デフォルト回避へ、中国の信託商品-投資家が工商銀案を明かす

中国工商銀行が販売した高利回り信 託商品の購入者は、資金を全額回収できることが明らかになった。中国 のシャドーバンキング(影の金融)を揺るがせると懸念されたデフォル ト(債務不履行)は回避される。この問題をめぐる懸念は、新興市場資 産の一斉売りの一因になっていた。

投資家の1人、チェン氏が工商銀の提案について明らかにしたとこ ろによると、中誠信託が発行した30億元(約510億円)規模の同商品の 購入者は、保有している権利全てを投資した元本と同額で売却できる。 買い手の名前は明らかにされていない。中誠信託は先に、買い取りにつ いて合意に達したと発表し、工商銀の顧客にファイナンシャルアドバイ ザーに連絡するよう呼び掛けていた。

中国市場を揺るがすほか、新興市場経済の金融が脆弱だとの懸念を あおるデフォルトはこれで回避されるものの、救済措置は中国の富裕層 のリスクテークを促しかねない。中国当局は企業や自治体の債務拡大に 歯止めをかけようとしているが、信託商品は中国の影の金融システムの 中で急成長している。

光大証券の徐高チーフエコノミスト(北京在勤)は「デフォルトは 中国が対処できないようなシステミックリスクにつながったはずだ。そ の意味で救済は市場を安定させるための前向きな措置だ」と述べた。一 方で、暗黙の保証は市場をゆがめるとして、「初のデフォルトを遅らせ れば遅らせるほどリスクは雪だるま式に膨らむ」とも指摘した。

「誠至金開1号」というこの商品は炭鉱会社、山西振富能源集団の 資金調達のために中誠信託が発行し工商銀が自行のプライベートバンク 部門の顧客に販売した。山西振富能源は筆頭株主が違法な預金受け入れ で逮捕された後、2012年に破綻している。

チェン氏によると、信託商品への投資家らは元本を回収するために 中誠信託による売買を許可する必要がある。

工商銀の広報担当者と誠至金開1号の運用者への電話に応答はな い。

--Jun Luo, 取材協力:Helen Sun、Steven Yang、Zhang Dingmin、Jack Gao. Editors: Chitra Somayaji, Matthew Brooker

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE