新興国市場の動揺で世界的デフレ懸念に拍車も-先進国に波及

新興国市場への信頼感低下は、イエ レン米連邦準備制度理事会(FRB)議長やドラギ欧州中央銀行 (ECB)総裁にとって、ラガルド国際通貨基金(IMF)専務理事が 「鬼」と呼ぶデフレ問題を検討する新たな理由になっている。

JPモルガン・チェースのチーフエコノミスト、ブルース・カスマ ン氏は、ブラジルや南アフリカ共和国などの成長鈍化で「世界経済全般 にディスインフレに拍車が掛かる恐れがある」と指摘する。商品価格の 下落や貿易の鈍化、新興国通貨の下落といったこれら全てが世界的に価 格上昇圧力を弱める可能性がある。

そうなれば、イエレンFRB議長やドラギECB総裁は金融緩和を より長期間維持することに余儀なくされる。それは欧米の金融資産の魅 力を高めることになり、資産バブルを発生させる恐れもある。

コーナーストーン・マクロのパートナーで元FRBエコノミストの ロベルト・ペルリ氏は「新興国市場の動揺は続く公算が大きい」と述 べ、「これが長期的にはディスインフレ効果をもたらす可能性があり、 大国の中銀が望むよりも緩和的な金融政策につながる可能性がある」と 分析。それが先進国の資産価値を下支えするだろうと予想した。

22日からシドニーで開かれる20カ国・地域(G20)財務相・中央銀 行総裁会議では世界経済での力関係が議論される。G20が2009年9月の 会合で経済政策を協議する主要な場となって以来初めて、新興経済国が 守勢に立たされる。新興経済国の経済成長が鈍化し、市場が混乱してい るためだ。

商品価格下押し圧力

新興国の需要が低下すれば、商品価格に押し下げ圧力がかかり、新 たなディスインフレの波が世界に広がる。スタンダード・アンド・プア ーズ・GSCIスポット指数は今年に入って前年末比でほぼ変わらずの 水準にあるものの、ソシエテ・ジェネラルの経済調査グローバル責任者 ミチャラ・マーカッセン氏は、国内総生産(GDP)の世界合計に占め る新興国の影響力が高まっているだけに、景気がここで弱まれば物価に 「はるかに大きな影響が及ぶ」恐れがあると指摘する。

原題:Deflation Threat Unsettles G-20 Roiled by Emerging-Market Losses(抜粋)

--取材協力:Ye Xie、Sandrine Rastello. Editors: Anne Swardson, Mark Rohner

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