イエレン次期FRB議長の課題はバブル退治-前任者成果残せず

米連邦準備制度理事会(FRB)の 次期議長に来月就任するイエレン副議長はその任期中に恐らく、経済に 悪影響を与えずに資産バブルを退治するという前任者2人が成し遂げら れなかった課題に取り組むことになりそうだ。

FRBの金融緩和策は既に社債相場や新興市場で一部「あぶく」の 兆候につながっている。ただ、行き過ぎた投機を抑えようとすれば、金 融システムを動揺させ、成長を阻害する結果となる危険もある。

国際決済銀行(BIS)の元経済アドバイザー、スティーブン・チ ェケッティ氏はインタビューで、イエレン氏が「これまで誰も成し遂げ たことのないことに取り組むことになる」と予想。「緩和的な金融政策 が金融安定に著しいリスクを生じさせないよう確保する」必要があると 指摘した。

米国からの緩和マネーの流入で押し上げられていた新興市場は、 FRBの一段の緩和縮小観測に加え、中国経済の減速が伝えられたこと で過去数日間急落しており、投資家もリスクを味わった形だ。新興国株 は27日に5カ月ぶりの大幅下落を記録し、米国株もつれ安となった。 MSCI新興市場数は年初以降、7.1%下落している。

債券購入縮小

ゴールドマン・サックス・グループやJPモルガン・チェース、ク レディ・スイスのエコノミストによれば、FOMCはこうした金融市場 の動揺にもひるまず、月間債券購入ペースを現行の750億ドル(約7 兆7000億円)からさらに100億ドル縮小することを今週決める公算が大 きい。

S&P500種株価指数はここ数日下落したものの、1月15日の史上 最高値から3.6%の値下がりにすぎない。ゴールドマンのロイド・ブラ ンクファイン最高経営責任者(CEO)は24日にブルームバーグテレビ ジョンに対し、「非常に価値が上昇した資産で値固めの動きが見られな いなら、それはかなり異例の事態だろう」と話した。

イエレン氏はバブル対応で2つの課題に直面する。1つはバブルを 識別し、大き過ぎて危険になる前に収縮させることだ。もう1つは、金 融市場に大混乱を招いたり、経済成長を抑制したりするようなバブル崩 壊を回避しながら金融政策を運営することだ。

ただ、最初の課題に取り組む上で、銀行自己資本基準の強化や住宅 購入時の頭金引き上げといった手段は米国ではほとんど試されていない という問題がある。こうした手段は複数の規制機関が絡むだけに導入は 面倒で、政治的にも不人気となりかねない。

また、2つ目の課題の難しさはバーナンキFRB議長が昨年5月に 資産購入規模を縮小する可能性を示唆しただけで金融市場に予期せぬ影 響が及んだことからも明らかだ。1月末で任期切れを迎えるバーナンキ 議長も、グリーンスパン前FRB議長もバブル対応ではあまり多くの成 果を挙げてはいない。

原題:Yellen Faces What Bernanke, Greenspan Couldn’t Do: Ease Bubbles(抜粋)

--取材協力:Simon Kennedy. Editors: Mark Rohner, Chris Wellisz

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