ソフトバンク社長:米での規模拡大訴え、Tモバイルに触れず

米携帯電話3位スプリントを傘下に 持つソフトバンクの孫正義社長は12日の決算発表で、米市場で先行する 他社と「同等の規模で競争できる環境になれば、もっと激しい価格競 争、ネットワーク競争を提供できる」と述べた。関係者によるとソフト バンクは米携帯電話会社4位TモバイルUSの買収を検討している。

孫社長は、米での携帯電話業界が、大手のベライゾン・ワイヤレス とAT&Tの2強状態にあるため、米での競争は「日本に比べてぬる い」と発言した。その上で他の携帯電話事業者の規模拡大により、「本 当の意味での競争が起きるのが米国民や産業にとって望ましい」と話し た。ただ、Tモバイル買収について直接のコメントは避けた。

ソフトバンクは国内市場の縮小を見据え海外進出を積極化させてお り、昨年はスプリントを買収した。関係者によればTモバイル買収を進 めるかどうか、近く判断する。

エース経済研究所の安田秀樹アナリストは「統合によって規模の経 済が働けば、通信料金の引き下げや国民生活の向上につながる」と説 明。孫社長の発言は「投資家や規制当局、Tモバイルへのメッセージ」 と述べた。

同社が12日発表した2013年10-12月期の純利益は933億円となり、 市場予想を上回った。携帯電話契約数の増加で、国内事業の収益が順調 に伸びた。ブルームバーグ・データによるアナリスト3人の予想平均 は390億円。

営業利益は2092億円で市場予想1966億円を上回った。売上高は1 兆9631億円で市場予想1兆8775億円を上回った。今期(2014年3月期) の業績予想に変更はなく、来期(15年3月期)予想も据え置いた。

夢のまた夢

複数の関係者によると、ソフトバンクはTモバイルへの買収を進め るかどうかについて、数週間以内に判断する方針。買収を進めるには米 司法省や連邦通信委員会(FCC)の許認可が必要になるが、両者はこ れまでの予備協議で難色を示している。ブルームバーグ・データによる と、Tモバイル株の67%はドイツテレコムが保有する。

孫社長は決算会見で、米業界の統合なしにスプリントの単独1位は 「夢のまた夢」との現状認識を示した。その上で「3位でいいとは思っ ていない」と語った。

ソフトバンクは昨年、約1兆8500億円を投じ、スプリント株の80% を取得。このほか携帯端末の卸売事業者の米ブライトスターや「コンテ ンツ分野のけん引役」と位置付けるフィンランドのモバイルゲーム会社 スーパーセルの買収をこれまでに終えた。

スプリント赤字縮小

11日に米で発表されたスプリントの10-12月決算は、純損益は10 億4000万ドル(1株当たり26セント)の赤字となったが、赤字幅は前年 に比べ縮小した。月次契約者数が見込みほど減らなかったため、売上高 はアナリスト予想を上回った。

国内ではNTTドコモが昨年9月から米アップルのスマートフォン 「iPhone(アイフォーン)」の販売を開始し、12月の純増数で2 年ぶりに首位となった。一方、1月の純増数ではソフトバンクが再び首 位となっている。4月には音声とデータ通信が、一定の条件のもとで定 額になる料金プランを導入する。

ミョウジョウ・アセット・マネジメントの菊池真最高経営責任者 (CEO)は「海外がまだ収益インパクトを及ぼしているとは思えない ので、もっぱら国内が好調だということだ」と述べた。

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