川崎船:最新の環境対応技術搭載の自動車船を前倒し投入

海運国内3位の川崎汽船は、世界初 となる最新エンジンを搭載した自動車運搬船を建造し、地球温暖化ガス などの排出を抑制する。将来の環境規制の強化をにらみ、前倒しで次世 代型の船を投入する。事情に詳しい3人の関係者が明らかにした。

既に発注している8隻の最新型の大型自動車運搬船のうち7500台積 みの1隻のエンジンに、川崎重工業が開発する装置を搭載する。他に盛 り込んだ最新技術と合わせ、自動車1台当りを輸送する際の二酸化炭素 (CO2)の排出量を従来の同型船と比較して25%削減するほか、排気 ガス中の窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)など、酸性雨や 光化学スモッグを引き起こす物質の排出を抑えるという。

船舶は航空機や鉄道、車両などの輸送手段に比べて環境負荷は低い が、川崎汽船では将来の環境規制が現在よりも厳しくなることを予測し ており、実験を兼ねる形で先手を打ち、次世代型の運搬船を導入する。 建造費用の負担は上がるが、同社の朝倉次郎社長はこれまでに「環境対 策は企業存続の絶対条件」と述べ、環境重視の姿勢を示している。

川崎重によるNOx生成抑制の装置付きエンジンを世界で初めて試 験搭載する。国際海事機関(IMO)は、段階的に規制を強化してお り、2016年以降に起工する全ての新造船に課せられる次の段階の規制も 採択済み。同エンジンは川崎重が既存の燃料に水を添加したり、排気ガ スの一部を再利用したりといった独自の技術を盛り込んだ次世代だとい う。

1隻当りの建造費用は、従来の大型自動車運搬船が70-80億円とさ れているなかで最新の装置などを付加することで約10%程度、上乗せさ れるという。ただ一部は国土交通省などからの助成金で補えるとしてい る。川崎汽船の広報担当者、成田実生氏は問い合わせに対し「現時点で はなにもコメントできない」とした。川崎重の広報担当の小林鉄平氏も コメントを控えた。

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