債券は反落、新興国通貨安の一服や株高で売り-FOMC待ちで慎重

債券相場は反落。新興国の通貨下落 が一服したことや国内株高への警戒感から売りが優勢となった。今晩の 米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果発表を前に積極的な買いも手 控えられた。

東京先物市場で中心限月の3月物は前日比11銭安の144円55銭で開 始。その後はじり安となり、午前の取引終了前に144円41銭と、日中取 引で23日以来の安値を付けた。午後に入ると下げ幅を縮小し、結局は11 銭安の144円55銭で引けた。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の332回債利回 りは同1ベーシスポイント(bp)高い0.635%で始まり、一時は0.645% と23日以来の高水準を付けた。午後に入ると0.635%まで戻した。5年 物の116回債利回りは0.5bp高い0.20%。

三井住友銀行の宇野大介チーフストラテジストは、債券市場につい て「円安・株高と外部環境が良くなく、売りが優勢だ」と述べた。トル コなどの利上げを受けていったん新興国通貨の売りは収束しているとし ながらも、「問題は長続きするかどうかだ。中長期的に利上げは景気に マイナス要因。対処療法でしかない」と話した。

20年物の147回債利回りは午後に入って水準を切り下げ、一時1.5bp 低い1.47%まで低下。午後3時半ごろからは1.475%で推移した。30年 物の41回債利回りは午前には1.5bp高い1.66%に上昇していたが、午後 は一時1.64%まで低下し、3時前から1.65%で取引された。

岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「インドやトルコ の政策金利引き上げを手掛かりにリスクオフ(回避)の動きがいったん止 まり、国内債には戻り売りが出た」と指摘した。一方、「需給面では金 利は上がりづらい展開。月内は日銀買いオペが支えとなり、3月の大量 償還を踏まえて来月後半から需給は徐々に逼迫(ひっぱく)する」と話し ていた。

日銀国債買いオペ

日銀がきょう実施した長期国債買い入れオペ(総額6000億円)の結果 によると、残存期間「5年超10年以下」、「10年超」ともに応札倍率は 前回より低下して需給の良さを示した。落札利回りは10年超が市場実勢 付近との見方が出ていた。

外国為替市場で円は1ドル=103円台前半に下落。インドに続いて トルコの中央銀行が利上げに踏み切ったことを受けて、新興国の通貨安 をめぐる懸念が緩和した。国内株式相場は5営業日ぶりに反発。 TOPIXは前日比2.6%高の1256.18で取引を終えた。

ブルームバーグ・ニュースのエコノミスト調査によると、今回の FOMC会合について、月750億ドルの債券購入プログラムを減額する と予想されている。

FOMCについて、三井住友銀の宇野氏は「今晩に量的緩和縮小を すれば、新興国が利上げしても資金が引き揚げられる発想がくすぶる。 その兼ね合いが焦点。米国は量的緩和縮小をやっていくと思うので、 FOMC後も混乱の収束宣言ができる状況になるかは不透明」と話し た。

野村証券の松沢中チーフストラテジストは、海外市場の動きがまだ リスクオン(選好)への転換ではなく、リスクオフのスピード調整という 認識で、今夜のFOMCで何も緩和的なメッセージが出ずに市場が失望 するリスクの方が高いとみれば、「日本国債売りに力は入らないだろ う」と指摘していた。

--取材協力:赤間信行 Editors: 山中英典, 青木 勝

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