円全面安、新興国の通貨安懸念が緩和-米FOMCを見極め

東京外国為替市場では、円が主要16 通貨に対して全面安となった。自国通貨防衛の一環として、インドに続 いてトルコの中央銀行が利上げに踏み切ったことを受けて、新興国市場 をめぐる懸念が緩和し、リスク回避に伴う円買い圧力が弱まった。

午後3時40分現在のドル・円相場は1ドル=103円32銭前後。朝方 に付けた102円94銭から一時は103円44銭まで円安が進んだ。ただ、この 日の米国時間に連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて、円の下値は 限定的となった。

大和証券の亀岡裕次チーフ為替ストラテジストは、トルコ中銀の利 上げを受けて、「基本的に通貨が大きく下がると、当事国はそれなりの 対応をする」ということが確認されたとし、投機的な動きを抑制する効 果は出てくると指摘。この日のFOMCで100億ドルの量的緩和縮小が 決定されたとして市場が多少リスクオフに働いたとしても、週初に見ら れた101円台後半までのドル安・円高進行は考えにくいとしている。

トルコ中央銀行は28日の臨時会合で、主要政策金利の1週間物レポ 金利を4.5%から10%に引き上げた。翌日物貸出金利は7.75%から12% に、翌日物借入金利は3.5%から8%に引き上げられた。これを受け て、トルコ・リラは対ドルで3%を超えて急伸。また、インド・ルピー は、インド準備銀行(中央銀行)が前日に市場の大半の予想に反して政 策金利の引き上げを決めたのを受けて、続伸している。

週明けにかけてのドル・円相場は、アルゼンチン・ペソ急落をきっ かけとした新興国市場の不安定化懸念を背景に、リスク回避の円買いが 進み、27日には一時101円77銭と、昨年12月6日以来の円高値を付けて いた。クレディ・アグリコル銀行外国為替部の斎藤裕司ディレクターは トルコ中銀による利上げについて、「市場は4%以上を織り込めていな かった」ことから、円売りにつながったと説明していた。

FOMC見極め

この日の東京株式相場は、日経平均株価が400円を超える大幅高で 取引を終了。また、アジア株が全般的に上昇しているほか、米国の株価 指数先物もプラスで推移している。

マネースクウェア・ジャパン市場調査室の山岸永幸シニアアナリス トは、新興国をめぐる懸念が「リーマンショックやサブプライム問題の ような広がりを見せるかというと懐疑的だ」とし、世界的な株価の反発 を背景に「リスクオフ機運が相当後退したというイメージ」と指摘。そ の上で、日本の超低金利が続く中、対主要通貨を中心にいずれは円安基 調に戻る可能性が高いとみている。

そうした中、この日の米国時間にはFOMCの結果が判明する。山 岸氏は、「バーナンキ議長にとって最後の花道ということで、イエレン 次期議長に事実上バトンタッチするというタイミングで、100億ドルの テーパリング(量的緩和縮小)をするという今の市場コンセンサスを裏 切ることはないだろう」と指摘。FOMCの結果発表前後に相場が振れ る可能性はあるものの、量的緩和縮小自体が「ネガティブな印象を与え るものではない」とみている。

--取材協力:大塚美佳,小宮弘子. Editors: 崎浜秀磨, 青木勝

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