2月10日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:ボラティリティー低下、FRB議長の証言控え

10日のニューヨーク外国為替市場では全般に小動き。主要通貨のボ ラティリティーを示す指数は約2週間ぶりの低水準となった。イエレン 米連邦準備制度理事会(FRB)議長の就任後初の議会証言を11日に控 え、動意に乏しい展開となった。

日本の財務省が発表した12月の経常赤字が過去最大になったもの の、円は主要16通貨の大半に対して上昇した。豪ドルは下落。トヨタ自 動車はオーストラリアで2017年末までに、車両・エンジンの生産を中止 すると発表したことが影響した。

HSBCホールディングスの為替ストラテジスト、ロバート・リン チ氏は顧客向けリポートで、「今週の注目はイエレン氏がFRB議長と して臨む初の議会証言だ」と指摘。ここ数カ月間、イエレン氏の発言が 限られていたのは「同氏が現在の漸進的なペースでの緩和縮小を支持し ていることを示唆している。軟調な雇用統計やその他経済統計など、同 氏の見解を裏付ける材料は容易に挙げられる」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、JPモルガンG7ボラティリティ ー指数は7.83%と、1月22日以来の低水準だった。

円は対ドルでほぼ変わらず1ドル=102円26銭。円は対ユーロでほ ぼ変わらずの1ユーロ=139円54銭。ユーロは対ドルで0.1%上昇し1ユ ーロ=1.3646ドル。

新興市場通貨

ブルームバーグがまとめた新興市場通貨指数は0.2%低下。先週 は0.8%上昇した。

米労働省が発表した1月の雇用統計によると、非農業部門雇用者数 (事業所調査、季節調整済み)は前月比11万3000人増加。2カ月連続で 市場予想を下回った。

リンチ氏は、「連邦公開市場委員会(FOMC)が示している漸進 的な緩和策の縮小と長期にわたる低金利政策は、新興市場国通貨にとっ ては大きなプラスとなる」と述べ、「新興市場国通貨に対するリスクが 抑制されるとともに、引き続きハト派的な政策を維持するとの姿勢を FOMCがあらためて示すことで、ある程度の買い材料にさえなり得 る」と続けた。

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指数に よると、円は年初から4.1%上昇。前年は17%下落した。ユーロは0.1% 安。ドルは0.7%高となっている。

ノルウェー・クローネ、豪ドル

ノルウェー・クローネは対ユーロで続伸。ノルウェーの消費者物価 は1月に前年比で2.3%上昇と、前月の2%上昇から伸びが加速した。 ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想は2%の上昇だった。

クローネは対ユーロで0.7%高、対ドルでは0.8%の値上がりだっ た。

ブルームバーグがまとめた予想によると、今週発表されるオースト ラリアの失業率は1月に5.9%と、2009年6月以来の最高に上昇する。

この日の豪ドルは対米ドルで0.1%安だった。

ブラウン・ブラザーズ・ハリマンのチーフ為替ストラテジスト、マ ーク・チャンドラー氏は、「この日、本当に動いた通貨が2つある」と 述べ、「一つは予想以上の物価上昇率を背景としたノルウェー・クロー ネ。もう一つは豪ドルだ。先週分の上げを調整している面もあるが、ト ヨタが2017年までに豪州での生産を撤退するというニュースも材料だっ た」と続けた。

原題:Currency Volatility Drops Before Yellen Testimony; Krone Jumps(抜粋)

◎米国株:続伸、イエレンFRB議長の議会証言を控え

米株式相場は続伸。S&P500種株価指数は週間ベースで年初来の 大幅上昇となった先週の流れが続いた。11日には米連邦準備制度理事会 (FRB)のイエレン議長が金融政策に関する半期に一度の議会証言に 初めて臨む。

アップルは1.8%高。同社に追加の自社株買いを求めていた資産家 カール・アイカーン氏はこの要求を取り下げた。レビューサイト運営の イェルプはヤフーとの提携が伝わったことを背景に1.9%上昇。一方、 マクドナルドは1.1下落。同社の米既存店売上高は3カ月連続で減少し た。

S&P500種株価指数は前週末比0.2%高の1799.84。ダウ工業株30 種平均は7.71ドル(0.1%)上昇し15801.79ドル。

パイオニア・インベストメント・マネジメントの運用担当者、ジョ ン・キャリー氏は電話インタビューで、「決算期の最終に近づいている 現段階では、マクロ経済のニュースに良くも悪くも注目が集まり始める だろう」と指摘。「イエレン議長は緩和策縮小や異例の低金利に関する 現行政策を少なくとも当面は続けるというのが現時点での一般的な見方 だ。彼女が現状維持を示唆する限り、市場は落ち着くだろう」と述べ た。

S&P500種は先週末にかけての2日間で2.6%上昇し、昨年10月以 来で最大の上げとなっていた。1月の雇用者数の伸びは市場予想を下回 ったものの、経済成長には量的緩和縮小を乗り切るだけの力強さがある との楽観が広がった。

イエレン議長証言

イエレン議長は下院金融委員会で半期に一度の証言に臨む。3日に FRB議長に宣誓就任してから初めて金融政策および経済見通しについ て発言することになる。

USバンク・ウェルス・マネジメントのシニア株式ストラテジス ト、ジム・ラッセル氏は「2カ月連続で弱かった雇用の数字や新興市場 の最近のボラティリティについてどう思うかとの質問に対し、議長がど のように答えるのかは見ごたえがあるだろう」と述べた。

今週はS&P500種採用銘柄中、シスコシステムズやアメリカン・ インターナショナル・グループ(AIG)を含む56社が決算を発表す る。ブルームバーグがまとめたデータによると、これまでに業績発表し たS&P500種採用銘柄のうち、76%で利益がアナリスト予想を上回っ た。売上高が予想を上回ったのは66%。

この日はS&P500種の業種別10指数中7指数が上昇。ヘルスケア 株や公益株指数の上げが目立った。一方、資本財やエネルギー株指数は 下げた。

アップルが高い

イェルプは1.9%高。ヤフーは各地の商業施設に関するイェルプの 評価をユーザーに提供する。情報は非公開だとして関係者が匿名で語っ た。両社が数週間以内に同サービスを提供する計画については、米紙ウ ォールストリート・ジャーナル(WSJ)が先に伝えていた。ヤフー は1.4%上昇。

アップルは1.8%高。今月に入ってからは5.7%の上昇。アイカーン 氏はアップルに500億ドル(約5兆1000億円)相当の自社株を年内に買 い戻すよう求めていたが、この要求を取り下げると明らかにした。アッ プルが最近自社株買いを実施したことや、議決権行使助言サービス会社 による反対表明がその理由。

マクドナルドは1.1%安。米国の既存店売上高は3.3%減少した。悪 天候や消費者信頼感の低下が影響したという。

原題:U.S. Stocks Advance Before Yellen Speech Following Weekly Gain(抜粋)

◎米国債:10年債利回り、1カ月ぶりの小幅なレンジで推移

米国債市場では10年債利回りが1カ月ぶりの小幅なレンジで推移し た。イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が今週の議会証言で 労働市場の回復ペース鈍化を認めるかどうかをめぐり、観測が広がって いる。

財務省短期証券(TB)のレートは低下。財務省が実施した3カ月 物および6カ月物TBの入札では発行額が過去最大なった。財務省は債 務を上限内にとどめるよう実施している特別措置について、今月27日に 尽きる可能性があると説明している。3日に宣誓就任したイエレン FRB議長は11日、就任後初となる議会での金融政策報告を行う。先週 発表された1月の雇用統計では、雇用者の伸びが市場予想を下回った。

ED&Fマン・キャピタル・マーケッツ(ニューヨーク)の債券ト レーディング担当シニアバイスプレジデント、マイケル・フランゼーセ 氏は「特別措置の必要性は低下しているとの認識が示されることを望ん でいる」とした上で、「現在のところその見込みは五分五分だ」と続け た。

ブルームバーグニューヨーク時間午後5時現在、10年債利回りは前 週末比2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.67%。こ の日は2.66-2.69%と、1月7日以降で最も小幅なレンジで推移した。 同年債(表面利率2.75%、2023年11月償還)価格は1/8上げて100 22/32。

売買高は減少

米政府債のディーラー間ブローカーで最大のICAPによると、米 国債の売買高は前週末比44%減の2320億ドル。これは1月21日以来の低 水準。イエレンFRB議長の議会証言を前に、取引が手控えられた。

5年債と30年債の利回り格差はここ1カ月での最大付近。金融当局 が債券購入の縮小を続けるとの観測が広がっている。利回り格差は2.18 ポイント。今月7日には2.20ポイントと、1月7日以降での最大を付け た。1月22日には2.06ポイントと、終値ベースで9月以来の最小となっ ていた。

政府が借り入れ権限を失う可能性がある中でTBレートは低下。2 月27日に償還を迎えるTBのレートはマイナス0.01%。7日は0.025% だった。

3カ月物TBのレートは入札後に0.06%に低下。7日は0.08%だっ た。6カ月物TBのレートは0.07%に下げた(7日は0.08%)。

債務上限問題

ルー財務長官は先週議会に対し、債務上限を引き上げるよう要請。 借り入れ能力が27日に尽きる可能性があるとの認識を示した。

ジェフリーズの政府債エコノミスト、トーマス・サイモンズ氏は 「きょうの入札は非常に好調だった」と指摘。「市場で債務上限問題を めぐる懸念があるというトーンを伝えるような内容ではなかった」と続 けた。

財務省は11日に3年債(発行額300億ドル)、12日に10年債(同240 億ドル)、13日に30年債(同160億ドル)の入札を実施する。

イエレンFRB議長は11日に下院金融サービス委員会で、13日に上 院銀行委員会でそれぞれ金融政策報告を行う。

スタンダード・チャータードの米金利ストラテジスト、ジョン・デ ービーズ氏は「イエレン議長がこのところの経済データの軟化をどう見 ているのかが注目される。主に天候の影響と考えるのか、成長見通しの 悪化を示唆していると捉えるのか、議長の認識が待たれている」と述べ た。

原題:Treasury Yields Trade in Tightest Range in a Month Before Yellen(抜粋)

◎NY金:4日続伸、昨年8月以来の最長-景気懸念で逃避需要

ニューヨーク金先物相場は昨年8月以来最長の4営業日続伸。景気 に対する懸念を背景に、代替投資としての金買いが膨らんだ。

TDセキュリティーズ(トロント)のアナリスト、バート・メレク 氏は電話インタビューで、「成長懸念が再浮上するのに伴って、安全逃 避のプレミアムが戻ってきた」と指摘。「あすは米連邦準備制度理事会 (FRB)のイエレン議長の議会証言で、緩和縮小継続の決意に注目が 集まるだろう」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物4 月限は前営業日比0.9%高の1オンス=1274.70ドル。4日続伸は8月12 日以来の最長。

原題:Gold, Silver Post Longest Rally Since August on Haven Demand(抜粋)

◎NY原油:5日続伸、北海ブレントとの価格差が縮小

ニューヨーク原油先物相場は5営業日続伸。一方で北海ブレント原 油が下げ、価格差は縮小した。オクラホマ州クッシングの在庫が先週減 少したとの観測や、リビアが供給の回復に向けて取り組んだことが手掛 かり。

エナジー・アナリティクス・グループのディレクター、トム・フィ ンロン氏は「ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)は 若干上昇するはずで、クッシングの在庫状況は大きな要素だ」と指摘。 「在庫が減る可能性は非常に高い。ブレント原油の値下がりは、リビア の状況で説明がつく」と続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物3月限は前週末 比18セント高の1バレル=100.06で終了。終値としては昨年12月27日以 来の高値となった。

ロンドンのICEフューチャーズ・ヨーロッパで取引されるブレン ト先物3月限は94セント(0.9%)下げて1バレル=108.63ドル。

原題:WTI Crude Narrows Discount to Brent as Libya Increases Output(抜粋)

◎欧州株:ほぼ変わらず、ロレアル高い-仏伊統計は低調

10日の欧州株式相場はほぼ変わらず。世界最大の化粧品メーカー、 仏ロレアルやフィンランドの通信機器メーカー、ノキアが値上がりし た。この日発表されたフランスとイタリアの鉱工業生産は市場予想を下 回った。

ロレアルは2010年5月以来で最大の上げ。同社の株式を29%保有す るスイスのネスレが持ち株の縮小を模索しているとの関係者の発言が手 掛かりだった。ノキアは2.8%上昇。台湾の携帯電話端末メーカー、宏 達国際電子(HTC)がノキアにロイヤルティーを支払うことで合意し たことが材料だった。

ストックス欧州600指数は前営業日比0.1%未満上げて325.3。先週 は0.8%上昇した。

ミラボー・セキュリティーズ(ジュネーブ)のバイスプレジデン ト、ジョン・プラサード氏は、「米国発の主要なマクロ経済統計や大手 企業の決算発表がなく、相場はあまり変化がない」と続けた。

フランスの12月の鉱工業生産は前月比0.3%減、イタリアは0.9%減 と、いずれも市場予想を下回った。

この日の西欧市場では、18カ国のうち10カ国で主要株価指数が上昇 した。

原題:European Stocks Are Little Changed as L’Oreal, Nokia Shares Rise(抜粋)

◎欧州債:ポルトガル債が下落、債券発行控え-英独債も下げる

10日の欧州債市場ではポルトガル10年債が4営業日ぶりに下落。同 国が債券の追加発行に向けて銀行団を採用したと伝えられたことが背景 にある。

10年債利回りは2006年以来の低水準付近から上昇。事情に詳しい関 係者によれば、ポルトガル当局は証券発行のためバークレイズやシティ グループを含む銀行団を起用した。ドイツ国債は下落。今週発表の域内 総生産(GDP)統計でユーロ圏の成長ペースが昨年10-12月(第4四 半期)に加速したとエコノミストらは予想している。

クレディ・アグリコルCIB(ロンドン)の欧州金利戦略責任者、 ルカ・イェリネック氏は「市場はやや神経質だった。ポルトガル国債の 値動きが荒くなっている一因は流動性の低下だ」と語った。

ロンドン時間午後5時現在、ポルトガル10年債利回りは前週末比6 ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇の4.99%。3日に は4.92%まで下げ、2006年6月以降の最低となっていた。同国債(表面 利率5.65%、2024年2月償還)価格はこの日、0.49下げ105.08。

ポルトガル政府は先月9日に5年債を32億5000万ユーロ発行。当局 の先月の発表によれば、今年の発行予定額は110億-130億ユーロ。

ドイツ10年債利回りは2bp上昇し1.68%。5日には1.60%と、昨 年8月1日以来の低水準を付けた。

英国債相場は下落した。イングランド銀行(英中央銀行)は12日公 表の四半期物価報告の中で経済成長率とインフレ率の見通しを明らかに する。

英10年債利回りは1bp上昇し2.72%。5日には2.64%まで低下 し、昨年11月5日以降の最低を記録していた。同国債(表面利 率2.25%、2023年9月償還)価格はこの日0.06下げ96.065。

原題:Portugal’s Bonds Drop as Nation Said to Prepare Sale; Bunds Fall(抜粋) Pound Reaches One-Week High Against Dollar Before Retail Sales

(抜粋)

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE