ソニー:今期1100億円の赤字に転落、家電不振-PC事業売却

経営再建中のソニーは、今期(2014 年3月期)の純損益予想を1100億円の赤字に下方修正した。テレビ、パ ソコンなど家電事業の再建に取り組む中での想定外の赤字見通しとなっ た。事業再建の一環として同社は、パソコン(PC)事業を売却するこ とも明らかにした。

今期純利益見通しについては、昨年10月時点で会社は300億円と予 想。ブルームバーグ・データによるアナリスト19人の事前予想平均で も248億円の黒字が見込まれていた。通年で赤字となるのは過去6年で 5度目となる。スマートフォン(スマホ)、オーディオ・ビデオ機器な どが振るわなかった。今期営業利益予想も800億円(従来1700億円)に 見直し、売上高予想は7兆7000億円に据え置いた。

平井一夫社長は、主にパソコン事業やテレビ事業などデジタル家電 分野で構造改革を進める予定で、14年度末までに5000人の人員削減も行 う。これら構造改革費用として今年度200億円を上積みし、来年度は700 億円を見込んでいるが、15年度以降の固定費削減効果は年間1000億円以 上になるとしている。発表によると、7月をめどにパソコン事業を日本 産業パートナーズに売却するほか、テレビ事業については分社化する。

エース経済研究所の安田秀樹アナリストは「パナソニックとシャー プが改善したのに対し、ソニーは有効な改善策を打ち出せていない」と 指摘。「業績悪化でリストラをやり、さらに売上高が伸びなくなる悪循 環」にあり、「かつてのウォークマンのような新しいものがない。ビル や事業を売っているだけ」と述べた。

テレビは分社化

「VAIO」ブランドを展開しているパソコン事業については14年 春モデルを最後に事業を終え、日本産業パートナーズが設立する新会社 に売却する。円滑な事業移行のためソニーも当初5%を出資する。新会 社は現在のソニーのパソコン事業の拠点である長野テクノロジーサイト を引き継ぐ。譲渡価格は今後協議するという。ソニーはモバイル領域で はスマホとタブレットに集中する。

一方、テレビ事業は新興市場の成長鈍化や通貨安などの影響で、今 期は赤字となる見込みだ。ただ、「テレビ事業再生への道筋は見えてき た」とし、高画質の4Kテレビの商品ラインアップを強化し、高付加価 値商品の比率を高める方針。同時に製造、販売、間接部門で規模の適正 化を進めるとともに、事業責任を明確化するため、テレビ部門を分社化 する方針も打ち出した。

使命はエレキ再生

決算発表後に記者会見した平井社長は、最高経営責任者(CEO) として「使命はエレクトロニクス事業を再生し成長させること」と表 明、テレビやパソコンを取り巻く事業環境が厳しく推移する中、対策を 迅速に実行すると語った。また、中期成長戦略を今年度末以降に発表す ることも明らかにした。

いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は「まだリスト ラが不十分。パナソニックとは大違いだ」と話す。その上で「失望して 明日は株は下がるかもしれない。来期には平井社長にもっとプレッシャ ーが掛かるだろう」と述べた。

ミョウジョウ・アセット・マネジメントの菊池真最高経営責任者 (CEO)は「テレビは毎年、黒字にするというのに、結局赤字にな る。パソコンのようにやめるべきだ」と指摘。「ソニーの強みはゲーム や映画などのコンテンツ。そちらに経営資源を移した方が中国や韓国メ ーカーと差別化できる」と語った。

ソニーは今期のスマホの販売目標を4000万台とし、従来の4200万台 から下方修正した。そのほかの製品については目標を維持した。

今期の想定為替レートは1ドル=104円前後(従来100円前後)、ユ ーロについては1ユーロ=140円前後(従来130円前後)に変更した。

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