日本のナショナリスト的愚行、米国は強い語調で叱責を-社説

米政府が中国の海洋拡張主義を最近 のアジアの緊張の原因と考えていることは、米当局者からの最近の一連 の発言から明らかだ。一方で、アジアにおける米国の最大の同盟国であ る日本に対しても同様に、米国は率直に意見すべき時だ。

中国が尖閣諸島(中国名、釣魚島)上空に防空識別圏の設定を宣言 して以来、中国に対して強い姿勢で臨むことを日本は米国に求めてき た。米国と日本の間に隙間風が吹く気配など見せれば、中国のさらなる 横暴を促すばかりだと警告してきた。米国側も同じ理由から、中国やそ の他のアジア諸国を刺激するような日本の指導者らの言動に目をつぶっ てきた。

しかしこのような気配りは逆効果になりつつある。中国が昨年11月 に防空識別圏を設定した後、安倍晋三首相はA級戦犯14人を合祀した靖 国神社を参拝。さらに、安倍氏が推挙したNHKの経営委員らがあきれ 返るほど時代錯誤の発言をしたにもかかわらず、首相は異論も唱えず彼 らから距離を置こうともしなかった。このうち1人は1937年の南京大虐 殺は起きなかったと発言。もう1人は戦時中の従軍慰安婦問題で日本軍 を責めるのはおかしいと言わんばかりの発言をした。そのほか安倍氏と その一党は戦時中の日本の残虐行為を希薄化させるよう、歴史教科書を 書き直すことにも取り組んでいる。

これらすべてが諸外国に与える印象について、日本の当局者らは気 にかけていないようだ。中国および韓国との関係はほとんどこれ以上悪 くなりようがないし、両国で国家主義者が権力の座についている限り改 善する可能性は低いと論じている。これ以上日本が融和的な姿勢を取れ ば中国と韓国が屈辱的要求を際限なく突きつけてくるだけだと、日本側 は確信している。

オバマ大統領のアジア訪問

さらに悪いことに、日本は米国から支持を受けて当然と思っている ようだ。バイデン米副大統領が事前に自制を求めていたにもかかわら ず、安倍首相は靖国参拝を断行した。非公開の場でのこの対話の内容は その後、戦略的に漏えいされた。恐らく、安倍首相の尊大な態度を白日 の下にさらすためだろう。日本の当局者らは裏で、オバマ政権の頼りが いのなさを非難する。日本への支持を少しでも惜しむのは米外交の軟弱 さの表れだと見なしている。

米国は反論すべきだ。それも通常より強い言葉で切り返すべきだ。 4月のオバマ大領のアジア訪問は、中国政府の外交的冒険主義を容認し ないことをあらためて表明する良い機会であると同時に、安倍首相の挑 発がアジアの安定を脅かし、日米同盟に害を及ぼしていることをはっき りと伝えるチャンスだ。

これで考えを変える安倍氏の側近は多くないだろうが、大方の日本 人は米国の不興をこうむることに対して敏感だ。ある世論調査によれ ば、安倍首相は靖国参拝への批判的な反応に配慮すべきだと70%近くの 日本人が考えていた。安倍首相は過去に、国家主義的な野心に気を取ら れてか経済がお留守になり、辞任する羽目になっている。国内から圧力 をかけ続けることが重要だ。

国際社会からの善意

経済を再生させて開かれた社会にし、自衛隊を通常の軍隊にして日 本をもっと強い国にしようという安倍首相の方向は、必ずしも間違って はいない。軍事力を持った日本は、海賊行為防止のパトロールや平和維 持活動、同盟国の防衛を通して世界と地域の安定にもっと貢献できるだ ろう。中国と韓国の神経を逆なですることは、これらの目的を達成しよ うとする足を引っ張る。

それは域内で紛争が起きる可能性を高めるだけだ。安倍首相の行動 や発言が中国の冒険主義ほどは危険でないというのは、ここでの論点で はない。日本が何十年もかけて築いてきた責任ある民主国家として受け る国際社会からの善意を、安倍首相は理由もなく損ないつつある。首相 が自分でそれに気づかないのなら、米国そして日本国民が分からせてあ げられるだろう。

原題:Japan Leaders’ Nationalist Blunders Call for U.S. Rebuke: View(抜粋)

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