長・超長期債に売り圧力、米債安や高値警戒感で-株安・円高で先物高

債券市場では長期債や超長期債に売 り圧力が強まった。前日の米国債の下落や国内債に対する高値警戒感か ら売りが先行した。午後からは、日本株が下落基調を強め、円相場が上 昇したことから、値を戻す展開となった。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物332回債利回りは午 後から0.5ベーシスポイント(bp)高い0.625%で始まった後、横ばい の0.62%との間を上下している。東京先物市場の中心限月3月物は午後 の取引前半まで安く推移していたが、株安や円高を受けて、終盤には一 時6銭高の144円78銭を付け、結局は2銭高の144円74銭で引けた。

JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長は 「前日の米国株堅調や長期金利の上昇を受けて、午前は日本株も強かっ たので、債券には戻り売りが出た。しかし午後に入って、日本株が下落 してきたので、買い戻しが入った。外国人勢による、株先物を売って、 債券先物を買う動きがみられて、値を戻し、横ばい圏」と説明した。ま た「新興国の動揺が続けば、金利低下要因になる」とも語った。

超長期債市場では、新発20年物147回債利回りは1bp高い1.47%で 始まった後、徐々に水準を切り下げ、横ばいの1.46%で推移している。 新発30年物41回債利回りは1bp高い1.64%で始まり、1.645%を付けた 後は1.635%で推移している。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊債券ストラテジス トは、日銀の国債買いオペや月末の債券インデックス長期化で需給は引 き締まる半面、来週に10年債と30年債の入札を控えており、需給動向は ミックスと指摘。「10年債利回り0.6%前半では買いにくさもある」と 語った。

日銀はこの日、今月10回目となる長期国債買い入れオペを実施。買 い入れ総額は9000億円だった。投資家の売り圧力を見極める上で注目さ れている応札倍率は、対象となる残存期間3本のうち、「3年超5年以 下」を除く「1年超3年以下」と「5年超10年以下」が前回を上回っ た。

朝方発表された月次の経済指標では、昨年12月の全国消費者物価指 数(生鮮食品を除くコアCPI)は前年比1.3%上昇と市場予想を0.1ポ イント上回った。一方、同月の鉱工業生産は前月比1.1%増加、全世 帯・消費支出は前年比0.7%増加と、市場予想(1.3%上昇、1.1%増 加)を下回った。

JPモルガン・アセットの塚谷氏は、「日銀オペ結果は多少弱かっ た感じだが、ほとんど影響はない。経済指標はほぼ予想の範囲内。全国 CPI上昇は、円安による天然ガス・原油輸入価格押し上げの影響が大 きい」と述べた。

国内株式市場は、米株高を引き継ぎ、買いが先行したものの、午後 に入って下落に転じた。TOPIXと日経平均株価はそれぞれ前日 比0.3%安の1220.64、同92円53銭安の1万4914円53銭で取引を終了し た。外国為替市場でドル・円相場は1ドル=102円台の後半から半ばへ と円高・ドル安が進んでいる。

30日の米国債相場は下落。米10年国債利回りは前日比2bp高 の2.7%程度。前日に付けた2カ月ぶりの水準から上昇した。発行総 額640億ドルの中期債入札が実施される中、売りが優勢になった。同日 発表された10-12月期の実質GDP(季節調整済み、年率)速報値が前 期比3.2%増加したことも重しとなった。

--取材協力:赤間信行. Editors: 崎浜秀磨, 青木 勝

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