日産自:10-12月純利益は市場予想上回る-今期予想据え置く

日産自動車が発表した2013年10-12 月期の純利益は843億円となり、市場予想を上回った。販売拡大や円安 などが寄与した。今期(14年3月期)業績予想は据え置いた。

日産の決算発表によると、10-12月の純利益は前年同期比57%増。 売上高は同25%増の2兆5224億円、営業利益が同69%増の787億円だっ た。ブルームバーグ・データが集計したアナリスト9人の純利益予想平 均は633億円。

国内自動車大手3社の10-12月決算は日産で出揃い、円安などを受 けて軒並み大幅増益となった。昨年11月の決算発表で業績予想を大幅減 額した日産にとっては、今期計画達成が当面の重要課題となる中での四 半期決算だった。

独立系調査会社社ティー・アイ・ダヴリュ(TIW)の高田悟アナ リストは、今期業績予想の据え置きについて「期待より良かったという 印象」と指摘。市場には、北米の販売増の割には販売奨励金をつぎ込み 利益が上がっていないのではないか、など今期目標達成に懸念があった という。その上で、国内での新型軽自動車投入や消費税増税前の駆け込 み需要、米国や中国での販売回復などもみられ、1-3月期に状況が好 転して目標を達成できる見通しを示したと受け止めたとコメントした。

日産の田川丈二執行役員は決算会見で、新車投入や販売の季節要因 などにより、1-3月の収益が10-12月に対して大幅に拡大する見通し を示した。今期末に向けては、北米や日本市場で販売好調が続くとみて おり、今期業績計画の達成に自信を示した。

大手3社では利益低水準

とはいえ、10-12月の純利益の水準は、トヨタ自動車が5255億円、 ホンダも日産のほぼ倍となる1607億円だった。本業の稼ぎを示す営業利 益の売上高に対する割合でも、トヨタの8.0%、ホンダの5.3%に対し、 日産は3.1%にとどまっている。

インテリジェンス・オートモーティブ・アジアのアシュビン・チョ ータイ氏は、日産の販売台数増加が利益に結び付いていない現状につい て「米国市場の競争激化が問題」と述べた。調査会社オートデータによ ると、米国1月の1台当たり平均の販売奨励金で、日産はトヨタ自動 車、ホンダに比べて、それぞれ34%、29%高く、コスト負担が大きい。

チョータイ氏は、日産にとって「今年はさらに競争激化が見込ま れ、奨励金を減額するのは難しい環境だ。好転を期待しづらい厳しい1 年となるだろう」と指摘した。日産では13年の世界販売のうち米国 が24%を占め、中国の25%に次ぐ市場となっている。

日産の10-12月の世界販売は前年同期比6%増の123万4000台。こ のうち、軽自動車販売が好調な国内は16%増、また反日・不買運動から の回復が進む中国では23%増、中型セダン「アルティマ」などの販売が 好調だった米国は同12%増だった。

今期業績予想は据え置き

今期(14年3月期)業績予想は据え置いた。会社側の純利益予 想3550億円に対し、ブルームバーグ・データが集計したアナリスト22人 の予想平均は3603億円となっている。

日産は昨年11月、会長兼社長のカルロス・ゴーン最高経営責任者 (CEO)の下で、最高執行責任者(COO)のポストを廃止し、チー フ・コンペティティブ・オフィサーなど3つのポストを新設すると同時 に、世界3地域体制を6地域の事業運営に変更し、中国を独立市場とし て強化することなどを発表していた。

資本・業務提携関係にある日産・仏ルノー連合は7日、13年の世界 販売が約826万台と過去最高になったと発表。2大市場の中国と米国で 過去最高だった。

日産の株価は10日終値で、前週末比0.1%高の885円。年初来で も0.1%の上昇率となっている。

--取材協力:宮沢祐介,向井安奈. Editors: 浅井秀樹, 中川寛之

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