2月4日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は次 の通り。

◎NY外為:円が下落、新興市場通貨の上昇で逃避需要が後退

ニューヨーク外国為替市場では円が対ドルで下落。アジアの取引時 間では約2カ月ぶりの高値を付けたものの、新興市場通貨の上昇を受け て、安全な逃避先としての需要が後退した。

過去2週間の新興市場をめぐる混乱は行き過ぎだとの見方から、ド ルはトルコ・リラと南アフリカ・ランドに対して下落した。株価の上昇 と米国債の下落も背景にある。豪ドルは米ドルに対して昨年6月以来の 大幅高。オーストラリア準備銀行(中央銀行)はこれまでの声明に盛り 込まれていた豪ドル相場は「不快なほど高い」との文言を削除した。欧 州中央銀行(ECB)が追加の景気刺激策を打ち出すのではないかとの 思惑から、ユーロは主要16通貨の大半に対して下落した。

野村セキュリティーズ・インターナショナルの外国為替ストラテジ スト、チャールズ・サンタルノー氏(ニューヨーク在勤)は電話インタ ビューで、「リスク回避の動きが強まっていたが、この日はそれが弱ま り、円が打撃を受けた」と指摘した。

ニューヨーク時間午後5時現在、円はドルに対して前日比0.7%安 の1ドル=101円64銭。アジアの取引時間には100円76銭と、昨年11月21 日以来の高値を付ける場面もあった。対ユーロでは0.6%下落の1ユー ロ=137円41銭。ユーロは対ドルでほぼ変わらずの1ユーロ=1.3519ド ル。

前日に2.3%下げたS&P500種株価指数は、この日0.8%上昇。10 年債利回りは5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇 の2.63%。

新興市場通貨

JPモルガン新興市場通貨指数は0.9%上昇の85.8。前日は過去最 低を記録した。

トルコ・リラは対ドルで2%高の1ドル=2.2382リラ。年初来の下 げを4%に縮小した。トルコ中銀は4日、1週間物レポを通じ10億リラ を供給。供給額をここ6日で最少としたた。1月28日遅くの緊急会合で は政策金利の1週間物レポ金利を10%と従来の4.5%から引き上げるこ とを決定。29日の銀行の調達コストは9.26%と、2012年6月以来の高水 準となった。

HSBCアセット・マネジメントのストラテジスト、アリ・カキロ グル氏は「中銀が1週間物レポで供給を絞れば、銀行の平均調達コスト は10%を超える可能性がある」と述べた。6日前には10%のレポ金利 で330億リラを供給していた。

南ア・ランドは上昇。米製造業の拡大ペース減速で金融緩和の縮小 計画に懐疑的な見方が広がった。ランドは対ドルで1.6%高の1ドル =11.0983ランド。

ECB政策

ユーロは対ドルで過去8営業日で7度目の下げ。欧州中央銀行 (ECB)のドラギ総裁はドイツ連邦銀行(中央銀行)から表立った支 持が得られた場合に限り、金融危機時の国債購入で生じた流動性を吸収 する不胎化措置の打ち切りを検討する意向だ。事情に詳しいECB当局 者2人が明らかにした。ECBは6日に政策委員会を開催する。

モルガン・スタンレーの欧州為替戦略責任者、イアン・スタナード 氏(ロンドン在勤)は「ECBの政策をめぐる議論が高まっている。当 社はユーロの上昇は売りの好機だと考えている。まずは1.33ドルまで下 落するとみている」と語った。

原題:Yen Weakens From 2-Month High as Refuge Bid Eases; Aussie Rises(抜粋)

◎米国株:上昇、企業決算や製造業受注統計を見極め-ダウ72ドル高

米株式相場は上昇。この日は企業決算や昨年12月の製造業受注統計 の内容を見極める展開となった。S&P500種株価指数は前日、昨年6 月以降で最大の下げとなっていた。

ヤム・ブランズが高い。決算で利益が市場予想を上回った。高級衣 料品小売りのマイケル・コース・ホールディングスは急上昇。利益と売 上高の予想を上方修正した。製薬大手ファイザーは、アナリストによる 投資判断引き上げが好感されて上昇。一方で百貨店のJCペニーは急落 し、1980年以来の安値となった。既存店売上高がアナリスト予想を下回 った。

S&P500種株価指数は前日比0.8%高の1755.20。ダウ工業株30種 平均は72.44ドル(0.5%)上昇し15445.24ドル。

資産運用会社リーマン・ファイナンシャルのシニア・ポートフォリ オマネジャー、イーサン・アンダーソン氏は「米国経済はなお順調に前 進している。決算も堅調だ」と指摘。「これら全てを合わせて考える と、列車が軌道から外れていることを示唆する要素は何もない。現在は 極めて健全な調整局面だ」と続けた。

相場の動き

S&P500種は前日2.3%下落。製造業活動を示す指数が予想以上に 低下したことが嫌気された。S&P500種は1月15日に過去最高値を付 けて以降、前日までに5.8%下落した。ダウ平均は前日に326ドル下げ、 年初来の下落率は7.3%となった。

中国での成長減速の兆候やアルゼンチン・ペソの急落をきっかけと した新興市場通貨の混乱の中、米国株市場では年初来の下げにより時価 総額にして1兆2000億ドル余りが失われた。

JPモルガン・アセット・マネジメントのグローバルマーケットス トラテジスト、ジョゼフ・タニアス氏「投資家の現在の最大の懸念は、 これはより大きな調整の始まりなのか、ということだ」と指摘。「経済 成長や決算、企業活動は全てかなり順調なようだ。投資家へのアドバイ スは押し目を買いの好機と捉えることだ」と続けた。

この日発表された12月の製造業受注額は前月比1.5%減少。ブルー ムバーグ・ニュースがまとめたエコノミスト予想の中央値は1.8%減だ った。

米議会予算局(CBO)によると、米国の2014会計年度(13年10月 -14年9月)の財政赤字は国内総生産(GDP)との比較で2007年以来 の最小となる見通しだ。成長加速に伴う税収増が背景という。4日の CBO発表によると、14会計年度の財政赤字は5140億ドル(約52兆円、 GDP比で3%)に縮小する見込み。

決算見通し

この日はS&P500種の構成企業のうち25社程度が四半期決算を発 表。ブルームバーグ・ニュースがまとめたアナリスト予想では、S& P500種企業の13年第4四半期の利益は8.3%増、売上高は2.5%増とな っている。

S&P500種の業種別10指数では9指数が上昇。選択的消費、通 信、ヘルスケア関連が特に上げた。

「KFC」などのファストフードチェーンを運営するヤム・ブラン ズは8.9%高の72.06ドル。10-12月期の一部項目を除いた1株利益は86 セントと、アナリストの予想平均(約79セント)を上回った。

マイケル・コースは17%高の89.91ドル。ファイザーは2.8%高 の31.44ドル。

JCペニーは11%安の5.08ドルで、1980年12月以来の安値。同社発 表によると、昨年11月-1月(第4四半期)の既存店売上高は2%増加 した。ブルームバーグ・ニュースのアナリスト予想の平均は4.1%増だ った。

原題:S&P 500 Rebounds From Worst Slump Since June Amid Earnings Data(抜粋)

◎米国債:下落、逃避需要が後退-新興市場の混乱落ち着く

米国債市場では10年債が3日ぶりに下落。利回りを3カ月ぶり低水 準に押し下げた米国債相場の上昇は勢いを失いつつあるとの見方が広が った。

世界最大の債券ファンドを運営する米パシフィック・インベストメ ント・マネジメント(PIMCO)の共同創業者ビル・グロース氏は、 米国債を「引き続き購入する」と表明し、償還期限4-5年の国債を推 奨した。3月6日に償還期限を迎えるTビル(財務省短期証券)のレー トは3月以来の高水準に上昇。財務省は債務を上限内にとどめる特別措 置は2月末に尽きる可能性があると述べている。10年債利回りは上昇。 新興市場国通貨の大半が上昇し、米国債に逃避する動きが後退した。

RWプレスプリッチの政府債取引担当マネジングディレクター、ラ リー・ミルスタイン氏(ニューヨーク在勤)は「新興市場は落ち着きつ つあり、株価も上向きだ。この動きが米国債に対する安全逃避需要を一 部後退させた」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比5ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)上昇の2.63%。同年債(表面利率2.75%、2023年11月償 還)価格は15/32下げて101 1/32。

グロース氏の見解

グロース氏はブルームバーグテレビジョンのインタビューで、「個 人的にも、PIMCOとしても最も安全だと考えられるポジションへの 投資を続ける」と述べ、「償還期限の短い米国債、つまり4-5年の米 国債の購入を推奨する。利回りは高くないが、米金融当局が目立った動 きを取らない限りは安全だ」と続けた。

グロース氏はイエレン新連邦準備制度理事会(FRB)議長が政策 金利を引き続き事実上のゼロで据え置くと予想している。

5年債利回りは3bp上げて1.47%。前日は12月5日以来の低水準 となる1.43%まで下げた。

償還期限3月6日のTビルレートはこの日、3bp上げて0.135% をつけた。

ブルームバーグ米国債指数

ブルームバーグ米国債指数は年初から2.2%上昇。昨年は3.4%の低 下だった。ブルームバーグ・グローバル先進国ソブリン債指数は年初か ら2.1%上昇。昨年は4.6%の低下だった。

10年債の相対力指数(RSI、期間14日)は36と、前日つけた29.5 から上昇した。RSIは30を下回るか70を上回ると、方向感の変化を示 唆するといわれる。

三菱UFJ証券USAのシニア米国債トレーダー、トーマス・ロス 氏は「値動きが非常に速かったので、テクニカルにも目を向ける必要が ある。なぜなら、心理が変わった時の反動はかなり激しい場合があるか らだ」と述べた。「株式は売られ過ぎだったのに対して、米国債は買わ れ過ぎていた。反転するには十分な状況だった」と続けた。

2年物金利スワップレートと同年限の米国債利回りとの格差である 金利スワップスプレッドは13bp。年初は10.5bp、2008年10月には過 去最高の167.3を付けた。同スプレッドは信用リスクの尺度とされる。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの金利ストラテジ スト、ブライアン・スメドリー氏は「米国のマネーマーケットが圧力を 受けている兆しはない」と述べ、「実際のところ、システムには流動性 があふれていることから、短期市場の最大の問題は引き続き低金利にあ る。新興市場の懸念がドル建て市場に幅広く波及していることを示唆す る兆候はこれまでのところほとんどない」と指摘した。

原題:Treasuries Drop as Haven Rally Wanes Amid Emerging-Market Gains(抜粋)

◎NY金:反落、逃避需要が減退-新興国市場の落ち着きで

ニューヨーク金先物相場は反落。過去4営業日で3度目の下落とな った。新興国通貨の持ち直しを背景に、代替投資の金買いが後退した。 この日は南アフリカ・ランドやトルコ・リラが対ドルで上昇した。

インテグレーテッド・ブローカレッジ・サービシズ(シカゴ)のヘ ッドディーラー、フランク・マギー氏は電話インタビューで、「きょう は安定の兆しがやや出てきている」と指摘。「金の上昇は勢いがなくな りつつあるようだ」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物4 月限は前日比0.7%安の1オンス=1251.20ドルで終了した。

原題:Gold Declines Third Time in Four Days as Haven Demand Wanes(抜粋)

◎NY原油:反発、留出油在庫の減少予想で-97.19ドル

ニューヨーク原油先物相場は反発、3日ぶりに上昇した。寒さの影 響で先週分の留出油の在庫が減少したとの観測が広がったほか、米国株 の上昇が寄与した。

アイアイトレーダー・ドット・コムの市場担当シニアストラテジス ト、ビル・バルーク氏(シカゴ在勤)は「投資家は留出油の在庫に注目 している」と述べ、「確実にそれが主な関心事項になるだろう。株式相 場は安値から抜け出しつつあり、それが原油価格を押し上げている」と 続けた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物3月限は前日 比76セント(0.8%)高の1バレル=97.19ドルで終えた。

原題:WTI Crude Advances on Expected Decline in Distillate Supplies(抜粋)

◎欧州株:ストックス600、ほぼ変わらず-銀行株が上昇、通信株下落

4日の欧州株式相場は一時下げたが、結局は前日比ほぼ変わらずで 終了した。銀行株が上げた一方、電気通信銘柄が売られた。

スイスの銀行UBSは5.4%上昇。昨年10-12月(第4四半期)利 益がアナリスト予想を上回った。一方、オランダの電話会社ロイヤル KPNは4.8%下げた。携帯電話料金をめぐる競争が業績に影響を及ぼ しているため、人員削減を行う方針を示した。デンマークの風力発電用 タービンメーカー、ベスタス・ウィンド・システムズは4.8%安。増資 計画が嫌気された。

ストックス欧州600指数は前日比0.2%安の317.58で終了。一時 は0.8%安となった。終値ベースでの6年ぶり高値を付けた先月22日以 降では5.5%下げている。

クオニアム・アセット・マネジメント(フランクフルト)で株取引 に携わるソーレン・シュタイネルト氏は電話インタビューで、「欧州で はまだ力強い回復が見られない」とし、「世界の市場では前日の下げ分 を取り戻すには程遠く、資金を新たに投じようとする動きもあまりな い。世界経済が期待されていたほど強いかどうかは不透明感が引き続き 高い」と語った。

ブルームバーグがまとめたデータによれば、世界の株式市場では前 日、時価総額にして約8640億ドルが消失した。年初来では約2兆9000億 ドルが失われている。

4日の西欧市場では独DAX指数が0.6%、英FTSE100指数 が0.3%それぞれ下げた。一方、仏CAC40指数は0.2%高となった。

原題:European Stocks Are Little Changed; Vestas Declines as UBS Jumps(抜粋)

◎欧州債:ドイツ債利回り、一時6カ月ぶり低水準-ECBめぐる観測で

4日の欧州債市場ではドイツ10年債利回りが一時、6カ月ぶりの低 水準まで下げた。インフレ率低下を背景に、欧州中央銀行(ECB)が 6日の定例政策委員会で追加措置を講じるとの観測が高まった。

ただ、欧州株が下げを消し新興市場通貨が上昇すると、独10年債相 場は値上がり分を解消した。この日発表された昨年12月の米製造業受注 額は前月比1.5%減少。オーストリアの5年債入札で平均落札利回りが 過去最低を記録したほか、ギリシャの証券入札では落札利回りが2010年 以来の低水準となった。イタリア2年債利回りはこれまでの最低水準を 付ける場面があった。

クレディ・アグリコルCIBの債券ストラテジスト、オーランド・ グリーン氏(ロンドン在勤)は「国債にとってプラスの環境だ」とし、 「特に米国の経済データはそれほど芳しくなく、これが世界の他の地域 に影響を及ぼすだろう。ECBが木曜日に何らかの措置を講じる可能性 もある」と語った。

ロンドン時間午後4時48分現在、ドイツ10年債利回りは前日比ほぼ 変わらずの1.65%。一時は1.63%まで下げ、昨年8月5日以来の低水準 となった。同国債(表面利率1.75%、2024年2月償還)価格は100.93。

イタリア2年債利回りは一時、4ベーシスポイント(bp、1bp =0.01%)低下し0.85%となった。これはブルームバーグが集計を開始 した1993年以降の最低。同年限のスペイン国債利回りはほぼ変わらず の0.94%。

英国債相場は5営業日ぶりに下落。1月の英建設業の経済活動ペー スが予想に反して拡大したことが手掛かり。

ロンドン時間午後4時58分現在、英10年債利回りは前日比1bp上 昇し2.70%。昨年11月8日以来の低水準となる2.68%まで下げる場面も あった。同国債(表面利率2.25%、2023年9月償還)価格は0.1下 げ96.21。

英マークイット・エコノミクスの発表によれば、英建設業景気指数 は64.6と、前月の62.1から上昇。ブルームバーグがまとめたアナリスト の予想中央値は61.5だった。同指数は50が活動拡大・縮小の分かれ目。

原題:German Yields Fall to Six-Month Low on ECB Stimulus Speculation(抜粋) Gilts Decline for First Time in Five Days as Construction Jumps (抜粋)

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