過去最大の経常赤字、燃料輸入拡大で昨年12月-年間黒字額は最小

海外とのモノやサービスの取引を示 す経常収支は昨年12月実績で、比較可能な1985年以降で過去最大の赤字 を連続で更新した。円安が進む中での燃料需要増や内需堅調で輸入が急 増、大幅な貿易赤字になったことが響いた。

財務省が10日発表した国際収支(12月速報)によると、経常収支 は6386億円の赤字と3カ月連続の赤字。前月の5928億円という過去最大 の赤字を上回った。うち貿易収支は1兆2126億円の赤字。自動車や鉄鋼 の輸出が増えた一方、東日本大震災後の原発停止と円安により原粗油や 液化天然ガスを中心とする輸入増加が上回った。

海外投資からの収益を示す所得収支は8843億円の黒字で、直接投資 による配当金や証券投資による債券利子の受け取りが増えている。黒字 額は4カ月連続で拡大したが、貿易赤字を埋めきれない。この結果2013 年の経常黒字額は前年比31%減の3兆3061億円と過去最小になった。

菅義偉官房長官は昨年の経常黒字額について、所得収支の大幅黒字 に言及した上で「東日本大震災以降、原子力発電所が停止するなど燃料 輸入が増加した」と背景を述べた。さらに今後については、これまでの 円安を踏まえた輸出増加に期待感を示した。

10年に17兆8879億円だった年間経常黒字額は、震災があった11年に は9兆5507億円に急減、12年も4兆8237億円まで減っていた。いずれも 貿易赤字額の拡大が背景になっている。

改善見込みにくい

12月の経常赤字6386億円は前年同月比で赤字額が4079億円増加し た。ブルームバーグ・ニュースが集計した経常収支のエコノミスト予想 中央値は6854億円の赤字だった。12月の輸入額は7兆726億円と前年同 月で25%増と14カ月連続で増えた。輸出は5兆8599億円と同16%増で10 カ月連続で増えている。

第一生命経済研究所の経済調査部は数値発表前の7日付リポート で、消費税率引き上げよる駆け込み需要を受けて輸入が伸びるとして 「貿易赤字が高水準で推移する中、当面は経常収支の目立った改善は見 込みづらい」と予想した。

12月の経常赤字が過去最大に拡大したことを受けて東京外国為替市 場では、円売りが加速した。ドル・円相場は一時1ドル=102円64銭と 1月31日以来の水準まで円安が進んだ。午後0時38分現在で、1ドル =102円36銭で取引が進んでいる。

--取材協力:. Editors: 上野英治郎, 沖本健四郎、中川寛之

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