邦銀3メガ決算:通期最高益ペースも、株高が本業不調隠す

三菱UFJ、三井住友、みずほの大 手邦銀グループの2013年4-12月期連結決算が3日出そろい、純利益合 計は前年同期比39%増の2兆532億円を確保した。アベノミクス下で株 高や景気回復が進み、株式関係損益や与信関係費用が改善した。ただ、 足元で株式相場が調整色を強める中、融資業務の回復は遅れている。

連結純利益は4月からの9カ月累積で三菱UFJが48%増の7854億 円、三井住友が28%増の7047億円、みずほが44%増の5631億円。ドイツ 証券の山田能伸アナリストは「債券の収益が落ちているが株が補った」 と分析。3グループとも通期予想を上回るペースで利益を上げており、 「過去最高益を更新する可能性がある」とみている。

前年同期は利益の圧迫要因となっていた株式関係損益は、三菱 UFJが627億円(前年同期は909億円の損失)、三井住友が796億円 (673億円の損失)、みずほが611億円(1075億円の損失)と利益に転換 した。東証株価指数(TOPIX)は12月末までの9カ月で26%上昇。 企業の持ち合い株式の評価改善や売却益につながった。

与信関係費用は3グループとも企業の業績改善を受け不良債権処理 に備えた引当金が戻入益となった。合計は1452億円で前年同期の1927億 円の負担から利益押し上げ要因に転じた。東京商工リサーチによると全 国企業倒産件数は12月までに14カ月連続で前年同月を下回っている。

利ざやの回復鍵に

14年3月通期の純利益は3グループが予想・目標を据え置いた。合 計額は2兆2600億円(前期実績2兆2072億円)。通期予想に対する進捗 率は12月までの9カ月間で三菱UFJが86%、三井住友とみずほはとも に94%となった。BNPパリバ証券の鮫島豊喜シニアアナリストは「通 期予想の達成は確実でさらに上振れるだろう」とみる。

10-12月期の連結純利益の合計は5876億円で前年同期比12%の減益 となった。株式関連損益が改善したほか、投資販売などの手数料収益は 拡大したが、債券売買益の減少を補えなかった。三菱UFJは前年同期 比増益を確保したが、みずほと三井住友は減益となった。純利益合計は 4-6月の7914億円、7-9月の6742億円より減少している。

本業の融資業務では、海外向けは伸びているものの、国内向けはほ ぼ横ばい。こうした中で収益率を左右する国内預貸金利ざや(預金金利 と貸出金利との差)は低下を続けている。第3四半期では三菱UFJ が1.15%、三井住友が1.35%、みずほが1.18%にとどまっている。

UBS証券の伊奈伸一アナリストは今後について、これまで低金利 下で縮小している「利ざやの改善」に注目。資金利益の本格回復に必要 な融資拡大に関しては「大企業の資金需要は盛り上がってきているが、 中小企業の資金需要が出てくるのはもう少し先になりそうだ」と利ざや の厚い中小向け融資回復にはまだ時間がかかるとみている。

デフレ脱却を掲げる安倍晋三政権発足前から上昇傾向となり、銀行 グループの収益を支えてきた株価(TOPIX)はこの決算期中の1月 8日に1306.23ポイントと08年7月以来の高値を付けた。しかし、最近 では調整色を強め、高値からの下落率は13%近くに達している。

4日の株価終値は三菱UFJが前日比3.8%安の584円、三井住友 FGが3%安の4504円、みずほが3.8%安の203円。

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