中国の中誠信託、信託商品の元本返済を開始-投資家を救済

中国の中誠信託は30億元(約507億 円)相当の高利回り信託商品の元本返済を開始した。同商品をめぐって 広がったデフォルト(債務不履行)懸念は投資家の不安を一段と高め、 新興市場株や通貨急落の一因となっていた。

上海と広州、北京の顧客の大半は28日、額面価格の払い戻しと引き 換えに信託商品の権利を手放すことに合意した。ある投資グループの広 報担当チャン・フェン氏と投資家のドゥ・ロンハイ氏がブルームバーグ との電話インタビューで明らかにした。同権利の取得者については明ら かにしなかった。投資家の同救済案受け入れの期限は現地時間29日午後 5時だった。同案は信託商品を販売した中国工商銀行が27日に提案し た。

この救済案により、1兆7000億ドル(約174兆円)規模の中国信託 業界で少なくともこの10年で最大のデフォルトに陥る事態は回避され た。中国のシャドーバンキング(影の銀行)システムで最も急速に成長 してきた同業界内の緊張が高まるとの懸念も後退した。しかし今回の救 済劇は、投資家が信託市場のリスクを見えにくくされているとの警鐘と もなった。

ソシエテ・ジェネラルの中国担当エコノミスト、姚煒氏(香港在 勤)は「マクロ経済の観点から見てこれが良い結果でないことは確か だ」と発言。「金融市場がデフォルトを容認しないとしたら、真に市場 に基づく金利は存在し得ないだろう」と指摘した。

中誠信託は「誠至金開1号」というこの商品を2011年2月に発行。 同社ウェブサイトに掲載された文書によれば、複数のトランシェから成 る同商品の年間リターンは9.5-11%とされていた。今月31日に償還を 迎える同商品は、炭鉱会社の資金調達を目的に富裕層顧客をターゲット として組成されたが、同社は12年に破綻した。

原題:China Credit Repays Principal to Bailed-Out Trust Investors(抜粋)

--Jun Luo, 取材協力:Zhang Dingmin、Matthew Brooker. Editors: Gregory Turk, Nicholas Wadhams

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