怖い映画見ながら食べたスナックは心の友に-広告のアイデア

映画やドラマを見ながら感じたこと は、同時に目にした商品にも投影される。これはよく知られていること で、プロダクトプレースメントと呼ばれる広告手法の根拠になってい る。映画や番組の中に商品を登場させて認知度やイメージを高めようと するこの手法に、企業は何百、何千万ドルを費やす。面白い映画の中に 登場したブランドは、消費者から面白いイメージで記憶されると考えら れている。広告主がホラー映画を避けるのはこのためだ。自社商品を恐 怖感と結び付けられてはたまらない。

ところが、どうもこれは正しくないらしい。怖い映画を特に一人で 見たときに目にした商品に対して、人は良い印象を持つようになる場合 が多いことが、ブリティッシュコロンビア大学サウダー・スクール・オ ブ・ビジネスの最近の研究で示された。

同行博士課程の学生、レア・ダン氏は被験者らに、恐怖や悲しみ、 おかしさ、興奮などを感じさせる映画の数場面を見せた。その後に、見 ている間に近くにあった商品について彼らがどう感じるかを調べた。そ の結果、恐怖を感じた時にそばにあった商品のブランドに対する愛着が 増すことが分かった。一人で恐怖を体験した場合にはさらに愛着が増し た。

これは恐怖という感情の特性に由来する。人は恐怖を体験すること で、目にするブランド商品との関係が強くなる。恐怖を感じると、一体 感を持てるものや愛着する対象を探し求める。一人の時、目に触れたブ ランドがその役割を担う。クマのぬいぐるみや使い慣れた毛布から得ら れるのと同じ安心を、今そこにあるポテトチップが与えてくれる。ブラ ンド商品が自分と一緒に恐怖を感じてくれている、という感覚が観客に 生まれることをダン氏の調査は示唆した。商品は映画の中に登場しなく ても観客のそばにあるだけでいい。

恐怖を感じた時に仲間を求めたい気持ちはあまりに強いので、その 対象は何でもよくなる。人でもいいし、ミネラルウォーターでもポテト チップでも、ある企業のロゴであってもよいわけだ。このような愛着を 湧かせるのには商品に触る必要もなく、時間もあまりかからない。10秒 間見るだけで、共通体験をしたという感覚を植え付けることが可能だと いう。

ほかの人間が周囲にいると、ブランド商品は恐怖を紛らわせる力を 失う。しかし友達と映画を見ていても、一人の体験であることに変わり はない。映画の途中でおしゃべりしたりできないからだ。この研究結果 は創造的な広告方法を編み出す手掛かりになりそうだ。ホラー映画の劇 場の入り口でスニッカーズ(チョコレート菓子)の試供品でも配るとい うのはどうだろう。

原題:This Is Scary: Product Placement Works Best When We’re Terrified and Alone(抜粋)

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