日本株3カ月ぶり安値、新興国懸念と決算選別-全業種下げる

東京株式相場は3営業日続落し、お よそ3カ月ぶりの安値となった。新興国市場の混乱に対する警戒感が重 しとなり、証券や銀行など金融株、電力や情報・通信、輸出関連セクタ ーを中心に東証1部33業種は全て安い。個別でも、NTNやTDKなど 決算失望銘柄の下げがきつかった。

TOPIXの終値は前週末比24.32ポイント(2%)安の1196.32、 日経平均株価は295円40銭(2%)安の1万4619円13銭。TOPIXの 終値での1200ポイント割れは昨年11月11日以来。日経平均は、大納会に 付けた昨年来高値(2013年12月30日、1万6291円)からの下落率が調整 局面入りとされる10%を超えた。

セゾン投信運用部の瀬下哲雄ポートフォリオマネジャーは、「今は 新興国不安がある中で、米連邦準備制度理事会(FRB)も救ってくれ ない状況にある」と指摘。また、「中国景況感に対する懸念が確信に変 わりつつある」との認識も示した。

前週末の為替市場では、ロシア・ルーブルやトルコ・リラなど新興 国通貨が再び下落。円は対ドルや新興国通貨に対し強含んだ。新興国経 済、通貨波乱が東欧にまで広がりを見せたことで、米国株下落に備えた 保険料の指標となるシカゴ・オプション取引所のボラティリティ指数( VIX)は6.5%上昇し、18.41と昨年10月15日以来の高水準に上昇。米 S&P500種株価指数は0.7%安と反落した。

トルコやインド、南アフリカの中央銀行は先週、利上げしたもの の、新興国通貨は1月に3%下げた。シティグループによれば、新興国 のインフレ調整後の実質金利は依然として低過ぎるため、新興国通貨の 5年ぶりの大幅下落の終了は予想できないとしている。

先物売り、午後じり安に

きょうのドル・円はおおむね1ドル=102円台前半と、一時101円台 まで進んだ円高圧力はやや小康状態にあったが、日本株は海外株式、為 替動向の先行き警戒感を背景に朝方から売りに押された。立花証券顧問 の平野憲一氏は、「ヘッジファンドが円売り・株買いを同時にやってお り、為替が円高になると円を買い戻し、株を売ることで今回の日本株の 調整、波乱につながった」と指摘。今は、為替に連動した株価指数先物 売りの動きが中心、と見ている。

中国国家統計局と中国物流購買連合会が1日に発表した1月の製造 業購買担当者指数(PMI)は、50.5とブルームバーグがまとめたエコ ノミスト予想の中央値と一致、昨年12月の51から低下した。きょう午前 に発表された同国1月の非製造業購買担当者指数(PMI)は53.4と、 昨年12月の54.6から低下した。

中国経済情勢への懸念も徐々に意識され、午後の取引では TOPIX、日経平均とも先物主導でじりじりと下げ幅を拡大。結局、 東証33業種全てが下げ、下落率上位は証券・商品先物取引、その他金 融、電気・ガス、情報・通信、倉庫・運輸、鉄鋼、銀行、サービス、保 険、小売などとなった。電力については、ゴールドマン・サックス証券 では関西電力や北海道電力の決算が同証の想定以下だったとし、九州電 力については決算が想定以上だが、株価に割高感があると分析した。

売買代金上位ではソフトバンク、三井住友フィナンシャルグルー プ、野村ホールディングス、大和証券グループ本社、オリックス、アイ フル、日東電工、クボタ、JFEホールディングス、鹿島などが下 落。2014年3月期の営業利益見通しを上方修正したが、アナリスト予想 に届かなかったTDK、今3月期純利益計画を赤字に下方修正した NTNは売り込まれた。

半面、個別では業績計画を引き上げたセイコーエプソンや日本ガイ シが上昇。受注好調が好感されたファナックのほか、リコー、 HOYA、資生堂なども逆行して上げた。

東証1部の売買高は29億2068万株、売買代金は2兆6598億円。値上 がり銘柄数は162、値下がりは1592。リスク回避、目先の損益確定売り 圧力は国内新興市場にも広がり、マザーズ指数が8.3%安の877.54、ジ ャスダック指数は4.5%安の98.56と終値で昨年12月25日以来、100ポイ ントを割れた。

--取材協力:竹生悠子  Editor: 院去信太郎

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