クレジット:米当局の「渋い顔」、ソフトバンク債投資は歓迎

ソフトバンク債をクレジット・デフ ォルト・スワップ(CDS)で保証するコストが、今年最低の水準まで 低下した。米4位の携帯電話サービス会社TモバイルUSの買収を米当 局が拒否するもようであることから、債務膨張への懸念が薄らいだ。

CMAによれば、ソフトバンク債のCDSスプレッドは今月に入っ て20ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し190bpと、昨 年12月30日以来の低水準に並んだ。日本企業のCDSスプレッドで構成 するマークイットiTraxx日本指数は1月31日以降に2bpの低 下。北米企業のCDSの指数は7bp低下した。

ソフトバンクは昨年、携帯電話サービス米3位のスプリントを216 億ドル(約2兆2000億円)で買収した。ソフトバンクの孫正義社長とス プリントのダン・ヘッセ最高経営責任者(CEO)が2月3日に米連邦 通信委員会(FCC)のウィーラー委員長と会い、スプリントによるT モバイルUS買収について打診したところ、同委員長はそれについて懐 疑的だったと、事情に詳しい複数の関係者が明らかにしている。それに 先立つ米司法省との会合でも対応は冷ややかだったという。ソフトバン クが先週発表した2013年10-12月期決算では利益がアナリスト予想を上 回り、ドイツ銀行は同社が国内での収益力を維持すればスプリント買収 代金の返済に問題はないとの見方を示した。

メリルリンチ日本証券の上田祐介リサーチアナリストはCDSスプ レッドが低下している理由として、「一番大きいのはTモバイル買収が 失敗しそうだということだ」と指摘。スプレッドはTモバイル買収で借 り入れが増えることを懸念して上昇していたが、「FCCなどが買収を 認めなさそうだという観測が広がったことで戻ってきた」と説明した。 決算を見る限り「国内のクレジット的に心配する要素はゼロ」だとも述 べた。

2強より3強

ソフトバンクは米国の携帯電話業界が大手のベライゾン・ワイヤレ スとAT&Tの2強状態にあり、Tモバイルとスプリントが合併すれば 強力な第3勢力となると訴えていると、ソフトバンクのロビー活動につ いて知る関係者が述べた。全米的な携帯電話サービス会社が3社に絞ら れる状況は望ましくないとする米当局に対し、孫社長は合併の利点を説 く働きかけを続けているもようだ。

事情に詳しい関係者が先月述べたところによれば、ソフトバンクは 時価総額250億ドル前後のTモバイルを買収する場合の資金調達につい て、銀行団から協力の約束を取り付けている。Tモバイルに出資するド イツテレコムとの直接協議も予定しているという。

「合併すると格下げ」

ムーディーズ・インベスターズ・サービスとスタンダード・アン ド・プアーズ(S&P)は昨年7月、スプリント買収を理由にソフトバ ンクをジャンク級(投機的格付け)に格下げした。日本格付け研究所 (JCR)による格付けは投資適格の下から4番目の「A-」。Tモバ イルを買収した場合、JCRにも格下げされるとの観測があると、パイ ンブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は指摘する。

松川部長は電話インタビューで、「合併すると格下げになると言わ れており、今シングルAのものがトリプルBになるということで、そう なると機械的に売らなくてはならない」と指摘。その可能性が低くなっ たことでCDSスプレッドが低下していると説明した。

ソフトバンク広報担当の小寺裕恵氏はCDSの動きについてコメン トを避けた。

原題:SoftBank T-Mobile Bid Scorned by FCC Lowers Risk: Japan Credit(抜粋)

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