれば、資産規模をめぐる基準の変更により、こうした持ち株会社の設 立を迫られる銀行の数は25行から17行程度に減る見通しという。

米国で事業展開する外銀100行が新ルールの影響を受ける見込み。 小規模の銀行は米国のリスク管理委員会を設置する程度で済むが、規模 が大きくなると、米国内の資本・流動性規準を順守する必要のある持ち 株会社を設立し事業をその傘下に置くことなどが求められる。最も規模 の大きな銀行はさらに、FRBのストレステスト(健全性審査)を受け ねばならない。

外銀は現在、米国で数十の法人組織を保有できるが、その多くは財 務情報を開示する必要がないため、公式データからそれらの事業の正確 な規模を探るのが難しくなっている。

ブルームバーグの集計データによると、フランスのナティクシスや オランダのラボバンク・グループは持ち株会社設立の資産規模基準の見 直しで恩恵を受ける見込み。一方、ドイツ銀行とバークレイズ、クレデ ィ・スイス・グループなど米国で主に証券トレーディングに従事する銀 行は、ドル資金の必要性から米国での大口資金調達に依存しているた め、新ルールの影響が最も大きい。

原題:Fed Adopts Foreign-Bank Capital Rules as World Finance Fragments(抜粋)

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