日本株続落、くすぶる新興国懸念と米統計低調-不動産、金融

東京株式相場は続落。ロシア通貨の 急落など新興国情勢に対する懸念がくすぶる上、米国小売統計の低調も 心理的な重しとなった。反発して始まったものの、その勢いは鈍く、為 替が円高方向に振れた午後は先物主導で一段安となった。不動産や証 券、その他金融株などリスク変動に敏感なセクターを中心に安い。

TOPIXの終値は前日比15.92ポイント(1.3%)安の1183.82、 日経平均株価は221円71銭(1.5%)安の1万4313円3銭。

損保ジャパン日本興亜アセットマネジメントの上野賢司シニア・イ ンベストメントマネジャーは、「市場がなかなか落ち着かない背景に米 経済や新興国情勢をめぐる不透明感があるが、根は同じで、米国のテー パリング(量的金融緩和の縮小)の影響に対する警戒」と指摘した。

外貨準備が3年ぶりの低水準となったことなどを受け、13日の為替 市場でロシア通貨のルーブルが米ドル、ユーロで構成する通貨バスケッ トに対し1.3%低下。昨年6月以来の大幅な下げを記録した。アルゼン チン問題に始まった新興国市場への懸念は小康状態にあったが、不穏な 動きが再燃。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の藤戸則弘投資情報 部長は、ロシアで「格下げなど何か大きなイベントがあれば、また一気 に新興国の混乱につながるリスクを内包している」と話す。

一方、米商務省が13日に発表した1月の米小売売上高の速報値は、 前月比0.4%減少と2012年6月以来の大幅減となった。エコノミスト予 想の中央値は横ばい。寒波や降雪の影響で、自動車のショールームや小 売店への客足が遠のいた。

SQ水準下回る

個別企業の材料を受けた前日の米国株高、為替相場の落ち着きを好 感し、TOPIX、日経平均は小高く始まり、日経平均は朝方に一 時143円高と上昇基調を強める場面があった。ただ、寒波の影響を受け る米国経済と同様、全国的に雪模様のきょうの日本株は次第に上値が重 くなり、午前終盤に両指数ともマイナス転換。午後はアジア株が堅調な 中で、独歩的に下げ幅を広げた。

野村証券投資情報部の若生寿一エクイティ・マーケット・ストラテ ジストは、先々の米経済指標を見極めたいとの投資家心理が根強いほ か、「企業決算の発表がピークアウトするなどニュースフローも少な く、買い上がるには材料不足」と言う。

週明け17日には、日本の昨年10-12月期の実質国内総生産 (GDP)が公表予定。ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想で は、前期比年率2.8%の伸びになる見込み。7-9月期のプラス1.1%か ら回復しそうな半面、今後は降雪、消費税増税の影響と懸念要素も抱え る。

東証1部の売買高は28億9726万株、売買代金は2兆6504億円。下落 銘柄数は1490、上昇は244。きょうの取引開始時は株価指数オプション 2月限の特別清算値(SQ)算出で、ブルームバーグ・データの試算に よると、日経225型で1万4536円9銭と13日の日経平均終値1万4534 円74銭を1円35銭上回った。きょうはSQの下方で終え、今後は需給の 節目水準として意識される可能性がある。

東証1部33業種のうち32業種が下げ、下落率上位はその他金融、不 動産、パルプ・紙、証券・商品先物取引、鉄鋼、非鉄金属、水産・農 林、食料品、海運など。石油・石炭製品の1業種のみ上げた。

売買代金上位では、14年12月期の純利益見通しを4割を超す減益と したキリンホールディングスが大幅安。トヨタ自動車やファーストリテ イリング、三井不動産、住友不動産、電通、住友ゴム工業、三菱重工 業、大和証券グループ本社も安い。相対的に、過剰流動性相場で上昇し やすい不動産などの下落ぶりが目立った。半面、9カ月決算が大幅な増 益だった第一生命保険、東京海上ホールディングス、アナリストの投資 判断引き上げたを受けたJXホールディングスが堅調だった。

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