任天堂:スマホ活用策で目新しさ欠き株価急落-経営方針説明

ゲーム機世界最大手の任天堂が30日 発表した業績回復策は、注目されていたスマートフォン(スマホ)やタ ブレット端末の活用という点で目新しさを欠いた。株価は発表途中で急 落し、投資家からは失望の声が出ている。

経営方針説明会で岩田聡社長が説明した。スマホの活用策では、顧 客との関係強化を目的にするスマホやタブレット用のアプリを今年中に 提供開始する。岩田社長は、アプリ上のゲームやキャラクター使用の可 能性は認めたものの、「これでマリオをスマートデバイスに供給と報道 されると完全にミスリード」と強調、「スマートデバイスで直接ビジネ スを展開するアプローチではない」と述べた。

同社は17日、据え置き型ゲーム機「Wii(ウィー)U」の年末商 戦での販売不振を理由に今期(2014年3月期)の利益目標を大幅に引き 下げた。スマホ向けゲームの影響で業界の構造が変化、さらに競合他社 も新ゲーム機を投入する状況の中、経営方針説明会で来期に向け立て直 し策を公表するとしていた。

みずほ投信投資顧問の青木隆シニアファンドマネジャーは「事業戦 略は想定の範囲内」と述べた。「任天堂にはマリオなど強力なコンテン ツがあり、潜在能力は高い」としたが、スマホへのゲーム提供には慎重 姿勢だったことから、「急な業績回復につながる道筋は見えない」と話 した。

この日の株価は、前日の自社株買いの発表を受けて買い先行で始ま り、一時、前日比7.5%高まで買われていた。しかし経営方針の発表内 容が報道された午前10時半すぎに急落。前日比4.3%安の1万2325円で 終了した。

新興国開拓本格化へ

新興国市場でのユーザー拡大については、先進国とは価格体系が異 なる製品群が必要と述べた。スマートデバイスを活用し、15年から市場 開拓を本格化させる。このほかスーパーマリオなどキャラクターのライ センスビジネスの拡大や健康関連の新規事業進出などが発表された。

キャラクタービジネスでは、これまでライセンスしないと決めてい たデジタル分野でもライセンスすることを検討し、パートナーを積極的 にさがす。岩田社長は将来的に「営業利益の一定割合を稼ぐ」と期待感 を表した。健康関連事業では、年内に計画の詳細をまとめ、16年3月期 に開始、17年3月期から収益を上げる見込み。

いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は「事業方針を マーケットは評価しない」と批判。「ゲーム事業で新機軸を打ち出せて いない。スマホで出遅れた今、意固地になっている印象」と話した。

Uの不振

業績下方修正の主因となったUについては、付属のゲームパッドを 生かしたソフト開発を最優先課題として取り組む。値下げは否定したも のの、岩田社長は来期の収益源は「3DS」だと述べた。

29日の発表によると、Uの販売不振が顕著となった13年10-12月期 の連結純利益は96億円となり、前年同期を77%下回った。営業利益は 同6.9%減の217億円。

従来は550億円の黒字予想だった今期の純損益の見通しは、17日の 発表で250億円の赤字に下方修正しており、岩田社長がコミットメント (公約)としていた営業利益予想1000億円は、350億円の赤字に引き下 げた。営業赤字は3年連続。

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