トヨタ労組:春闘で5年ぶりベア要求方針を表明-月4000円

トヨタ自動車労働組合は今年の春闘 で経営側に対し、月4000円のベースアップ(ベア)を求めていく案を公 表した。トヨタが業績を大幅に改善する中、労組がベアの引き上げを求 めるのは5年ぶり。

トヨタ労組の30日の発表資料によると、月額の賃上げとして、組合 員1人平均で1万1300円を要求し、このうち賃金制度維持分は7300円に なる。年間一時金として基準内賃金の6.8カ月(約244万円に相当)を要 求する。EX級、技能4等級、技能職の賃金は35万3530円とする。

この要求案は30日に職場へ提案し、2月6日の評議会で採決、決定 後、同12日に会社に申し入れる予定。鶴岡光行執行委員長は30日、愛知 県豊田市内で記者団に対し、「賃上げにはベアも含めて目前に迫った消 費税アップでも景気が腰折れないようにする願いが込められている」と コメントした。

2012年の安倍晋三首相の就任と前後して、1ドル=70円台が続いた 超円高時代が終わり、円安が進むとともに日経平均株価は上昇。首相は デフレ脱却に向けて、企業の賃上げを重視しており、日本最大の企業で あるトヨタが労組のベア要求に応じるかどうかがアベノミクスの成否の 試金石ともなりそうだ。

独立系調査会社社ティー・アイ・ダヴリュ(TIW)の高田悟アナ リストは、ベアを含む賃上げが実現すればトヨタにとして財務上の負担 が増えるのは確かだが、過去最高に迫る利益を上げながら賃上げに不満 が残る内容となれば「従業員のモチベーションに与える影響が大きい」 と指摘。経営陣としては、金額は別として「方向性としては上げる」と いう考えに傾くのではないかと話した。好業績だけに賃上げ分の費用増 も吸収可能だとした。

トヨタは昨年の春闘で、ボーナスは要求の基準内賃金5カ月+30万 円の相当額の205万円支給を決めたが、昇給については労組がベアを要 求せず、組合員1人平均7300円で賃金制度維持分にとどめていた。自動 車総連のウェブサイトによると、トヨタのボーナスは07年には250万円 超まで増加したが、その後は11年を除き対前年比で下落を続けていた。

円安の流れや米国など海外の新車販売好調を受け、トヨタの業績は 急回復している。14年3月期は純利益が前期比74%増の1兆6700億円と リーマンショック直前で過去最高益を記録した08年3月期に迫る勢い だ。ブルームバーグ・データによると、昨年9月末時点の現金及び現金 同等物と短期投資の合計は3兆8777億円とここ最近で高水準にある。

--取材協力:Ma Jie. Editor: 浅井秀樹

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