ドル・円は102円半ば、FRB議長証言通過で株にらみ

東京外国為替市場ではドル・円相場 が1ドル=102円台半ばを中心に推移した。米株高や米金利上昇を手掛 かりにドル買い・円売りが進んだ海外市場の流れが一服。イエレン米連 邦準備制度理事会(FRB)議長が緩和縮小を慎重に継続する方針を示 したことで、米国の景気動向を見極めようとのムードが広がった。

午後3時35分現在のドル・円相場は102円52銭前後。前日の海外市 場では先月31日以来の水準となる102円70銭までドル高・円安が進 み、102円60銭台でこの日の東京市場を迎えた。その後、日本株が伸び 悩むにつれ、102円42銭まで円買いが進行。午前の取引終盤に日本株が 上げ幅を拡大すると102円60銭台まで値を戻したが、株買い・円売りは 続かず、午後は再び円がじり高となった。

外為どっとコム総合研究所の川畑琢也研究員は、きのうは米国の株 価や金利の上昇がドル・円の追い風となったが、東京市場では「102 円70銭付近が上値として少し意識されているのかもしれない」と指摘。 その上で、今後は「米経済が緩和縮小できるほど回復しているのかとい うところがポイントになる」とし、あす以降に発表される小売売上高な どの米経済指標が強ければ、一段の米株高・金利上昇につながり、「ド ル・円も上がりやすくなる」と予想した。

ユーロ・円相場は1ユーロ=139円台後半でもみ合い。中国の1月 の貿易収支で輸出、輸入がともに予想を大幅に上回ったことを受け、オ ーストラリア・ドル買いが強まり、対豪ドルで円が売られたことが下支 えとなった。ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.36ドル台前半で推移。

米経済指標に注目

米国では13日に1月の小売売上高と先週分の新規失業保険申請件 数、14日に1月の鉱工業生産や2月のミシガン大学消費者マインド指数 などが発表される。

イエレン議長は11日、米下院金融サービス委員会の質疑応答で、経 済の「見通しが著しく変化した場合」のみ、政策当局は債券購入の縮小 ペースを減速させると説明した。また、金融市場の混乱は米経済の見通 しに顕著なリスクをもたらしてはいないとの認識を示した。

三井住友銀行の山下えつ子チーフ・エコノミスト(ニューヨーク在 勤)は、イエレン議長の証言について「景気には楽観的だが、利上げま ではまだ時間があり、低金利が継続するというような状況なので、一応 株式相場にとってはそれなりにリスクオンに戻りやすい」と解説。その 上で、米経済指標次第では再びリスクオフとなり、円高に戻ることもあ り得るが、新興国市場の混乱がとりあえず一巡したことで、よほど悪い 数字が出ない限りはドル・円は「少し戻ろうとする動きの方が先に出や すい」と指摘した。

米下院は11日、連邦債務上限の適用を2015年3月まで停止する法案 を可決した。共和党が譲歩し、無条件での債務上限引き上げを求めたオ バマ大統領と民主党が勝利した形となった。

12日の東京株式相場は続伸。米国の経済状況や財政問題に対する懸 念が後退し、日経平均株価は一時150円超上げる場面が見られた。もっ とも、その後は上げ幅を縮小し、結局81円72銭(0.6%)高の1万4800 円06銭で引けた。アジア株もおおむね堅調に推移している。

--取材協力:大塚美佳. Editors: , 崎浜秀磨

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