債券は続伸、株価大幅安で買い優勢-予想下回る10年入札で下落場面も

債券相場は上昇。前日の米国債相場 の上昇に加えて、国内株価が大幅下落したことが買い手掛かりとなっ た。一方、きょう実施の10年債入札結果が予想を下回ったことを受け て、一時下げに転じる場面があった。

東京先物市場で中心限月の3月物は4営業日続伸。前日比11銭高 の144円89銭で始まり、一時は144円93銭と中心限月の日中取引で昨年12 月4日以来の高値を付けた。しかし、午後零時45分の入札結果発表後に 売りが増えると8銭安の144円70銭まで下落。取引終了にかけては株安 加速を受けて値を戻し、結局は4銭高の144円82銭で取引を終えた。

みずほ証券の三浦哲也チーフ債券ストラテジストは、「昨年末の景 気楽観論が裏切られてシナリオ修正に迫られている向きが多い。中国、 米国、新興国への警戒感から、楽観論の修正には時間がかかる。新発10 年債利回りは昨年11月に付けた0.58%に向けて低下余地を探る展開だ」 と話した。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の332回債利回 りは同1ベーシスポイント(bp)低下の0.60%と、昨年11月29日以来の低 水準で開始し、午前は同水準で推移した。午後に入ると徐々に水準を切 り上げ、0.615%に上昇した。午後3時半前後に再び0.60%まで下げた 後は0.605%で推移した。

5年物の116回債利回りは0.5bp高い0.195%。20年物の147回債利回 りは、午後に入って水準を切り下げ、2.5bp低い1.42%に低下。新発20 年債としては昨年4月19日以来の水準まで下げた。30年物の41回債利回 りは3bp低い1.59%と、昨年10月24日以来の1.6%割れとなった。

株安・米債高

国内株式相場は大幅続落。TOPIXは前日比4.8%安の1139.27で 引けた。外国為替市場で円は2カ月半ぶり高値となる1ドル=100円台 後半まで上昇した。一方、3日の米国債相場は続伸。米10年国債利回り は前週末比7bp低下の2.58%程度。米供給管理協会(ISM)発表の1 月製造業総合景況指数が予想を下回ったことが買い材料となった。

財務省がこの日実施した表面利率(クーポン)0.6%の10年利付国 債(332回債)の入札結果によると、最低落札価格は100円00銭と市場予 想を1銭下回った。小さければ好調とされるテール(最低と平均落札価 格の差)は3銭と前回の1銭から拡大。投資家需要の強弱を示す応札倍 率は3.21倍と前回の3.84倍から低下した。

一方、同省が午後3時15分に発表した10年利付国債の第2非価格競 争入札で、応札はなかった。同入札は国債市場特別参加者(プライマリ ーディーラー)を対象に一定の範囲内で追加購入することができる。今 回は利回り水準の低さなどから投資家需要が弱いことを示した。

みずほ証の三浦氏は、10年債入札結果について「若干弱かった」と 指摘し、債券相場は高値警戒感が出て買いづらいと話していた。

メリルリンチ日本証券の大崎秀一債券ストラテジストも、午後に売 りが出たことについて、「10年債の入札結果が事前の見立てより弱く、 買い持ち高を解消する売りが膨らんだ」と説明。ただ、「新興国市場の 不安定さはすぐに解消しない公算が大きい。世界的な株安基調も続いて いる中、債券売りは一時的な需給要因の可能性がある。投資家の慎重姿 勢もあって、利回り0.6%はいったん節目と認識している」と語った。

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