ドルが一時102円割れ、米指標を警戒-失業率悪化で豪ドル下落

東京外国為替市場では、ドルが円に 対して一段安の展開となり、一時1ドル=102円を割り込んだ。この日 の米国時間に1月の小売売上高の発表を控えて、先行き不透明感からド ル売り圧力がかかった。

午後3時40分時点のドル・円相場は102円05銭付近。ドルは朝方に 付けた102円57銭を上値にじりじりと水準を切り下げ、午後には下落幅 を拡大して101円99銭までドル安・円高が進んだ。

IG証券の石川順一マーケットアナリストは、米連邦準備制度理事 会(FRB)のイエレン議長が粛々と緩和策を縮小する姿勢を示した が、米指標には「不透明感が漂っている」とし、金融政策をめぐる市場 の思惑は依然として振れていると説明。その上で、指標が弱い内容とな れば、緩和縮小ペースの減速期待で株式相場が上昇する可能性があるな ど、「市場の反応が非常に読みづらい」状況だと言い、指標発表を控え た東京市場では、「ドルは買いにくい」と話していた。

また、この日の午前にオーストラリアで発表された雇用統計で失業 率が悪化したことで豪ドル売りが活発化。石川氏は、対豪ドルでの円買 いが波及して、ドル・円相場での円高進行を後押しした面もあると指摘 していた。

一方、この日の東京株式相場は日経平均株価が午後の取引で一段安 となり、前日終値比の下げ幅が300円を超える場面も見られた。あおぞ ら銀行市場商品部の諸我晃為替マーケットメイク課長は、きのう米国株 は多少下げたが、どちらかというと米国は戻しつつあるところなので、 「日本株の200円を超える下げは少し予想外だ」と説明していた。

米小売統計を警戒

ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト調査によると、 1月の米小売売上高(速報値)は、予想の中央値が前月比で横ばいと、 昨年12月の同0.2%増から鈍化が見込まれている。自動車を除くベース では、0.1%増が予想されており、ほぼ1年ぶりの高い伸びとなった12 月の0.7%増を大きく下回る見込み。

ユニオン・バンクのトレーダー、白井万雄氏(ロサンゼルス在勤) は、米国の経済指標について、天候の悪さが反映される可能性があると し、「センチメントにも良くないのではないか」と指摘。その上で、 「今までずっと続いていたドル買いのセンチメントがここにきて頭打ち というような感じに見える」と述べている。

一方、前日の海外市場では、ユーロ安が進行。対ドルでは一時1ユ ーロ=1.3562ドル、対円では一時1ユーロ=138円68銭と、ともに3営 業日ぶりの安値を付けた。欧州中央銀行(ECB)のクーレ理事が ECBが中銀預金金利をマイナスにすることを「非常に真剣に」検討し ていると述べたことがきっかけとなった。東京市場のユーロ相場は1.36 ドル台前半、139円台前半を中心に推移した。

ECBの政策委員会メンバー、ノワイエ仏中銀総裁は12日、「ユー ロがとても強い状況にあるのはやや奇妙だ。景気サイクルが出遅れてい ることを考えると、ドルが再び上昇するのが論理的だ。従ってこれは奇 妙な状況だ」と指摘した。パリでBFMテレビに語った。

ポンド

イングランド銀行(英中央銀行、BOE)が12日に公表した四半期 物価報告では、失業率が7%に達する時期の見通しを2013年11月-14年 1月に前倒しした。その上で、現行0.5%の「政策金利を引き上げる前 に、余剰生産能力を一段と吸収する余地がある」との認識を示した。さ らに、14年通年の経済成長率予想を3.4%とし、昨年11月時点の予想 値2.8%から上方修正した。

BOEの見通しを受けて、海外市場でポンド買いが活発化。この日 の東京市場では、対ドルで1月28日以来の高値を更新して上昇を維持し ている一方で、対円では1月29日以来の高値を更新した後、クロス・円 での円買いが影響して反落している。

--取材協力:小宮弘子. Editors: 青木 勝, 崎浜秀磨

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