円反発、日本株下落でリスク回避の円買い-新興国不安残る

東京外国為替市場では円が反発。新 興国の通貨不安がくすぶる中、日本株が下げに転じたことから、リスク 回避に伴う円買いが優勢となった。

ドル・円相場は一時、1ドル=102円33銭まで円買いが進行。前日 に新興国通貨が反発したことや米景気の堅調さが確認されたことを受 け、朝方はドル買い・円売りが優勢となり、一時102円94銭と2営業日 ぶりのドル高値を付ける場面が見られていた。

外為どっとコム総合研究所の石川久美子研究員は、円の上昇につい て、「完全に株がきっかけだった」と指摘。「米国のGDP(国内総生 産)が堅調な内容だったため、海外ではドルが買われたが、新興国の話 は何も解決していない」と話した。

ユーロ・円相場は1ユーロ=139円台前半から一時138円67銭までユ ーロ売り・円買いが進み、前日の海外時間に付けた先月5日以来のユー ロ安値を更新。一方、ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.35ドル半ばで推 移し、取引終盤に一時1.3542ドルと前日の海外市場で付けた1週間ぶり のユーロ安値(1.3544ドル)を更新した。

31日の東京株式市場は下落。前日の欧米株高の流れを受け、上昇し て始まったものの、徐々に失速した。午後には一時TOPIXが前日 比1.1%安、日経平均株価は同1.6%安まで下げ幅を拡大した。

石川氏は、新興国について「経常赤字が簡単に解決するわけはな く、新興国の景気が急に上向いて不安が払しょくされるということもま ずないので、よほど楽観材料が出てくるまでは不安が頭の隅に残ってし まう」と指摘。仮に来週発表の米雇用統計がすごい強ければ、マインド が好転することもあるだろうが、「ドル・円にしても株にしても1月の 大きな下落を一気に払しょくするのは難しいだろう」と語った。

米国景気と新興国にらみ

米国ではこの日、12月の個人消費支出や1月のシカゴ製造業景況指 数などが発表される。30日発表された昨年10-12月の米実質国内総生産 (GDP、季節調整済み、年率)速報値は前期比3.2%増加となった。

三井住友信託銀行ニューヨークマーケットビジネスユニットマーケ ットメイクチーム長、海崎康宏氏(ニューヨーク在勤)は、新興国不安 について「マーケットがターゲットとするものが出てくれば、また盛り 上がる」と予想。ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)がこの先に緩 和縮小をしていく中で、市場の最大の関心事は「米経済が本当に大丈夫 なのか」ということだとし、来週発表される米供給管理協会(ISM) 指数や米雇用統計が「次の大きな焦点になってくる」と語った。

一方、この日発表された日本の12月の全国消費者物価指数(生鮮食 品を除くコアCPI)は前年同月比1.3%上昇と、市場予想を上回っ た。クレディ・アグリコル銀行外国為替部の斎藤裕司ディレクターは、 「CPIが強めに出ると日銀の追加緩和の思惑が少し後退するので、円 売り材料にはならない」と話していた。

--取材協力:大塚美佳. Editors: 青木 勝, 崎浜秀磨

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