楽天:一時4カ月ぶりの下落率、無料通話アプリ会社を買収

更新日時

国内最大の電子商取引サイトを運営 する楽天の株価が、17日の取引で昨年10月以来の下落率となった。同社 は14日の取引終了後に、メッセージサービスや無料通話のアプリを世界 中で提供するバイバー・メディアの全ての株式を総額9億ドル(約914 億円)で取得すると発表した。

株価は17日の取引で、一時13%安の1439円と、昨年10月8日以来の 日中下落率となったあと、9.5%下落の1499円で取引を終えた。

発表資料によると、アプリ「Viber」の登録ユーザーは全世界 で2億8000万人で、月間利用者は1億人超。新興国を中心に急速に利用 者数を伸ばしており、楽天はバイバーの「幅広い顧客基盤を活用」し、 電子商取引や電子コンテンツのサービスを「グローバルに提供するプラ ットフォームを構築する」という。

SMBC日興証券の金森都シニアアナリストは14日付のリポートで バイバー買収について「新興国ユーザーからの収益獲得には時間がかか る可能性には注意したい」と述べた。また、楽天の電子書籍事業Kob oの「営業赤字の縮小が見えない」なかで、2012年に買収した動画配信 サービスWuakiの赤字が13年7-9月期に拡大しており「まずは海 外M&A案件の赤字縮小を見たいと願ってきた」同証券にとって「やは りネガティブな印象は否めない」という。

同リポートによると、バイバーは2013年12月期の営業赤字が約26億 円で、連結純資産が75億円のマイナス。

通話音質

楽天の三木谷浩史会長兼社長は14日の会見で、買収によって「より 小さな新興市場」に届くようになると述べた。同席したバイバーのター モン・マルコ最高経営責任者(CEO)に話しかける形で、同社アプリ の通話音質に「非常に、非常に感銘を受けた」と述べた。

しんきんアセットマネジメント投信の藤原直樹部長は14日の電話イ ンタビューで買収の狙いについて「コミュニケーションの手段がパソコ ンからスマートフォン(スマホ)中心に変わってきている中、楽天はス マホをひとつのツールとして商売に結び付ける必要がある」と述べた。 「具体的にシナジーを生み出すかどうかは、よく見ていかないといけな い」という。

三木谷氏はバイバーについて「大きな潜在的な収益力の高さ」を持 っていると述べた。マルコCEOによると、バイバーが強い市場は米 国、ロシア、フィリピン、ベトナム、豪州、ニュージーランド、アイル ランドなど。楽天が世界に持つ利用者を通じ、バイバーの成長が加速で きるという。

三木谷氏はバイバーの財務について「とても、とても良好」と語 り、買収に向けての話し合いは「約半年前」に始まったという。買収資 金は銀行借り入れで調達し、3月に買収を完了すると述べた。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE