米国債:下落、逃避需要が後退-新興市場の混乱落ち着く

米国債市場では10年債が3日ぶりに 下落。利回りを3カ月ぶり低水準に押し下げた米国債相場の上昇は勢い を失いつつあるとの見方が広がった。

世界最大の債券ファンドを運営する米パシフィック・インベストメ ント・マネジメント(PIMCO)の共同創業者ビル・グロース氏は、 米国債を「引き続き購入する」と表明し、償還期限4-5年の国債を推 奨した。3月6日に償還期限を迎えるTビル(財務省短期証券)のレー トは3月以来の高水準に上昇。財務省は債務を上限内にとどめる特別措 置は2月末に尽きる可能性があると述べている。10年債利回りは上昇。 新興市場国通貨の大半が上昇し、米国債に逃避する動きが後退した。

RWプレスプリッチの政府債取引担当マネジングディレクター、ラ リー・ミルスタイン氏(ニューヨーク在勤)は「新興市場は落ち着きつ つあり、株価も上向きだ。この動きが米国債に対する安全逃避需要を一 部後退させた」と述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比5ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)上昇の2.63%。同年債(表面利率2.75%、2023年11月償 還)価格は15/32下げて101 1/32。

グロース氏の見解

グロース氏はブルームバーグテレビジョンのインタビューで、「個 人的にも、PIMCOとしても最も安全だと考えられるポジションへの 投資を続ける」と述べ、「償還期限の短い米国債、つまり4-5年の米 国債の購入を推奨する。利回りは高くないが、米金融当局が目立った動 きを取らない限りは安全だ」と続けた。

グロース氏はイエレン新連邦準備制度理事会(FRB)議長が政策 金利を引き続き事実上のゼロで据え置くと予想している。

5年債利回りは3bp上げて1.47%。前日は12月5日以来の低水準 となる1.43%まで下げた。

償還期限3月6日のTビルレートはこの日、3bp上げて0.135% をつけた。

ブルームバーグ米国債指数

ブルームバーグ米国債指数は年初から2.2%上昇。昨年は3.4%の低 下だった。ブルームバーグ・グローバル先進国ソブリン債指数は年初か ら2.1%上昇。昨年は4.6%の低下だった。

10年債の相対力指数(RSI、期間14日)は36と、前日つけた29.5 から上昇した。RSIは30を下回るか70を上回ると、方向感の変化を示 唆するといわれる。

三菱UFJ証券USAのシニア米国債トレーダー、トーマス・ロス 氏は「値動きが非常に速かったので、テクニカルにも目を向ける必要が ある。なぜなら、心理が変わった時の反動はかなり激しい場合があるか らだ」と述べた。「株式は売られ過ぎだったのに対して、米国債は買わ れ過ぎていた。反転するには十分な状況だった」と続けた。

2年物金利スワップレートと同年限の米国債利回りとの格差である 金利スワップスプレッドは13bp。年初は10.5bp、2008年10月には過 去最高の167.3を付けた。同スプレッドは信用リスクの尺度とされる。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)メリルリンチの金利ストラテジ スト、ブライアン・スメドリー氏は「米国のマネーマーケットが圧力を 受けている兆しはない」と述べ、「実際のところ、システムには流動性 があふれていることから、短期市場の最大の問題は引き続き低金利にあ る。新興市場の懸念がドル建て市場に幅広く波及していることを示唆す る兆候はこれまでのところほとんどない」と指摘した。

原題:Treasuries Drop as Haven Rally Wanes Amid Emerging-Market Gains(抜粋)

--取材協力:Neal Armstrong、Liz Capo McCormick、Susanne Walker. Editors: Kenneth Pringle, 西前 明子

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