社長急死で印タタ「ナノ」の命運不透明に-後継者選び難航か

インド最大の自動車会社タタ・モー ターズの国内事業責任者だったカール・スリム社長の急死は、低迷する 国内自動車業界で市場シェア低下に見舞われている同社にとって新たな 逆風となっている。

同社長は26日、バンコクのシャングリ・ラ・ホテルの22階から転 落、死亡した。タイ警察は証拠から判断する限り自殺との見方を示して いる。2300ドル(約23万6000円)のコンパクトカー、「ナノ」などを製 造するインド事業の収益回復に向け陣頭指揮に当たってきたスリム氏の 死で、業務運営の指導体制に空白が生じた。

スリム社長の管轄外で、利益を生み出している英高級車部門ジャガ ー・ランドローバーに依存するタタの株価は27日、ボンベイ証券取引所 で、約1年ぶりの大幅安となった。スリム氏の死は、インドの自動車業 界全体に衝撃を与えた。在任期間は1年4カ月だった。

調査会社エマージング・マーケッツ・オートモーティブ・アドバイ ザーズ(ニューデリー)のディレクター、ディーペシュ・ラトール氏 は、「タタ・モーターズにとっては悲惨なニュースだ。国内事業が不振 のタタでスリム氏は新型モデルや新たなイニシアチブへの土台づくりに 着手したばかりだったが、これまでは何の成果も出ていなかった」と述 べた。

ラトール氏はスリム氏の後任をタタが見つけるには最低でも半年か かり、そこから後継者は新たな戦略を描かなければならないと語った。 タタ広報担当のミナリ・シャー氏は、今後数週間内に後継者問題を協議 する取締役会を開くことになろうとの見通しを示した。

昨年4-12月のタタ・ブランドの乗用車の国内販売は37%減。イン ド自動車工業会(SIAM)に報告を行っている国内自動車メーカー17 社で最大の落ち込みを示した。ナノの販売は72%の大幅減だった。

原題:Death of Tata Motors India Chief Leaves Fate of Nano in Doubt(抜粋)

--取材協力:Rajesh Kumar Singh. Editors: Young-Sam Cho, Dick Schumacher

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