1月31日の海外株式・債券・為替・商品市場

欧米市場の株式、債券、為替、商品相場は 次の通り。

◎NY外為:円が新興市場通貨に対し上昇-月間でも上げ

ニューヨーク外国為替市場では、円が新興市場通貨に対して上昇。 月間ベースでも値上がりとなった。新興市場通貨への売り浴びせを受け キャリー取引の解消が進んだほか、逃避需要で円が買われた。

ユーロはドルに対し昨年11月22日以来の安値に下落。12月の米個人 消費支出は予想以上の伸びを示した。一方でユーロ圏の1月のインフレ 率は予想外の低下となった。欧州中央銀行(ECB)は来週、政策決定 会合を開く。チリ・ペソとハンガリー・フォリントは対ドルで下落し た。

HSBCホールディングスの為替ストラテジスト、ロバート・リン チ氏は顧客リポートで、「週末を控えて再びリスクオフの傾向が広がり つつあり、円やドルを支える格好となっている」と分析。新興市場通貨 に関しては「現実的な改善は見られない。むしろハンガリー・フォリン トやポーランド・ズロチ、チリ・ペソなどが安値を更新しており、他の 通貨への感染の兆候が強まっている」と続けた。

ニューヨーク時間午後5時現在、円はドルに対し前日比0.7%高の 1ドル=102円04銭。月間では3.1%高と、2012年4月以来の大幅な上昇 率となった。ドルは対ユーロで0.5%高の1ユーロ=1.3486ドル。月間 では1.9%高と、2月以降で最大の上げ。円は対ユーロで1.2%上昇の1 ユーロ=137円63銭。月間では5.2%高となった。

新興市場通貨

主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポ ット指数はほぼ変わらずの1031.57。月間では1.2%上昇と、09年1月以 降で最大の上げ。

BRICS(ブラジルとロシア、インド、中国、南アフリカ共和 国)通貨の加重平均バスケットは円に対し105.7に下落し、29日の水準 にほぼ並んだ。同日は昨年11月13日以来の低水準に下げていた。

対円では特にチリ・ペソ、フォリント、ルーブル、ズロチの下げが 目立った。

ソシエテ・ジェネラルのシニア為替ストラテジスト、セバスチャ ン・ゲーリー氏は「世界的にキャリー取引は行き過ぎた面があり、現在 著しい解消の動きが出ている」と指摘。「その影響で円の需要が高まっ ている」と続けた。

JPモルガンの新興市場ボラティリティ指数は10.2%。29日に は10.4%と、9月以来の高水準を付けた。

日本のインフレ率

日本の総務省がこの日発表した12月の全国消費者物価指数(生鮮食 品を除いたコアCPI)は前年同月比1.3%上昇した。ブルームバー グ・ニュースがまとめた市場予想の中央値は1.2%上昇だった。

ラボバンク・インターナショナルのシニア為替ストラテジスト、ジ ェーン・フォーリー氏(ロンドン在勤)は「日本の経済指標改善は、日 本銀行が今春に追加緩和を実施する可能性が低下することを示唆する」 とし、「新興市場での混乱も数週間は引き続き材料視される可能性があ り、短期的に円をある程度支援するだろう」と述べた。

先進10カ国の通貨で構成されるブルームバーグ相関加重通貨指数に よると円は1月に5.5%高と、12年5月以降で最大の上げ。ドルは1.9% 上昇し、ユーロは0.2%下げた。

原題:Yen Extends Rally Versus Emerging-Market Currencies; Euro Falls(抜粋)

◎米国株:反落、月間ベースも安い-アマゾンなどが下げる

31日の米国株は反落。S&P500種株価指数は1月としては2010年 以来で最悪のパフォーマンスとなった。アマゾン・ドット・コムなどの 企業決算が投資家の失望を誘ったほか、新興市場で混乱が続いているこ とが嫌気された。

世界最大のオンライン小売業者アマゾンは11%下落。昨年10-12月 (第4四半期)の売上高と利益はアナリスト予想を下回った。オンライ ン検索大手グーグルは上昇。テクノロジー株の上げをけん引した。第4 四半期の売上高は市場予想を上回った。年末商戦期間の広告支出の拡大 が寄与した。

S&P500種株価指数は前日比0.7%安の1782.59で終了。ダウ工業 株30種平均は149.76ドル(0.9%)下落して15698.85ドルと、ほぼ3カ 月ぶりの安値で終えた。

USバンク・ウェルス・マネジメント(ミネアポリス)のチーフ株 式ストラテジスト、テリー・サンドベン氏は「この先時間の経過ととも にボラティリティーが高まり、投資リターンが抑えられると予想され る」と述べ、「相場を意味ある上昇に導くには企業利益によるけん引が 必要であり、そのためには景気の改善が必要だ。来週はその点で見通し やすくなるだろう」と続けた。

月間ベースのS&P500種

月間ベースのS&P500種は3.6%安と、昨年8月以来で初の下落。 中国の景気減速の兆候を背景に新興市場通貨が下げ、米国株に影響し た。

昨年12月の米個人消費は所得が横ばいだったにもかかわらず、予想 以上の伸びを示した。米商務省によると、12月の個人消費支出 (PCE)は前月比0.4%増加。前月は0.6%の増加だった。貯蓄率は約 1年ぶりの低水準となった。

1月の米トムソン・ロイター/ミシガン大学消費者マインド指数 (確定値)は81.2と、前月の82.5から低下した。ブルームバーグ・ニュ ースがまとめたエコノミスト予想の中央値は81だった。速報値は80.4。 前回のリセッション(景気後退)が開始した2007年12月までの5年間 で、同指数の平均値は89。リセッションが2009年6月に終了するまでの 1年半の平均値は64.2だった。

エイムド・キャピタルのファンドマネジャー、ダニエル・ウェスト ン氏(ミュンヘン在勤)は電話で、「今の段階では非常に弱気で、守り の姿勢だ」と述べ、「アマゾンは大きな懸念事項だ。企業利益が消費者 を映し出しているからだ。経済成長やインフレが低下し、下向きのトレ ンドを続けるのではないかと心配だ」と続けた。

ボラティリティ指数

シカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティ指数( VIX)はこの日6.5%上昇して18.41だった。VIXは年初から34%上 昇している。

今シーズンに四半期決算を発表したS&P500種採用企業のうち、 利益がアナリスト予想を上回ったのは約79%だった。ブルームバーグが まとめたアナリスト予想では、S&P500種企業の利益は2013年第4四 半期に8.3%増、売上高は2.6%増となっている。

S&P500種産業別10指数のうち7指数が下げた。特にエネルギー と消費者サービス、金融が売られた。一方、公益事業株は0.8%高と最 も上昇した。

アマゾンは11%安。発表資料によると、純利益は1株当たり51セン ト。ブルームバーグがまとめたアナリストの予想平均は1株当たり69セ ントだった。海外での売り上げが鈍化したほか、年末商戦期間に配送コ ストが急増したことが響いた。売上高は20%増の256億ドル。アナリス ト予想平均の261億ドルに届かなかった。

米決済ネットワーク2位のマスターカードは5.1%安。10-12月期 決算は利益がアナリスト予想を下回った。費用の増加が響いた。

グーグルは4%高の1180.97ドルと、最高値で終えた。10-12月期 売上高は提携サイトへの支払い分を除いたベースで11%増の136億ド ル。アナリスト予想平均の134億ドルを上回った。

原題:U.S. Stocks Extend January Slide as Amazon, Mattel Lead Declines(抜粋)

◎米国債:上昇、10年債は12週ぶり低利回り-新興市場不安

米国債相場は上昇。10年債利回りは12週間ぶりの低水準となった。 中国製造業の減速懸念が根強いことや、米連邦公開市場委員会 (FOMC)の緩和縮小を受けた新興市場の軟化を背景に安全資産とさ れる米国債に買いが入った。

FOMCがインフレ指標として注目する個人消費支出(PCE)価 格指数は昨年12月に前年同月比で1.1%上昇にとどまり、当局が目標と する2%を20カ月連続で下回った。10年債利回りは1月に月間で0.39ポ イント低下し、下げ幅は格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ (S&P)が米国の信用格付けを「AA+」に引き下げた2011年8月以 来の最大となった。当時は株式市場が下落し、逃避需要で米国債が買わ れた。

プルデンシャル・ファイナンシャルのフィクストインカム部門でチ ーフ投資ストラテジストを務めるロバート・ティップ氏は、「全体的な テーマは新興市場の状況に起因するリスク回避だ」と指摘。FOMCは 「新興市場の不安定な動きや若干軟調な米経済指標に関わらず、緩和縮 小は進められる」と示唆したと同氏は述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比5ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)低下の2.64%。昨年11月8日以来の低水準をつけた。同年 債(表面利率2.75%、2023年11月償還)価格は14/32上げて100 29/32。

保有国債のデュレーション(平均残存期間)をベンチマーク(基 準)に合わせようとする月末特有の買いも相場を支えた。

先物ポジション

米商品先物取引委員会(CFTC)の週間建玉報告によると、ヘッ ジファンドなど大口投機家による30年債先物の持ち高は28日終了週に買 越幅が拡大し、2005年1月以来の最大となった。ロング(買い持ち)は ショート(売り持ち)を6万8533枚上回った。買越幅は前週から20%拡 大した。

一方、同10年債先物は売越幅が11万7759枚と倍増した。

ブルームバーグ米国債指数は今月、前日までの時点で1.6%上昇 と、2012年5月以来の急上昇となった。バンク・オブ・アメリカ (BOA)メリルリンチ・グローバル・ブロード・マーケット指数の今 月のリターン(金利の再投資分含む)は30日時点でプラス1.4% で、2011年12月以来の最大。

今月は中国の製造業活動を示す指数が昨年7月以降で初の縮小を示 唆したことも安全資産の買いにつながった。新興国20通貨の動きを示す ブルームバーグの指数は1月に3.2%低下し、2009年以来の低水準とな った。

「質への逃避」

フェデレーテッド・インベスターズのマルチセクター戦略責任者、 ドナルド・エレンバーガー氏は「新興市場の諸問題に注目が集まり始め ており、それが質への逃避を促した」と指摘。「昨年12月の米国債の大 幅な上昇分はすべてなくなった」と述べた。

金利先物の動向によると、2015年1月のFOMC会合までに当局が 利上げに踏み切る確率は12.7%と、昨年12月27日時点の17.8%から低下 した。

1月のシカゴ地区の製造業景況指数(季節調整済み)は59.6と、前 月の60.8から低下した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミ スト予想の中央値は59だった。同指数は50が製造業活動の拡大と縮小の 境目を示す。

1月の米トムソン・ロイター/ミシガン大学消費者マインド指数 (確定値)は81.2と、前月の82.5から低下した。ブルームバーグ・ニュ ースがまとめたエコノミスト予想の中央値は81だった。速報値は80.4。

原題:U.S. 10-Year Yields Fall to 12-Week Low on Emerging Markets, Fed(抜粋)

◎NY金:下落、ドル上昇で-週間では約1カ月ぶり大幅安

ニューヨーク金先物相場は下落。ドルが上昇したことを背景に、代 替投資としての買いが後退した。週間ベースでは昨年12月後半以降で最 大の下げとなった。

フューチャーパス・トレーディングのトレーダー、フランク・レシ ュ氏(シカゴ在勤)は電話インタビューで、「きょうはドルが上昇して いるため、金は下げている」と指摘。「今のところ、不安はやや後退し ており、安全な金を買う必要性も若干弱まっている」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)COMEX部門の金先物4 月限は前日比0.2%安の1オンス=1239.80ドルで終了。週間では2%安 と、12月20日終了週以来の大幅下落。月間では3.1%上昇した。

原題:Gold Caps Biggest Weekly Slump Since December as Dollar Rallies(抜粋)

◎NY原油:反落、新興市場国の景気悪化リスクを警戒

ニューヨーク原油先物相場は反落。前日に付けた年初来高値から下 げた。新興国で景気が悪化するとの懸念から売りが広がった。

USバンク・ウェルス・マネジメントの投資担当シニアストラテジ スト、ロブ・ハワース氏(シアトル在勤)は「原油と世界市場の相関関 係がやや強まっている。新興市場に関する懸念が原油市場にも広がりつ つある」と述べた。

ニューヨーク商業取引所(NYMEX)の原油先物3月限は前日 比74セント(0.8%)安の1バレル=97.49ドルで終えた。

原題:WTI Oil Falls on Emerging-Market Risk as Discount to Brent Slips(抜粋)

◎欧州株:ストックス600指数下落-1月としては4年ぶり大幅安

31日の欧州株式相場は下落。エレクトロラックスやベダンタ・リソ ーシズの決算内容を嫌気して失望売りが出た。指標のストックス欧 州600指数は1月としては2010年以来の大幅な下落率となった。

スウェーデンの家電メーカー、エレクトロラックスは11年8月以来 の大きな値下がり。利益がアナリスト予想に届かなかった。英鉱山会社 ベダンタは3.6%下げた。ザンビアとオーストラリア、インドで銅産出 量が減少した。一方、フランスのLVMHモエ・ヘネシー・ルイ・ヴィ トンは7.9%の大幅高。ファッション・革製品部門の売上高の伸び が2013年10-12月(第4四半期)に回復したことが好感された。

ストックス600指数は前日比0.3%安の322.52で終了。一時は1.7% 安となった。前月末比では1.8%下げた。新興市場通貨安に加え、中国 の製造業指数の低下や米当局による債券購入ペースの減速が背景にあ る。同指数は週間ベースでは0.7%安。

ウニクレディト銀行(ミュンヘン)のシニアストラテジスト、クリ スチャン・ストッカー氏は「市場は調整時期に差し掛かっていた」と指 摘、「今週は各市場で同時発生的になボラティリティの上昇が見られ た。通貨は非常に弱く、中国の製造業データは失望を誘う内容だった。 株式相場が一段高となるには収益の伸びに勢いが付く必要がある」と語 った。

ブルームバーグが集計する新興市場通貨20で構成される指数はこの 日、0.2%下げた。下落日はここ15日で14回目。

31日の西欧市場では18カ国中13カ国で主要株価指数が下落。英 FTSE指数は0.4%安。独DAX指数は0.7%、仏CAC40指数 は0.3%それぞれ下げた。

原題:European Stocks Drop, Posting Their Worst January in Four Years(抜粋)

◎欧州債:総じて上昇、インフレ率低下で利下げ観測が浮上

31日の欧州債市場ではユーロ圏各国の国債が総じて上昇。ドイツ30 年債利回りは昨年8月以来の低水準となった。1月の域内インフレ率が 低下し、欧州中央銀行(ECB)が景気てこ入れで追加措置を講じると の観測が浮上した。

スペインとイタリアの2年債利回りはともに過去最低を記録。この 日発表された1月のユーロ圏インフレ率は0.7%に低下し、アナリスト 予想の0.9%を下回った。ドイツ2年債利回りは約3カ月ぶり低水準ま で低下。ECBは2月6日の会合で金融政策を決定する。ドイツ銀行と ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)は見通 しを変更し、来週早々にも利下げがあるとみている。

INGグループ(アムステルダム)で先進国市場の債券戦略責任者 を務めるパドライク・ガービー氏は電話インタビューで、「ECBは低 インフレを警告していたが、ここまで低下するという想定はなかったと 強く確信する」とし、 「ECBに超ハト派的な政策維持を迫る圧力を 加えるものだ。これは中核国の国債に強気となる材料だ」と語った。

ロンドン時間午後4時14分現在、ドイツ30年債利回りは前日比5ベ ーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下の2.48%。一時は昨年8 月12日以来の低水準である2.47%まで下げた。同国債(表面利 率2.5%、2044年7月償還)価格は1.015上げ100.43。週間ベースでは昨 年4月以降で最長となる4週続伸となった。

ドイツ2年債利回りは一時3bp低下の0.062%と、昨年11月7日 以降の最低を付けた。

スペイン2年債利回りは6bp下げ0.947%。イタリア2年債利回 りは一時8bp下げ0.921%と、いずれも過去最低を記録した。

英国債市場では10年債利回りが12週間ぶりの低水準を付けた。新興 市場を襲った売り浴びせで、安全資産を求める動きが強まった。イング ランド銀行(英中央銀行)のカーニー総裁が低金利政策を継続する方針 を今週示したことも手掛かり。

ロンドン時間午後4時24分現在、英10年債利回りは4bp低下 し2.71%。昨年11月8日以来の低水準となる2.69%まで下げる場面もあ った。同国債(表面利率2.25%、2023年9月償還)価格は0.37上 げ96.165。

原題:European Bonds Rally as Slowing Inflation Stokes ECB Rate Bets(抜粋) U.K. Bond Yield Slides to 12-Week Low on Rate Pledge, Safety Bid (抜粋)

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