トルコ中銀が大幅利上げ-政治圧力はねのけリラ防衛に動く

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トルコ中央銀行は28日の臨時会合 で、全ての政策金利を引き上げた。政治的圧力を受けながらも、過去最 安値を記録した通貨リラの防衛で緩和政策から引き締めに転じた。

イスタンブール時間29日午前0時(日本時間同7時)にウェブサイ トに掲載された声明によると、同中銀は1週間物レポ金利を4.5%か ら10%に引き上げた。翌日物貸出金利は7.75%から12%に、翌日物借入 金利は3.5%から8%にそれぞれ引き上げられた。リラは政策金利発表 後に上げ幅を拡大し、現地時間午前1時現在、3%高の1ドル=2.18リ ラ。

同中銀はまた、投資家は今後、翌日物貸出金利ではなく1週間物レ ポ金利を主要指標として扱うべきだと表明した。キャピタル・エコノミ クスのエコノミスト、ニール・シアリング氏は、この日の政策金利変更 は実質的には2-4ポイントの引き締めに相当すると分析した。

同中銀のバシュチュ総裁は国内の政治情勢緊迫に世界的な市場シフ トが重なる中で加速するリラ下落に歯止めをかけようとしているが、エ ルドアン首相や政府から景気浮揚のため低金利を維持するよう圧力がか かっていた。

シアリング氏は電話インタビューで、「トルコ中銀は失われた信頼 の一部回復に向け、かなり大きく前進している」と述べた上で、「同中 銀は堂々と市場の安定維持とインフレ対策に軸足を移し、政府に立ち向 かった」と指摘した。

汚職事件

何人かの閣僚を巻き込み政治危機に発展した汚職事件が先月表面化 して以降、トルコの金融市場は低迷。さらに米緩和策縮小に伴う新興市 場国からの資金流出で、ブラジルや南アフリカ共和国などの通貨が下落 した。

ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)は 政策金利発表前の28日のリポートで、リラ下落を食い止めるためには最 低2.5ポイントの利上げが必要だろうと指摘。「トルコは他の選択肢を 使い果たした」と説明した。

トルコ中銀は21日の前回会合で、リラが1カ月間で8%と大幅に下 落していたにもかかわらず、3つの政策金利を据え置き、特別な引き締 めが必要と判断した時に限って使われる9%の4つ目の金利を導入し た。しかし28日の決定によりこうした方式は廃止される。

リラ安が加速した先週、バシュチュ総裁は約30億ドル(約3100億 円)のドル売り介入を実施した。市場介入は約2年ぶりだったが、下落 ペースは増すばかりで臨時会合を余儀なくされた。臨時会合開催が27日 に発表されると、リラは下げ幅を縮小したものの、株式と債券は引き続 き相場が下落した。

ブラックロック・エマージング・ヨーロッパ・インベストメント・ トラストのポートフォリオマネジャー、サム・フェヒト氏は電子メール で、「政策金利の大幅引き上げによりトルコの経済成長は残念ながら短 期的には鈍化するだろう。しかしこれは、トルコ経済が正常な状態に戻 り、信頼を回復するための非常に歓迎すべき第一歩だ」と述べ、「ブラ ジルやインドに続き今度はトルコと、各国の中銀の行動が投資家の懸念 解消に寄与するはずだ」と指摘した。

原題:Turkey Raises Rates to End Lira Fall as Basci Defies Erdogan (1)(抜粋)

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