円全面安、日銀の成長基盤融資拡充で-対ドルは1月末来安値

東京外国為替市場では円が全面安。 対ドルでは一時1ドル=102円74銭と1月31日以来の安値を付けた。日 本銀行が「成長基盤強化を支援するための資金供給」を拡充したことを 受けて、リスク選好の円売り圧力が強まった。

午後3時55分現在のドル・円相場は102円64銭付近。101円台後半で 日本時間朝の取引を迎えたドル・円相場はいったん102円台前半に円が 水準を切り下げた後、102円ちょうどを挟んで推移していた。日銀の政 策発表後は101円76銭まで円高に振れたが、すぐに円売り優勢に転じ、 主要16通貨に対して全面安となった。

三井住友信託銀行の細川陽介為替セールスチーム長は、日銀の決定 内容について、成長基盤融資が延長された上、金額が倍増になったこと で、「追加緩和ということでのアナウンスメント効果よりも、より実質 的なお金の動きを刺激するようなところに軸足を置いた政策という点で 評価された」と指摘。その上で、米株が下げ止まり、新興国市場も落ち 着く中、リスクオフからリスクオンになりやすい状況下で、ドル・円相 場は海外市場にかけて一段の円安を試す展開もあり得るとみている。

日銀は18日に開いた金融政策決定会合で、3月末に期限が来る「成 長基盤強化を支援するための資金供給」を1年間延長し、「本則」の供 給枠を従来の3.5兆円から7兆円に拡大することを決めた。金融政策の 運営方針については現状維持とすることを決めた。いずれも全員一致の 決定。

株高・リスクオン

「成長基盤強化を支援するための資金供給」と「貸出増加を支援す るための資金供給」は、いずれも固定金利0.1%で4年間(従来は1- 3年間)の資金供給を受けられる。日銀は会合後に公表した声明で「こ うした見直しが、貸し出し増加や成長基盤の強化に向けて、金融機関の 一段と積極的な行動や企業・家計の前向きな資金需要の増加を促すこと を期待している」と表明した。

三井住友信託銀の細川氏は、「実際に合併・買収(M&A)も含め ていろんな企業のお金が動いていたことも事実」だとし、「そこの部分 は当局としても、ちゃんと見ていて、それなりのところに資金を投入し てきたといった感がある」と指摘する。

一方、この日の米国時間には、ニューヨーク連銀が2月の同地区の 製造業景況指数を発表する。今年に入って発表された米経済指標は、雇 用統計や小売売上高を中心に、悪天候の影響などで市場の予想を下回る 内容が続いている。

細川氏は、ニューヨーク連銀の製造業景況指数は強い内容が見込ま れていないが、数字が弱くても株があまり売られないようであれば、 「株高・リスクオン」で、ドル・円相場の上昇が後押しされる可能性が あると言う。

この日のアジア時間では、米主要3株価指数の先物がそろって上 昇。また、東京株式相場は日経平均株価が午後の取引で上げ足を速め、 前日終値からの上昇幅が一時500円を超える場面も見られた。

--取材協力:Mariko Ishikawa. Editors: 青木 勝, 崎浜秀磨

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE