日本株は小反落、米雇用警戒などで終盤失速-堅調決算は反応

東京株式相場は、終盤に崩れ小幅反 落。7日に発表される米国の雇用統計次第では、為替や世界の株式相場 が再び波乱となるリスクが警戒されたほか、週初の急落を経て戻り待 ち、持ち高整理の売り圧力も根強かった。一方、決算内容が堅調で、ア ナリスト評価の高い銘柄には素直に買いが入り、株価指数を下支えし た。

TOPIXの終値は前日比0.27ポイント(0.02%)安の1162.37、 日経平均株価は25円26銭(0.2%)安の1万4155円12銭。

業種別では医薬品や食料品、銀行、小売など内需関連、ゴム製品や 輸送用機器が下落。今期純利益計画を減額したバンダイナムコホールデ ィングスが下げた影響で、その他製品も東証1部33業種の下落率上位に 並んだ。日本製紙などパルプ・紙株や業界全体の自社株買い期待で商社 株は高く、情報・通信、精密機器株も上げた。

富国生命保険の山田一郎株式部長は、「市場のボラティリティ(変 動性)が大きく、強制的にポジションを落とさなければならない投資家 が多い」と指摘。米雇用統計は控えるが、相場が落ち着けば、「業績面 を考慮した場合、下に突っ込む環境ではない」との認識を示した。

この日の日本株は、新興国通貨や円相場の落ち着きを好感、好決算 銘柄を買う流れなどから続伸して取引を開始。朝方に日経平均は一 時、127円高まで上昇する場面があった。その後は上値が重く、午前の 取引でTOPIXとともに一時マイナス転換。午後はプラス圏での推移 が続いたが、取引終了にかけて再度下げに転じた。米国市場では7日、 労働省による雇用統計の発表、債務上限引き上げ延長の期限を迎える。 米国動向の見極めムードが市場参加者の中にあった。

アムンディ・ジャパンの吉野晶雄チーフエコノミストは、日本株は 「誰が見ても安いバリュエーションだ」としながらも、新興国不安が残 り、米国の財政協議の進展度合いなども上値抑制の要因と見ていた。

米国の給与明細書作成代行会社のADPリサーチ・インスティテュ ートが5日に発表した調査では、1月の米民間部門の雇用者数は前月 比17万5000人増加と、エコノミスト予想の中央値18万5000人増には届か なかった。

紙パや商社は終日強い、調整後で好決算反応上がる

東証1部33業種は医薬品、ゴム、その他製品、海運、食料品、銀 行、陸運、鉄鋼、小売、輸送用機器など14業種が下落。その他製品で は、今期純利益見通しを従来比12%減額したバンナムHが急落した。個 別ではジェイアイエヌ、旭化成など下方修正銘柄、9カ月決算が減益の 宇部興産も安い。売買代金上位ではパナソニック、コマツ、武田薬品工 業、ホンダ、三井住友トラスト・ホールディングス、アステラス製薬、 カカクコム、ブリヂストン、JR東海、東京ガスが下げた。

これに対し、紙パや通信、卸売、精密、電気・ガス、繊維、石油・ 石炭製品など19業種は上昇。紙パでは、前日午後の決算を受け、野村や クレディ・スイス証券が強気の投資判断を据え置いた日本製紙が高い。 卸売に含まれる商社株は、きのうの取引時間中に三井物産が好決算と自 社株買いを発表。ゴールドマン・サックス証券では、総合商社は業界内 の競争意識が高く、このトレンドは他社波及の可能性が高いとし、この 経営変化は商社株全体にポジティブと指摘した。

このほか個別では、通期営業利益計画を1600億円から1800億円に上 方修正し、期末配当を1円と復配を見込むマツダが上昇。決算を受け、 野村証券がオフィス賃貸市場の緩やかな改善と株価の割安感から投資判 断を「買い」に上げた三菱地所も堅調だった。売買代金上位ではソフト バンク、スクウェア・エニックス・ホールディングス、三菱重工業、 NEC、シスメックス、ディー・エヌ・エーも高い。

いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、「円高時代 に日本企業の体質が強化され、売上高が伸びるとマージンが取れるよう になっている」とし、1株利益が増加する半面、株価水準が低くなって おり、「株式市場は好業績に反応しやすくなっている」と話した。

東証1部の売買高は27億1998万株、売買代金は2兆4745億円。値上 がり銘柄数は1117、値下がりは577。

--取材協力:Anna Kitanaka. Editor: 院去信太郎

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