日本株は大幅反落、新興国懸念再燃し前日上げ相殺-全面安に

東京株式相場は大幅反落。新興国経 済や通貨安への懸念が再燃し、投資家のリスク回避姿勢が強まる中での 円高進行も嫌気された。不動産や金融、輸出関連など東証1部33業種は 全て下落し、値下がり銘柄が1700近くに達するほぼ全面安となった。

TOPIXの終値は前日比32.09ポイント(2.6%)安の1224.09、 日経平均株価は376円85銭(2.4%)安の1万5007円6銭。ことし最大だ った前日の上げ分を相殺したTOPIXは昨年12月16日以来、約1カ月 半ぶりの安値水準に沈んだ。

りそな銀行の戸田浩司チーフ・ファンド・マネージャーは、「米連 邦公開市場委員会(FOMC)を波乱なく通過し、エマージング通貨の 混乱が収束していくとの期待で前日に大きく上げた」と指摘。しかし、 マーケットの反応はネガティブで、「短期筋が売り直した。きのう買い 出動した投資家を全否定する動き」と言う。

29日の新興国通貨は、トルコ・リラが乱高下し、南アフリカ・ラン ドは中銀による予想外の利上げにもかかわらず、対ドルで約5年ぶりの 安値を付けた。ロシア・ルーブルは最安値を更新、ブラジル・レアルは 昨年8月以来の安値に下落した。米金融当局が量的緩和縮小を進める 中、新興国資産から資金が逃げている。

FOMC後、株安・円高で反応

米連邦準備制度理事会(FRB)は29日のFOMCで、債券購入額 を100億ドル縮小、月650億ドルにする方針を決めた。新興国市場の混乱 に加え、FRBが緩和縮小の継続姿勢を示し、その後の景気・金融市場 への影響が懸念された格好で同日の米S&P500種株価指数は1%下 落。為替市場ではドル・円が前日の海外時間に一時1ドル=101円80銭 台と、前日の東京株式市場終了時の103円台前半から円高に振れた。き ょうの東京市場では、102円台前半で推移する時間帯が長かった。

証券ジャパンの大谷正之調査情報部長は、米緩和縮小は「米国経済 の力強さを裏付ける悪くない話だが、資金が米国に回帰してしまう懸念 がある」としている。

きょうの日本株は、幅広い業種が朝方から大きく売られ、主要指数 は日中ベースで昨年11月中旬以来の安値まで下げた。日経平均は一 時530円安の1万4853円まで下落。ただ午後は下げ渋り、1万5000円を 維持して終えた。

東証1部33業種の下落率上位は不動産、保険、証券・商品先物取 引、銀行、その他金融、電気・ガス、ゴム製品、電気機器、ガラス・土 石製品など。個別ではソフトバンク、楽天、三井住友フィナンシャルグ ループ、トヨタ自動車、任天堂、キヤノン、野村ホールディングス、日 立製作所、JT、三菱地所などが安い。人気ゲームソフトへの期待感 で、直近の連騰が目立っていたスクウェア・エニックス・ホールディン グスも反落した。

一方、昨年4-12月期の連結純利益が前年同期比27%増だったコマ ツ、9カ月累計決算が営業増益のJR東海、日立金属が逆行して上昇。 理化学研究所などがiPS細胞よりも簡易な万能細胞の作製に成功した ことを材料に、新日本科学などバイオや臨床試験、再生医療関連銘柄の 一角も高い。

東証1部の売買高は30億4108万株、売買代金は3兆223億円。値下 がり銘柄数が1687に達し、値上がりは78にとどまった。

--取材協力:竹生悠子  Editor: 院去信太郎

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