米国債保有の圧縮に動くプライマリーディーラー、景気に期待

米国債のプライマリーディーラー (政府証券公認ディーラー)は、同国債相場が2008年以来の好調なスタ ートとなったことをほとんど考慮しておらず、保有の圧縮に動いてい る。

米国債相場は年初来で1.4%上昇。ただブルームバーグがまとめた データによれば、ここ1カ月の米連邦準備制度による債券購入プログラ ムでゴールドマン・サックス・グループやJPモルガン・チェースなど プライマリーディーラー22社が示す応札倍率が4.34倍に達し、2011年以 来の高水準となっている。ディーラーは昨年10月に記録的水準となって いた米国債の保有を減らし、2年ぶりの低水準としている。

米パシフィック・インベストメント・マネジメント(PIMCO) などは市場予想を下回る雇用の伸びや製造業、小売売上高をめぐる統計 から米景気回復の力強さを疑問視しているが、ディーラーによる米国債 売却の増加は米経済の力強さに対し確信が強まっている表れだ。

ブルームバーグのプライマリーディーラー調査によると、米国債は 値上がりから値下がりに転じ、10年債利回りは年末までに3.49%に上昇 する見込み。グッゲンハイムの投資責任者スコット・マイナード氏は電 話インタビューで、「米国債相場の上昇余地は限られている。市場はリ スク資産購入の好機だという見方に戻るだろう」と述べた。

米国債は昨年、09年以来となる年間ベースでの相場下落となった が、今年は1月としては金融危機後で最良のリターンを記録した。

安全でない

ブルームバーグのデータによれば、プライマリーディーラーは過去 4週間に総額1740億ドル(約17兆7000億円)相当の米国債の売却を連邦 準備制度に提示。同期間に連邦準備制度が買い取った米国債410億ドル の4倍以上に当たり、平均応札倍率が11年11月以来の高水準となってい る。昨年は平均3.2倍だったが、米国債が売り込まれたさなかの7月は 過去最低の2.54倍に低下した。10年債利回りは5月の1.61%から9月に は3.01%に上昇した。

ドイツ銀行の米国担当チーフエコノミスト、ジョゼフ・ラボーニャ 氏は、米国債を「この水準まで買い込むべきではない。米国債は現時点 で、安全に十分な利益を提供するものではない」と述べた。年内に10年 債利回りが4%に上昇すると見込む。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーのデータによれば、米10年国 債(表面利率2.75%、2024年2月償還)の利回りは今月3日には3カ月 ぶり低水準の2.57%となった。先週は2.75%で終えた。

--取材協力:Daniel Kruger、Liz Capo McCormick. Editors: Michael Tsang, Dave Liedtka

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