10-12月GDPはプラス1.0%成長、外需響いて事前予想に届かず

昨年10-12月期の実質国内総生産 (GDP)速報値は前期比年率で1.0%増と、4四半期連続でプラス成 長となった。消費税率引き上げ前の駆け込み需要もあり個人消費が堅調 だったが、外需が全体を押し下げてプラス幅は予想を下回った。

内閣府が17日発表したGDP速報値は物価変動の影響を除いた実質 で前期比0.3%増。項目別では全体の約6割を占める個人消費が0.5%増 と前期から加速した。公共投資は2.3%増と引き続き堅調で、1.3%増と なった設備投資とともに全体を押し上げた。在庫寄与度はマイナス0.0 ポイント、内需寄与度はプラス0.8ポイント。

同時に外需寄与度がマイナス0.5ポイントと2期連続で全体の足を 引っ張った。ブルームバーグ・ニュースによる事前予想の中央値は前期 比0.7%増、年率換算で2.8%増。実績値は全エコノミストの最低予想も 下回った。前期(7-9月)実質GDPは0.3%増、年率換算1.1%増。

SMBC日興証券の宮前耕也シニアエコノミストは統計発表後のリ ポートで「年前半の高成長はアベノミクス『第一の矢』と『第二の矢』 の効果によるものであった。今回からは消費増税前の駆け込み需要の影 響が表れているものの、外需不振が足を引っ張った」と指摘した。

その上で「13年度は内需主導の景気回復となっているが、『第一の 矢』、『第二の矢』、増税前の駆け込み需要といった政策要因が大き く、必ずしも自律的なものではない。14年度に入れば内需は減速しやす く、景気動向は良くも悪くも輸出次第となろう」と予想した。

増税前の駆け込み需要

政府は1月の月例経済報告で、総括判断を前月の「緩やかに回復し つつある」から「緩やかに回復している」に上方修正。個人消費の判断 を前月の「持ち直している」から「一部に消費税率引き上げに伴う込み 需要もみられ、増加している」に修正したほか、設備投資の判断を前月 の「非製造業を中心に持ち直しの動きがみられる」から「持ち直してい る」に引き上げた。

日本銀行は先月22日の金融政策決定会合後の声明で「先行きのわが 国経済については、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要とその反動の 影響を受けつつも、基調的には緩やかな回復を続けていくとみられる」 と指摘。消費者物価の前年比は「消費税率引き上げの直接的な影響を除 いたベースでみて、しばらくの間、1%台前半で推移する」との見通し を示した。

日銀は17、18日に金融政策決定会合を開く。エコノミスト34人を対 象にブルームバーグ・ニュースが行った調査では、全員が政策の現状維 持が決まると予想した。

「強過ぎた期待を冷静に」

第一生命経済研究所の熊野英生主席エコノミストは10-12月期の GDPについて、外需寄与度は予想通りマイナスと前置きした上で「内 需だけで拡大していく図式が弱まっている」と指摘した。実績は予想よ り下振れたとしながら「消費税率引き上げを乗り越えられないというこ とではない」と予想、同時に「これまでの強過ぎた期待を冷静にみなけ ればいけない」とも述べた。

GDP発表を受けた証券・金融市場は午前11時15分現在で日本株は 上昇、為替相場ではリスク回避に伴う円買いが優勢で円高が進んでい る。債券市場では先物相場が下落。

甘利明経済再生相はGDPについて記者会見と談話で、輸出環境が 改善しなかったと述べながら「内需が好調な中で民需中心に景気が着実 に上向いている」との認識を示した。消費については駆け込み需要もあ って増加傾向が続くと予想した。同時に「4月の消費増税後の駆け込み の反動減には留意必要」と指摘し、米金融政策と新興国の動向には注視 する必要あるとも述べた。

--取材協力:Chikako Mogi. Editors: 上野英治郎, 淡路毅、山中英典

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