NY外為:円が下落、新興市場通貨の上昇で逃避需要が後退

ニューヨーク外国為替市場では円が 対ドルで下落。アジアの取引時間では約2カ月ぶりの高値を付けたもの の、新興市場通貨の上昇を受けて、安全な逃避先としての需要が後退し た。

過去2週間の新興市場をめぐる混乱は行き過ぎだとの見方から、ド ルはトルコ・リラと南アフリカ・ランドに対して下落した。株価の上昇 と米国債の下落も背景にある。豪ドルは米ドルに対して昨年6月以来の 大幅高。オーストラリア準備銀行(中央銀行)はこれまでの声明に盛り 込まれていた豪ドル相場は「不快なほど高い」との文言を削除した。欧 州中央銀行(ECB)が追加の景気刺激策を打ち出すのではないかとの 思惑から、ユーロは主要16通貨の大半に対して下落した。

野村セキュリティーズ・インターナショナルの外国為替ストラテジ スト、チャールズ・サンタルノー氏(ニューヨーク在勤)は電話インタ ビューで、「リスク回避の動きが強まっていたが、この日はそれが弱ま り、円が打撃を受けた」と指摘した。

ニューヨーク時間午後5時現在、円はドルに対して前日比0.7%安 の1ドル=101円64銭。アジアの取引時間には100円76銭と、昨年11月21 日以来の高値を付ける場面もあった。対ユーロでは0.6%下落の1ユー ロ=137円41銭。ユーロは対ドルでほぼ変わらずの1ユーロ=1.3519ド ル。

前日に2.3%下げたS&P500種株価指数は、この日0.8%上昇。10 年債利回りは5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇 の2.63%。

新興市場通貨

JPモルガン新興市場通貨指数は0.9%上昇の85.8。前日は過去最 低を記録した。

トルコ・リラは対ドルで2%高の1ドル=2.2382リラ。年初来の下 げを4%に縮小した。トルコ中銀は4日、1週間物レポを通じ10億リラ を供給。供給額をここ6日で最少としたた。1月28日遅くの緊急会合で は政策金利の1週間物レポ金利を10%と従来の4.5%から引き上げるこ とを決定。29日の銀行の調達コストは9.26%と、2012年6月以来の高水 準となった。

HSBCアセット・マネジメントのストラテジスト、アリ・カキロ グル氏は「中銀が1週間物レポで供給を絞れば、銀行の平均調達コスト は10%を超える可能性がある」と述べた。6日前には10%のレポ金利 で330億リラを供給していた。

南ア・ランドは上昇。米製造業の拡大ペース減速で金融緩和の縮小 計画に懐疑的な見方が広がった。ランドは対ドルで1.6%高の1ドル =11.0983ランド。

ECB政策

ユーロは対ドルで過去8営業日で7度目の下げ。欧州中央銀行 (ECB)のドラギ総裁はドイツ連邦銀行(中央銀行)から表立った支 持が得られた場合に限り、金融危機時の国債購入で生じた流動性を吸収 する不胎化措置の打ち切りを検討する意向だ。事情に詳しいECB当局 者2人が明らかにした。ECBは6日に政策委員会を開催する。

モルガン・スタンレーの欧州為替戦略責任者、イアン・スタナード 氏(ロンドン在勤)は「ECBの政策をめぐる議論が高まっている。当 社はユーロの上昇は売りの好機だと考えている。まずは1.33ドルまで下 落するとみている」と語った。

原題:Yen Weakens From 2-Month High as Refuge Bid Eases; Aussie Rises(抜粋)

--取材協力:Eshe Nelson. Editors: Paul Cox, Kenneth Pringle

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