【今週の債券】長期金利0.6%割れ試す、リスクオフ材料で低下との見方

今週の債券市場で長期金利は0.6% 割れを試す展開が予想されている。新興国市場の通貨安懸念で世界経済 の先行き不透明感が出ており、リスクオフ(回避)の材料に反応しやす く、金利に低下圧力が掛かりやすいとの見方が出ている。

長期金利の指標となる新発10年物国債利回りについて、ブルームバ ーグ・ニュースが1月31日に市場参加者3人から聞いた今週の予想レン ジは全体で0.57%-0.68%となった。0.6%を割り込めば、2013年11 月14日以来となる。前週末終値は0.62%だった。

前週の長期金利は0.6%台前半でもみ合った。新興国市場の通貨急 落をきっかけにした世界的な株価下落や円高進行が買い手掛かりとな り、0.61%まで低下する場面があった。前週末の米10年国債利回り は2.6%台半ばと3カ月ぶりの低水準に達しており、週初の国内債市場 の買い材料となる見込み。

野村証券の松沢中チーフストラテジストは、今週は新興国市場へ一 気に飛び火したリスクオフ(回避)の流れをさらに増幅するような材料 は見当たらないとしながらも、「その根本原因である米連邦準備制度理 事会(FRB)の政策運営への不安を解消することなしには、リスクオ ンへ流れが変わることもないだろう」と予想。「それまでは基本的にリ スクオフ材料に敏感な相場地合いが続く」とみている。

10年債入札

4日に10年利付国債(2月発行)の価格競争入札が行われる。前週 末の入札前市場で10年物は0.62%程度で推移しており、表面利率(クー ポン)は0.6%となる見込み。発行額は2兆4000億円程度。

6日には30年利付国債の入札が実施される。41回債と銘柄統合する リオープン発行となり、クーポンは1.7%。発行額は5000億円程度。

前週末に集計した市場参加者の今週の予想レンジは以下の通り。先 物は中心限月の3月物、10年国債利回りは332回債。

◎バークレイズ証券の丹治倫敦債券ストラテジスト

先物3月物144円00銭-145円00銭

10年国債利回り=0.60%-0.68%

「新興国をきっかけとした株式・為替市場の持ち高調整は徐々に落 ち着くのではないか。新興国の個々の問題は先進国に波及するような内 容ではない。10年債は利回りが需要が不透明な水準に下がっており、入 札に向けた調整が出そう。30年債入札も金利水準重視の投資家が中心だ けに前回の低調さが意識され、調整しないと需要は乏しい。一方、週末 の米雇用統計が2カ月連続で悪い内容なら、米緩和縮小の前提が揺らい でくる可能性があり注意したい」

◎JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長

先物3月物144円40銭-145円30銭

10年国債利回り=0.57%-0.66%

「新興国市場が荒れて相場がボラタイルになる可能性がある。米国 が量的緩和縮小を続ける中、新興国への影響や資金の巻き戻しがどのく らい続くのか見極めたい。新興国株と日本株を買っている投資家は同じ なので、新興国株が売られるとリスク許容度が下がり、日本株にも売り が出やすい。10年債入札は、利率0.6%で無難か。銀行勢は当座預金残 高が増えていて、債券残高を積み増しておらず、多少積み増す必要があ るのではないか」

◎DIAMアセットマネジメントの山崎信人上席ファンドマネジャー

先物3月物144円30銭-145円00銭

10年国債利回り=0.60%-0.67%

「足元で危機が起きたのは経常赤字や外貨準備減少の問題抱える国 で、新興国すべてが問題なわけでないだけに、リスク回避の動きは時間 の経過とともに弱まっていく。欧州危機のように金融システムのリスク は大きくはなく、特定の国の問題が世界経済に悪影響を及ぼすとは考え られない。このため、今週は国債入札など需給動向にフォーカスが当た る。新興国問題が広がらないとの読みであるなら、10年債利回り0.6% 台前半は買いづらい水準だ」

--取材協力:赤間信行、池田祐美、船曳三郎. Editors: 崎浜秀磨, 山 中英典

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE