2月12日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ユーロ下落、鉱工業生産統計でECB追加緩和観測

12日のニューヨーク外国為替市場でユーロは対ドルで続落。2013 年12月のユーロ圏鉱工業生産指数が予想を下回ったことから、欧州中央 銀行(ECB)による追加緩和実施をめぐる憶測が広がった。

ユーロは主要16通貨の大半に対して下落した。ロイター通信が ECBのクーレ理事を引用して、ECBは中銀預金金利をマイナスにす ることを「非常に真剣に」検討していると報じたことが手掛かり。ユー ロ圏の域内総生産(GDP)は14日に発表される。

英ポンドは対ユーロで8週間ぶりの大幅高。イングランド銀行(英 中銀)が景気回復の勢いが増しているとの見方を示したことが影響し た。ドルは対円で下落。13日発表される1月の米小売売上高は前月比で 横ばいと予想されている。

ウエストパック銀行の北半球通貨担当チーフストラテジスト、リチ ャード・フラヌロビッチ氏(ニューヨーク在勤)は、鉱工業生産指数の 低下によって「市場参加者は今週発表されるGDP統計に対してやや神 経質になっている」と述べ、「クーレ理事の発言は新しい内容ではない が、市場参加者は予期していなかったことであり、それがユーロ安につ ながった」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ユーロは対ドルで0.3%下げて1 ユーロ=1.3593ドル。対円では0.4%下げて1ユーロ=139円37銭。ドル は対円で0.1%下げて1ドル=102円53銭。

JPモルガンG7ボラティリティー指数は7日連続で低下 し、7.72%と10月30日以来の低水準をつけた。2月3日には4カ月ぶり 高水準だった。

ユーロ圏の動向

ロイター通信によると、クーレ理事はECBがマイナスの預金金利 を検討していると述べた上で、あまり予測を織り込み過ぎるべきではな いと続けた。これより先、フィンランド中銀のリイカネン総裁はマイナ スの預金金利はECBが利用できる手段の一つだと発言している。

EU統計局(ユーロスタット)が発表した12月のユーロ圏鉱工業生 産指数は前月比0.7%低下した。ブルームバーグがまとめたエコノミス トの調査中央値では前月比は0.3%低下が見込まれていた。11月の指数 は1.6%上昇だった。

ブルームバーグ・ニュースがまとめたアナリストの予想によると、 ユーロ圏のGDPは第4四半期に前期比0.2%増が見込まれている。

UKフォレックスの法人事業マネジャー、アレックス・エドワーズ 氏は「ユーロは大きく下げた」と述べ、「デフレの脅威はまだ存在して おり、来月のECB会合までにこうしたコメントが増えるだろう。 ECBがマイナスの預金金利の導入に踏み切る可能性はかなりある」と 続けた。

英ポンド

ポンドは対ドルと対ユーロで続伸。景気回復に伴い、英中銀が金利 を抑制するのに苦戦するとの見方がある。

英中銀は昨年10-12月(第4四半期)経済成長率については0.9% を予想。英政府統計局(ONS)が公表した速報値は0.7%だった。14 年通年については3.4%と、昨年11月時点に予想した2.8%から上方修正 した。

ポンドは対ドルで0.9%上昇。対ユーロでは1.2%上昇し、12月18日 以来の大幅高となった。

ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想中央値によると、1月 の米小売売上高は前月比で変わらず。前月は0.2%増だった。

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指数に よると、ユーロは年初から0.8%下落。ドルは0.4%高、円は3.4%と最 も値上がりした。

原題:Euro Falls as Factory Drop Spurs ECB Stimulus View; Pound Rises(抜粋)

◎米国株:5日ぶり下落、P&Gやアマゾンに売り-上げ一服との声も

米株式相場は5日ぶりに下落。経済成長に対する楽観的な見方があ るものの、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)やアマゾン・ド ット・コムなどが下げた。

P&Gは利益と売上高の見通しを下方修正した。アマゾンはUBS の投資判断引き下げを嫌気して大幅安。ダウ・ケミカルも安い。会社分 割の場合は企業価値が低下すると内部調査が結論づけた。一方、トリッ プアドバイザーは大幅高。第4四半期の売上高がアナリスト予想を上回 った。

S&P500種株価指数は前日比0.1%未満安い1819.26で終了。一時 は0.4%上昇する場面もあった。ダウ工業株30種平均は30.83ドル (0.2%)下落し15963.94ドルで終えた。

フェデレーテッド・インベスターズのチーフ株式ストラテジスト、 フィル・オーランド氏(ニューヨーク在勤)は「このあたりで上げ一服 だ。ワシントンの問題は基本的に片付いた。イエレン米連邦準備制度理 事会(FRB)議長がこれまでの金融政策を踏襲する方針を示したた め、量的緩和の段階的縮小がどうなるかだいたいの感触を得た」と述べ た。

セントルイス連銀のブラード総裁は2014年の経済成長率が3%以上 になると予想。資産購入を引き続き縮小する「軌道上にあると現在考え ている」と述べた。さらに「年内に購入プログラムを終了することがで きるだろう」と話した。

最高値まであと1.6%

連邦公開市場委員会(FOMC)は資産購入プログラムの規模を2 回にわたり縮小。850億ドルだった月額の購入規模は今月には650億ドル となっている。バーナンキ前FRB議長が主導した3弾にわたる量的緩 和で、S&P500種は2009年に付けた12年ぶりの安値から最大で173%上 昇した。

S&P500種は1月15日に過去最高値で終了。その後、2月3日ま でに5.8%下落した。中国の景気減速兆候や新興市場通貨の混乱が背景 にあった。最近の相場上昇で、同指数は最高値まであと1.6%の水準ま で戻している。

中国の1月の輸出は増加。税関総署の12日の発表によると、1月の 輸出は前年同月比10.6%増。市場予想の中央値は同0.1%増だった。1 月の輸入は10%増加し、貿易黒字は319億ドル(約3兆2700億円)と、 1月としては2009年以来の大きさに拡大した。

ロバート・W・ベアードの米株セールス責任者、パトリック・スペ ンサー氏は電話インタビューで、「世界が正常な状態に回帰しつつあ る。中国経済はドル建てで2008年から倍増している。量的緩和縮小をめ ぐる懸念は事実上のゼロ金利政策が当面維持されると再確認されること で相殺されるだろう」と語った。

14社が決算発表

S&P500種構成銘柄のうち、この日はシスコシステムズやメット ライフなど14社の決算が発表された。ブルームバーグがまとめたデータ によると、これまでに業績発表したS&P500種採用銘柄のうち、 約76%で利益がアナリスト予想を上回った。

S&P500種セクター別では6セクターが下落。エネルギーや素 材、生活必需品株の下げが目立った。

P&Gは1.7%、アマゾンは3.5%それぞれ下げた。ダウ・ケミカル は1%下落。

一方、情報技術(IT)や通信サービス、工業株は上昇した。トリ ップアドバイザーは7.2%高。

原題:U.S. Stocks Decline After Four-Day Rally as P&G, Amazon.com Drop(抜粋)

◎米国債:続落、FRB議長が債券購入縮小の継続の方針示す

米国債相場は続落。10年債利回りは2週ぶり高水準に上げた。10年 債入札(発行額240億ドル)が手掛かりとなった。米連邦準備制度理事 会(FRB)のイエレン議長は前日の議会証言で、景気回復とともに債 券購入の縮小を継続する方針を示した。

10年債利回りは2日連続で上昇。イエレン議長は議会証言で、経済 の「見通しが著しく変化した場合」のみ、政策当局は債券購入の縮小ペ ースを減速させると説明した。利回りが3カ月ぶり低水準から上昇した ことを手掛かりに、10年債入札では海外の中央銀行など間接入札者の需 要が昨年6月以降で最高となった。財務省短期証券(TB)のレートは 低下。債務上限の適用を2015年まで停止する法案が議会で可決されたこ とが手掛かり。

三菱UFJ証券USAのシニア米国債トレーダー、トーマス・ロス 氏は、イエレン議長の議会証言で「債券への逃避が落ち着いたため、利 回りは上昇した」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比4ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)上昇の2.76%。一時2.78%と、1月29日以来の高水準を付 けた。3日には2.57%と、昨年11月1日以来の低水準を付けていた。同 年債(表面利率2.75%、2023年11月償還)価格はこの日10/32下げて99 29/32。

割高感薄れる

バリュエーションの目安となるタームプレミアム(期間に伴う上乗 せ利回り)によれば、米国債の割高感は1月27日以降で最も低くなって いる。タームプレミアムは0.46%。物価上昇ペースのゆっくりとした先 進国では0.50-0.75%が正常と見なされる。過去10年間の平均 は0.21%。

10年債入札での最高落札利回りは2.795%と、昨年11月以来の低水 準。入札直前の市場予想は2.797%だった。前回1月10日の入札での最 高落札利回りは3.009%で、11年5月以来の高水準だった。過去10回の 平均は2.529%。

投資家の需要を測る指標の応札倍率は2.54倍。過去10回の平均 は2.65%。

海外の中央銀行を含む間接入札者の落札全体に占める割合は49.7% と、6月以降で最大。過去10回の平均は42.6%。

大和証券キャピタル・マーケッツ・アメリカの債券部門責任者、レ イ・レミー氏(ニューヨーク在勤)は「入札は好調だった」とし、「間 接入札者が落札全体のほぼ半分を占めた。利回り上昇の影響が非常に大 きい。利回りは1週間前より12bp高い」と続けた。

プライマリーディーラー(政府証券公認ディーラー)以外の直接入 札者の比率は16.2%だった。1月の入札では13.6%、過去10回の平均 は18.3%。13日には30年債入札(発行額160億ドル)が実施される。

緩和縮小と利回り

下院金融委員会で前日、FRB議長として初となる金融政策報告を 行ったイエレン氏は、バーナンキ前議長が主導した政策を継続し、「慎 重なステップ」で債券購入を縮小させる考えを表明した。議会証言は上 院銀行委員会でも13日に予定されていたが、大雪予報のため延期となっ た。

グッゲンハイム・セキュリティーズの米政府債トレーディング担当 マネジングディレクター、ジェーソン・ローガン氏は「金融当局が債券 購入の縮小を続ける中で、利回りは今後もじりじり上昇していく」と予 想した。

原題:Treasuries Drop on Outlook for Taper as U.S. Sells 10-Year Notes(抜粋)

◎NY金:6日続伸、3カ月ぶり高値-米緩和縮小継続の観測

ニューヨーク金先物相場は6日続伸し、3カ月ぶりの高値をつけ た。米国が緩和策を継続するとの観測を背景に、代替資産としての金に 買いが入った。

米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長は前日の議会証言 で、労働市場の健全性を取り戻すにはさらなる取り組みが必要だと指摘 した上で、「慎重なステップ」で債券購入を縮小させる考えを表明し た。セントルイス連銀のブラード総裁はこの日、量的緩和の「パンチボ ウル」を当局はまだ片づけていないと述べた。

アーチャー・フィナンシャルのシニア市場ストラテジスト、アダ ム・クロフェンシュタイン氏(シカゴ在勤)は電話インタビューで、 「ブラード総裁やイエレン議長は当局が緩和の終了を急いでいないこと を明確に示した」と指摘。「金融システムにマネーの注入が続くという ことが、金を支えている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物4 月限は前日比0.4%高の1オンス=1295ドル。一時は1296.40ドルと、昨 年11月8日以来の高値となった。6日続伸は2012年6月以来の最長。

原題:Gold Reaches 3-Month High as Silver Caps Best Rally Since 2011(抜粋)

◎NY原油:ほぼ4カ月ぶりの高値-クッシングの在庫減少で

ニューヨーク原油相場はほぼ4カ月ぶりの高値に上昇。オクラホマ 州クッシングの在庫が先週減少したことが背景にある。エネルギー情報 局(EIA)の発表によれば、ウェスト・テキサス・インターミディエ ート(WTI)の受け渡し地点であるクッシングの在庫は267万バレル 減少した。

マニュライフ・アセット・マネジメント(ボストン)で石油・天然 ガス関連の債券ポートフォリオを運用するマネジングディレクター、ア ダム・ワイズ氏は「クッシングとメキシコ湾の間の送油停滞の問題が解 消されつつあり、WTIの支援材料になっている」と指摘。その上で、 「原油全体の在庫は市場予想を若干上回る増加となったため、日中高値 を離れた」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物3月限は前日 比43セント(0.4%)高の1バレル=100.37ドル。終値としては昨年10 月18日以来の高値となった。

原題:WTI Crude Reaches Highest Since October on Cushing Inventories(抜粋)

◎欧州株:6日続伸、好決算でINGやソシエテに買い-中国指標も注目

12日の欧州株式相場は上昇。指標のストックス欧州600指数は今年 最長となる6営業日続伸となった。INGグループやソシエテ・ジェネ ラルなどの四半期利益が予想を上回ったことが好感された。中国の1月 の輸出急増も注目された。

オランダの金融サービス会社INGと、仏銀ソシエテ・ジェネラル が大幅高となった。ノルウェーのアルミメーカー、ノルスク・ハイドロ は3.6%上昇。四半期売上高が予想を上回った。同国の電話会社テレノ ールは2012年5月以来の大幅安。四半期利益がアナリスト予想を下回 り、売りを誘った。

ストックス欧州600指数は前日比0.8%高の332.00で終了。4日以降 の上昇率は4.5%に達した。ただ、6年ぶり高値を付けた先月22日以来 では1.2%下げている。

ライファイゼン・キャピタル・マネジメント(ウィーン)の株式部 門責任者、ヘルベルト・ペルス氏は電話インタビューで、「目先および 中・長期的に欧州株について楽観している」とし、「一部企業の利益が 予想を大きく下回ると市場の一部で心配されていたが、こうした懸念は 薄れつつある。毎日、企業が発表する具体的な数字を目にするが、どれ も大丈夫だ」と語った。

12日の西欧市場では、18カ国中12カ国で主要株価指数が上昇。独 DAX指数は0.7%、仏CAC40指数は0.5%それぞれ上げた。

原題:European Stocks Rise a Sixth Day as ING, SocGen Beat Estimates(抜粋)

◎欧州債:スペインとイタリア債下落-英国債も下げる、金利見通しで

12日の欧州債市場ではスペイン国債が続落。10年債利回りを2006年 以来の低水準まで押し下げた最近の相場上昇の勢いが弱まりつつある兆 候を示した。

イタリア10年債は6営業日ぶりに下落。同国のレッタ首相は辞任を 迫る圧力に抵抗し、新たな政策を掲げることで求心力を失いつつある連 立政権の建て直しを図る姿勢を示した。ドイツ国債はオーストリアとフ ランスの国債とともに下げた。ソブリン債危機で落ち込んだ信頼感の回 復に伴い、域内の高債務国の国債は今年に入ってから上昇していた。

ソシエテ・ジェネラルの欧州金利戦略責任者、キアラン・オヘガン 氏(パリ在勤)は「利回りが過去最低に近い水準にあり、こうした相場 の調整が時々起こるのは普通だ」とし、「国債が一段安になれば、買い の好機だ」と語った。

ロンドン時間午後5時現在、スペイン10年債利回りは前日比5ベー シスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の3.65%。10日には3.58% まで下げ、06年3月以来の低水準となっていた。同国債(表面利 率3.8%、2024年4月償還)価格はこの日、0.445下げ101.25。

イタリア10年債利回りも5bp上昇し3.73%。06年2月以降の最低 となる3.66%まで下げる場面もあった。

ドイツ10年債利回りは3bp上げ1.72%。これは先月30日以来の高 水準。

英国債市場では5年債が大きく下げた。英経済の改善が進む中、イ ングランド銀行(英中央銀行)のカーニー総裁が低金利を維持するのは 困難との見方が広がった。

英中銀はこの日公表した四半期物価報告で、昨年10-12月(第4四 半期)の経済成長率が0.9%に上方修正され得ると予想。英政府統計局 (ONS)が公表した速報値は0.7%だった。今年1-3月(第1四半 期)も0.9%を見込んでいる。14年通年については3.4%と、昨年11月時 点に予想した2.8%から上方修正した。

英5年債利回りは12bp上昇し1.73%と、昨年9月5日以来で最大 の上げとなった。同国債(表面利率1.25%、2018年7月償還)価格 は0.495下げ97.97。指標の10年債利回りは8bp上げて2.82%。

原題:Spanish Bonds Drop With Italy’s as Peripheral Debt Rally Pauses(抜粋) Pound Advances Most in Three Months as Carney Fails to Convince (抜粋)

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