米国債(31日):10年債は12週ぶり低利回り-新興市場不安で

米国債相場は上昇。10年債利回り は12週間ぶりの低水準となった。中国製造業の減速懸念が根強いこと や、米連邦公開市場委員会(FOMC)の緩和縮小を受けた新興市場の 軟化を背景に安全資産とされる米国債に買いが入った。

FOMCがインフレ指標として注目する個人消費支出(PCE)価 格指数は昨年12月に前年同月比で1.1%上昇にとどまり、当局が目標と する2%を20カ月連続で下回った。10年債利回りは1月に月間で0.39ポ イント低下し、下げ幅は格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ (S&P)が米国の信用格付けを「AA+」に引き下げた2011年8月以 来の最大となった。当時は株式市場が下落し、逃避需要で米国債が買わ れた。

プルデンシャル・ファイナンシャルのフィクストインカム部門でチ ーフ投資ストラテジストを務めるロバート・ティップ氏は、「全体的な テーマは新興市場の状況に起因するリスク回避だ」と指摘。FOMCは 「新興市場の不安定な動きや若干軟調な米経済指標に関わらず、緩和縮 小は進められる」と示唆したと同氏は述べた。

ブルームバーグ・ボンド・トレーダーによれば、ニューヨーク時間 午後5時現在、10年債利回りは前日比5ベーシスポイント(bp、1b p=0.01%)低下の2.64%。昨年11月8日以来の低水準をつけた。同年 債(表面利率2.75%、2023年11月償還)価格は14/32上げて100 29/32。

保有国債のデュレーション(平均残存期間)をベンチマーク(基 準)に合わせようとする月末特有の買いも相場を支えた。

先物ポジション

米商品先物取引委員会(CFTC)の週間建玉報告によると、ヘッ ジファンドなど大口投機家による30年債先物の持ち高は28日終了週に買 越幅が拡大し、2005年1月以来の最大となった。ロング(買い持ち)は ショート(売り持ち)を6万8533枚上回った。買越幅は前週から20%拡 大した。

一方、同10年債先物は売越幅が11万7759枚と倍増した。

ブルームバーグ米国債指数は今月、前日までの時点で1.6%上昇 と、2012年5月以来の急上昇となった。バンク・オブ・アメリカ (BOA)メリルリンチ・グローバル・ブロード・マーケット指数の今 月のリターン(金利の再投資分含む)は30日時点でプラス1.4% で、2011年12月以来の最大。

今月は中国の製造業活動を示す指数が昨年7月以降で初の縮小を示 唆したことも安全資産の買いにつながった。新興国20通貨の動きを示す ブルームバーグの指数は1月に3.2%低下し、2009年以来の低水準とな った。

「質への逃避」

フェデレーテッド・インベスターズのマルチセクター戦略責任者、 ドナルド・エレンバーガー氏は「新興市場の諸問題に注目が集まり始め ており、それが質への逃避を促した」と指摘。「昨年12月の米国債の大 幅な上昇分はすべてなくなった」と述べた。

金利先物の動向によると、2015年1月のFOMC会合までに当局が 利上げに踏み切る確率は12.7%と、昨年12月27日時点の17.8%から低下 した。

1月のシカゴ地区の製造業景況指数(季節調整済み)は59.6と、前 月の60.8から低下した。ブルームバーグ・ニュースがまとめたエコノミ スト予想の中央値は59だった。同指数は50が製造業活動の拡大と縮小の 境目を示す。

1月の米トムソン・ロイター/ミシガン大学消費者マインド指数 (確定値)は81.2と、前月の82.5から低下した。ブルームバーグ・ニュ ースがまとめたエコノミスト予想の中央値は81だった。速報値は80.4。

原題:U.S. 10-Year Yields Fall to 12-Week Low on Emerging Markets, Fed(抜粋)

--取材協力:Susanne Walker. Editors: Paul Cox, Greg Storey

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