2月11日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:ドル下落、労働市場回復「達成には程遠い」とFRB議長

ニューヨーク外国為替市場ではドルが4週間ぶりの安値に下落。イ エレン連邦準備制度理事会(FRB)議長が労働市場の回復は「達成に は程遠い」と述べ、資産購入に「あらかじめ決まった道筋」はないと、 米連邦公開市場委員会(FOMC)の声明内容を繰り返した。

ドルは主要16通貨の大半に対して下落した。今週発表される1月の 米小売売上高は前月から横ばいが予想されている。円は主要通貨すべて に対して下落した。投資家が高利回り通貨を求めたことが背景だ。

みずほフィナンシャルグループの米通貨セールス責任者、ファビア ン・エリアソン氏(ニューヨーク在勤)は、「イエレン議長は方針を大 きく変更することはなかった。それがドルに売り圧力をかけた」と述 べ、「議長の証言は前もって宣伝されていたも同然だった」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、ブルームバーグ・ドル・スポット 指数は0.1%下げて1023.78。一時は1月13日以来の低水準をつけた。

ドルは対ユーロで0.1%上げて1ユーロ=1.3638ドル。円に対して は0.4%高の1ドル=102円63銭。円はユーロに対して0.3%安の1ユー ロ=139円97銭。

JPモルガンG7ボラティリティー指数は7.90%。前日は7.79% と、1月23日以来の低水準まで下げた。

英ポンドが上昇

英ポンドは主要通貨の過半数に対して上昇した。業界団体の発表に よると、1月英小売売上高は大幅に伸びが加速した。英ポンドは対ドル で0.3%上昇した。

イエレン議長は就任後初めて公の場で発言。これまでの政策を継続 し、「慎重なステップ」で債券購入を縮小させる考えを表明した。

FOMCは先月、「雇用市場の指標はまちまちだったが、ならして 見るとさらなる改善が示された」として、債券購入額を100億ドル縮小 し、月650億ドルにする方針を決めた。

スタンダード・ライフ・インベストメンツのグローバル戦略責任者 のアンドリュー・ミリガン氏(エディンバラ在勤)は、「金融当局が利 上げに踏み切るとしても、政策を誤ることを恐れて慎重なペースになる であろうことは市場はすでに受け入れつつある」と述べた。

ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想中央値によると、1月 の米小売売上高は前月比で変わらず。前月は0.2%増だった。労働省が 発表した1月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数(事業所調査、 季節調整済み)は前月比11万3000人増加。ブルームバーグ・ニュースが まとめたエコノミストの予想中央値は18万人増だった。

ブルームバーグがまとめたアナリスト予想中央値によると、ドルは 3月末までに対ユーロで1ユーロ=1.34ドル、対円では105円に上昇す る。

原題:Dollar Weakens as Yellen Says Labor Recovery ’Far From Complete’(抜粋)

◎米国株:4日続伸、FRB議長証言で景気への楽観強まる

米株式相場は4日続伸。主な株価指数の4日間の上げは約1年ぶり の大幅となった。イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会 証言を受け、量的緩和の一段の縮小を乗り切ることができるほど景気は 力強いとの見方が強まった。

鉄鉱石生産会社クリフス・ナチュラル・リソーシズや肥料メーカー のモザイクが素材株の上げを先導した。ダウ工業株30種平均の構成銘柄 ではボーイングやゴールドマン・サックス・グループが高い。第4四半 期の売上高が予想を上回ったスプリントも上昇。処方薬供給最大手でド ラッグストアチェーン2位のCVSケアマークも上げた。新薬や客足の 伸びを背景に薬剤の売り上げが伸びた。

S&P500種株価指数は前日比1.1%高の1819.75で終了。ここ4日 間の上昇率は3.9%となり、約2週間ぶりに50日移動平均を上抜いた。 ダウ工業株30種平均は192.98ドル(1.2%)上昇し15994.77ドルで終え た。ナスダック総合指数は1%上昇し、年初からの下げを埋めた。

JPモルガン・プライベート・バンクの米株式責任者、スティーブ ン・リース氏は電話インタビューで、「市場は継続を好む。今朝の証言 内容はここ数カ月聞いてきたものと一致している」と発言。「量的緩和 の慎重なペースでの縮小は続くが、引き続きそれは緩やかに回復する経 済状況の結果としてだ。まだ景気は良い年になる軌道上にある」と語っ た。

イエレン議長

イエレン議長は経済成長が力強さを増し、労働市場では「幅広い改 善」が見られると指摘。「慎重なステップ」で債券購入を縮小させる考 えをあらためて表明し、資産購入には「あらかじめ決まった道筋」はな いと言明した。

さらに、経済成長は上向いてきているものの「労働市場の完全な回 復達成には程遠い状態だ」と指摘。「当局の二大責務の双方の達成に向 けて全力を挙げる。つまり完全雇用への復帰、そしてインフレ率を2% に戻すことだ。インフレ率については、2%を長期にわたって上回りも 下回りもしないようにする必要がある」と続けた。

連邦公開市場委員会(FOMC)は資産購入プログラムの規模を2 回にわたり縮小。850億ドルだった月額の購入規模は今月には650億ドル となっている。バーナンキ前FRB議長が主導した3弾にわたる量的緩 和で、S&P500種は2009年に付けた12年ぶりの安値から最大で173%上 昇した。

「整然とした証言」

ラッセル・インベストメンツのチーフ市場ストラテジスト、スティ ーブン・ウッド氏は「イエレン議長は安定を作り出すため非常に慎重に なるだろう。証言からは天才的なアイデアは飛び出さなかったが、非常 に整然とした内容だった。市場は議長のメッセージだけでなく、メッセ ンジャーとしての議長も支持するようになるだろう。金融当局は緩和的 な姿勢を続け、国債市場と株式市場が評価するような信頼性を維持する だろう」と述べた。

イエレン議長は金融市場の混乱について、米経済の見通しに大きな リスクにはなっていないと発言。S&P500種が2013年に30%上昇した ものの、資産価格は「バブルの領域」には入っていないとの認識を示し た。

ワシントンでの財政協議が合意に近いとの観測も買いを誘い、株価 は上げ幅を拡大した。下院は11日夜に債務上限の適用停止法案を採決す る。

S&P500種構成銘柄のうち16社がこの日決算を発表する。ブルー ムバーグがまとめたデータによると、これまでに業績発表したS& P500種採用銘柄のうち、76%で利益がアナリスト予想を上回った。売 上高が予想を上回ったのは66%。

原題:U.S. Stocks Rise for 4th Day as Yellen Fuels Optimism on Economy(抜粋)

◎米国債:10年債3日ぶり反落-FRB議長が債券購入縮小の継続表明

米国債市場では10年債が3営業日ぶりに下落。雇用の伸びが安定し ない中で、米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が債券購入 縮小を継続させる考えを表明したことが手掛かり。

10年債および30年債の利回りは月初来の高水準を付けた。イエレン 議長は、バーナンキ前議長が主導した政策を継続し、「慎重なステッ プ」で債券購入を縮小させる考えを表明した。さらに、その計画を変更 するハードルは高いことを示唆した。ベイナー下院議長は、2015年3月 まで無条件に債務上限を引き上げる法案をめぐり下院が11日夜に採決を 実施すると述べた。株式相場はこの日上昇。財務省は3年債(発行 額300億ドル)の入札を実施した。

キャンター・フィッツジェラルドの金利ストラテジスト、ジャステ ィン・レデラー氏(ニューヨーク在勤)は「市場参加者は、イエレン議 長が若干ハト派姿勢を強めると見込んでいたが、リスクオンのトーンだ ったため米国債には若干打撃となった」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比6ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)上昇の2.73%。これは1月29日以来の高水準。同年債(表 面利率2.75%、2023年11月償還)価格は1/2下げて100 7/32。

30年債利回りは4bp上げて3.69%。一時3.71%と、1月29日以来 の水準に上げた。

TBレート

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチのMOVE指数は 4営業日連続で低下し61.49と、1月22日以来の低水準。

米政府債のディーラー間ブローカーで最大手のICAPによると、 米国債の売買高は前日比44%増の3340億ドル。

財務省短期証券(TB)のレートは低下。ベイナー下院議長 は、2015年3月まで無条件で債務上限を引き上げる法案をめぐり下院 が11日夜に採決を実施すると述べた。

財務省は債務を上限内にとどめるよう実施している特別措置につい て、今月27日に尽きる可能性があると説明している。27日に償還を迎え るTBのレートはマイナス0.035%を付けた。4日は0.135%だった。3 月6日償還のTBのレートは一時0.025%。4日には0.135%と、昨年3 月以来の水準に上昇していた。

既発3年債は5bp上げて0.68%となった。財務省はこの日の3年 債入札も含めて今週、3回の入札を実施する。

3年債入札

財務省が実施した3年債入札では最高落札利回りは0.715%。入札 直前の市場予想は0.722%だった。

BNPパリバの金利ストラテジスト、アーロン・コーリ氏(ニュー ヨーク在勤)は「非常に力強い入札だった」と指摘。「過去の平均より も若干良かった」と加えた。

3年債入札では、需要の目安となる応札倍率が3.42倍と、12月以来 の高水準。前月は3.25倍と10月以来の低水準だった。過去10回の平均 は3.27倍。

イエレンFRB議長は下院金融サービス委員会での証言で、 「FOMCの金融政策方針の多くが継続されると見込んでいる」と述べ た。

また質疑応答では、経済の「見通しが著しく変化した場合」のみ、 政策当局は債券購入の縮小ペースを減速させると説明した。

原題:Treasuries Drop as Yellen Sees Further Cuts to Fed Bond-Buying(抜粋)

◎NY金:5日続伸、2012年以来の最長-FRB議長証言で

ニューヨーク金先物相場は5日続伸し、2012年8月以降で最長の連 続高となった。米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が労働 市場の健全性を取り戻すにはさらなる取り組みが必要と指摘したことを 背景に、代替資産としての需要が増加するとの見方につながった。

スタンダード・ライフ・インベストメンツのストラテジスト、フラ ンシス・ハドソン氏は電話インタビューで、「労働市場の修復に向けさ らなる取り組みが必要とイエレン議長が確認したことが金の支えになて いる」と指摘。「議長は緩和縮小は続くとしながらも、あらかじめ決ま った道筋はないことも明確に示した」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物4 月限は前日比1.2%高の1オンス=1289.80ドル。一時は1294.40ドル と、昨年11月8日以来の高値をつけた。5日続伸は2012年8月21日以来 の最長。

原題:Gold Futures Post Longest Rally Since 2012 on Yellen Remarks(抜粋)

◎NY原油:6日ぶり反落-米原油在庫の増加観測で

ニューヨーク原油相場は6営業日ぶりに下落。米原油在庫の増加観 測や、連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長が景気刺激策の縮 小見通しをあらためて示したことが手掛かり。ブルームバーグの調査で は、エネルギー情報局(EIA)が発表する先週の原油在庫は250万バ レルの増加が見込まれている。

エネルギー関連の商品に重点を置くヘッジファンド、アゲイン・キ ャピタル(ニューヨーク)のパートナー、ジョン・キルダフ氏は「ウェ スト・テキサス・インターミディエート(WTI)はバレル当たり100 ドル付近で持ちこたえている。すごいことだ」とし、「現在の市場は様 子見モードで落ち着いているようだ。価格を動かすような材料が出ない か引き続きニュースに注目していく」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物3月限は前日 比12セント安の1バレル=99.94ドルで終了。前日は100.55ドルと、日 中ベースでは昨年12月27日以来の高値を付ける場面があった。

原題:WTI Oil Declines on Speculation U.S. Crude Supplies Increased(抜粋)

◎欧州株:5日続伸、自動車株が高い-FRB議長発言に反応

11日の欧州株式相場は上昇。指標のストックス欧州600指数は5営 業日続伸となった。イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が緩 和縮小を慎重に進める方針を示した。

指数を構成する19の業種別指数では、自動車関連が最も上げた。ゴ ールドマン・サックス・グループが西欧の自動車販売見通しを引き上げ たことが好感された。フランスのタイヤメーカー、ミシュランは3.3% 上昇。同社は2015年業績見通しを据え置いた。一方、英銀バークレイズ は3.8%安。昨年10-12月(第4四半期)に投資銀行部門が赤字とな り、売りを誘った。

ストックス欧州600指数は前日比1.3%高の329.52で終了。この5営 業日で3.8%上げた。ただ、6年ぶり高値を付けた先月22日から今月4 日まででは5.5%下げている。

BGL・BNPパリバの株式ストラテジスト、ギヨーム・デュシェ ーヌ氏(ルクセンブルク在勤)は電話インタビューで、「米当局は緩和 縮小に注力しているが、これは段階的に行われるだろう」とし、「急速 な緩和解消とはならないため、世界的に見れば株式相場には極めてプラ スの要因が混在している。企業収入が改善している一方、金融政策は政 策金利にとってそれほどマイナスではない」と語った。

イエレン議長はこの日、米下院金融委員会で証言。事前に配布され た原稿によれば、緩和縮小について「慎重なステップ」で行うと強調 し、資産購入に「あらかじめ決まった道筋」はないと表明した。

11日の西欧市場では、ギリシャを除く17カ国で主要株価指数が上 昇。仏CAC40指数は1.1%、独DAX指数は2%それぞれ上げ、英 FTSE100指数は1.2%高となった。

原題:Europe Stocks Advance for Longest Streak of 2014 on Fed’s Yellen(抜粋)

◎欧州債:ギリシャ10年債が続伸、利回り一時3年半ぶり低水準

11日の欧州債市場ではギリシャ10年債が7営業日続伸し、利回り が2010年以来の低水準まで下げた。3カ月物証券入札での利回り低下を 好感した。この日は欧州株式相場も5営業日続伸し、ユーロ圏の資産全 体への信頼感回復が示唆された。

救済下からの脱却が近いポルトガルは、2カ月連続で債券市場から 銀行団を通じて資金を調達した。救済を受け入れた11年以降、同国によ る債券発行は2年近くなかった。

ブルーベイ・アセット・マネジメント(ロンドン)で資産運用に携 わるマーク・ダウディング氏は、欧州「市場から数年にわたり遠ざかっ ていた投資家が戻りつつある兆候が見られた」とし、「本当に良い兆し だ」と語った。

ロンドン時間午後5時現在、ギリシャ10年債利回りは前日比21ベー シスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の7.40%。一時は7.38%ま で下げ、10年5月以来の低水準となった。12年3月には44%を超えてい た。同国債(表面利率2%、2023年2月償還)価格はこの日、1.125上 げ72.63。

ギリシャはこの日の入札で91日物証券を13億ユーロ発行。落札利回 りは3.60%と、10年1月以来の低水準となった。11年12月には4.68%に 達していた。

ポルトガルは2024年2月償還債を30億ユーロ発行。同国の債務管理 当局によれば、その83%が海外勢による購入だった。

ポルトガル5年債利回りはこの日、ほぼ変わらずの3.98%。先月15 日には3.77%と、10年8月以来の低水準を付けていた。

英国債相場は続落。イングランド銀行(英中央銀行)は最新の経済 成長率とインフレ率の見通しを12日に公表する。

英10年債利回りは2bp上昇し2.74%。5日には2.64%と、昨年11 月5日以来の低水準を付けていた。同国債(表面利率2.25%、2023年9 月償還)価格はこの日、0.185下げ95.885となった。

原題:Euro Renaissance Shines in Bonds to Stocks as Confidence Returns(抜粋) Pound Advances to One-Week High as Retail Sales Gain; Gilts Fall (抜粋)

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