任天堂:10-12月期純利益は96億円-自己株1000万株買い戻しへ

ゲーム機世界最大手の任天堂の2013 年10-12月期の連結純利益は96億円となり、前年同期を77%下回った。 同社はまた、最大1000万株(自己株を除く発行済株式の7.82%)の自己 株買い戻しを行うことを明らかにした。

発表資料によると、買い戻し上限は1250億円で、取得期間は30日か ら3月31日。この日記者会見した岩田聡社長は、自己株買いについて、 昨年9月に死去した山内溥前社長の遺族が相続税対策で株を手放すこと の影響を含めて判断したと述べた。

同社は17日、Uの年末商戦での販売不振を理由に今期(14年3月 期)の利益目標を大幅に引き下げたばかり。スマートフォン(スマホ) 向けゲームの影響で業界の構造が変化、さらに競合他社も新ゲーム機を 投入する厳しい状況の中、来期に向けた任天堂の立て直し策が焦点とな っている。

ミョウジョウ・アセット・マネジメントの菊池真最高経営責任者 (CEO)は、自己株買いについて、業績が良くなかった中で、「株主 還元への思いの表れ」しつつ「逆に業績の回復の見通しがないというこ とだ」と述べた。

10-12月期決算では据え置き型ゲーム機「Wii(ウィー)U」の 販売不振が響いた。10-12月の営業利益は同6.9%減の217億円。売上高 は同12%減の3025億円。10-12月の実績はブルームバーグ・ニュースが 任天堂の発表から算出した。発表資料によると13年4-12月期の連結純 利益は102億円で前年同期比30%減となった。

報酬カット

17日の発表では、従来は550億円の黒字予想だった純損益の見通し を250億円の赤字に下方修正。岩田社長がコミットメント(公約)とし ていた営業利益予想1000億円は、350億円の赤字に引き下げた。営業赤 字は3年連続となる。

この日の記者会見で岩田社長は、今期の利益目標の引き下げについ て、円安の中で営業損失となることの経営陣の責任は重いとし、2月か ら6月まで社長報酬を50%カットすることを明らかにした。他の役員に ついても20-30%引き下げる。

エース経済研究所の安田秀樹アナリストは、岩田社長が営業利 益1000億円をコミットメントとしていたことから「それを達成できなけ れば責任を取るのは当然」とする一方、1年の赤字計上で辞任すること には否定的見方を示した。

ゲーム市場ではスマホやタブレット向けのゲームが普及する一方、 据え置き型ゲーム機でも、ソニーと米マイクロソフトが昨年11月、相次 いで新型機を投入し競争が激化した。ソニーのプレイステーション (PS)4」は420万台、マイクロソフトの「Xbox One(エッ クスボックス・ワン)」は300万台が、販売開始から昨年末までの短期 間に販売された。これに対しUの4-12月の販売台数は241万台にとど まった。

スマートデバイス

8月にはUを欧米市場で値下げして巻き返しを図ったが、岩田社長 はこの日の会見で、さらに値下げして打開を図れるとは考えていないと 述べた。また、スマホなどスマートデバイスが普及するとゲーム機が売 れないとは思っていない、とも語った。スマートデバイスの活用につい ては30日の経営方針説明会で示すと述べるにとどめた。

ミョウジョウ・アセット・マネジメントの菊池氏は「任天堂は今の 状況に合わせた事業展開をすべきだ」と述べ、スマートフォンゲームを 出すのも選択肢との考えを示した。

--取材協力:. Editors: 中川寛之, 浅井秀樹

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