米国債:10年債は約2週ぶり高利回り、緩和縮小継続の観測

米国債相場は下落。このところ軟調 な経済指標について金融当局は景気回復の腰折れではなく悪天候の影響 と判断し、債券購入プログラムの縮小を推し進めるとの見方が市場で広 がっている。

朝方発表された1月の米鉱工業生産指数では、製造業の生産指数 が2009年5月以来の大幅なマイナスとなった。また消費者信頼感の指数 は横ばいだった。こうした経済指標を受け、米国債はもみ合う展開とな った。前日発表の指標では小売売上高が減少し、新規失業保険申請件数 は増加した。ダラス連銀のフィッシャー総裁はこの日、厳しい寒波の影 響で米経済の成長は減速しているものの、金融当局は段階的に債券購入 を縮小させる戦略を続けるべきだとの認識を示した。米連邦準備制度理 事会(FRB)のイエレン議長は今週の議会証言で、経済の「見通しが 著しく変化した場合」のみ、政策当局は債券購入の縮小ペースを減速さ せると説明した。

ウィリアムズ・キャピタル・グループの債券取引責任者、デービッ ド・コード氏(ニューヨーク在勤)「金融当局は債券購入の縮小計画を 変更しない。イエレン議長がはっきり表明した」とした上で、「現在の 経済情勢を説明するのは難しい。天候の影響が大きいためだ」と続け た。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比1ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)上昇の2.74%。一時2.78%と、1月29日以来の高水準を付 けた。週間では6bp上げ、2週連続の上昇となった。同年債(表面利 率2.75%、2024年2月償還)価格はこの日3/32下げて100 2/32。

5年債利回りは2bp上昇し1.53%。

金融当局の認識

フィッシャー総裁は債券購入の縮小について、「経済に極めて深刻 な脅威をもたらすような事態」が発生しない限り、今後の連邦公開市場 委員会(FOMC)の会合ごとに債券購入を縮小させる政策を支持する 考えを示した。

総裁はブルームバーグラジオのインタビューで、「縮小の継続方針 を変更すべきだと考えてはいない」とし、「金融当局とて自然の影響を 相殺することはできない。経済は正しい方向に進んでいる」と述べた。

イエレンFRB議長は11日の下院金融委員会での議会証言で、バー ナンキ前議長が主導した政策を継続し、「慎重なステップ」で債券購入 を縮小させる考えを表明した。

経済指標

2月の米トムソン・ロイター/ミシガン大学消費者マインド指数 (速報値)は81.2と、前月から横ばいだった。ブルームバーグがまとめ たエコノミスト予想の中央値は80.2への低下だった。

FRBが14日発表した1月の鉱工業生産指数(製造業、鉱業、公益 事業の生産を対象、季節調整値)によると、全体の75%を占める製造業 の生産指数は前月比0.8%低下した。ブルームバーグがまとめたエコノ ミスト予想の中央値は0.1%上昇だった。前月は0.3%上昇(速報 値0.4%上昇)に下方修正された。1月の全体の鉱工業生産指数は0.3% 低下した。

前日は1月の小売売上高が前月比0.4%減となったほか、先週の新 規失業保険申請件数は増加した。

キャンター・フィッツジェラルドの金利ストラテジスト、ジャステ ィン・レデラー氏(ニューヨーク在勤)は「3月か4月の統計が出れば もっと見通しがきくようになる」と述べた。

原題:Treasuries Fall on Speculation Fed Won’t Stop Tapering Purchases(抜粋)

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