イエレン新議長を待つ低過ぎるインフレの危険-かじ取り困難

ジャネット・イエレン氏が米連邦準 備制度理事会(FRB)議長として直面する最初の課題の一つは、 FRBが掲げる2%のインフレ目標達成に向けて物価を十分に上昇させ ることだ。

米政策当局は同目標をこの2年ほど達成できないまま、債券購入ペ ースの縮小に乗り出している。FRBがインフレ指標として重視する米 個人消費支出(PCE)デフレーターは昨年11月に前年同月比0.9%上 昇にとどまった。同デフレーターは2012年4月を最後に2%を割り込ん でいる。

バンク・オブ・アメリカ(BOA)のグローバル経済調査共同責任 者、イーサン・ハリス氏は「インフレが目標を下回ったまま1カ月が経 過するごとに、事態への対応策を講じるよう求める圧力が高まる」と指 摘。「米金融当局はこれが深刻なリスクであることを徐々に認識しつつ ある」と述べた。

ボストン連銀のローゼングレン総裁は今月7日の講演で、低過ぎる インフレは経済への「負のショック」がデフレにつながる可能性を高め るとし、この問題が「真の懸念要因」になり得るとの見解を示した。家 計は一段の物価下落を見越して購入を後回しにし、企業は自社製品への 需要減少で投資や採用を先送りしかねない。低過ぎる物価はまたインフ レ調整後の実質金利が割高になることを意味し、十分なペースの成長実 現を困難にする。

同総裁は「長引く低インフレは、理論的にはFRBの信認を損なう 恐れがある」とも指摘。FRBが目標を公言したにもかかわらず「合理 的な期間内に達成できない場合は、中長期的にそれを実現する能力に対 しても疑問の声が一部で上がる可能性がある」と述べた。同総裁は昨 年12月の連邦公開市場委員会(FOMC)で、月間の債券購入額を100 億ドル縮小する案に反対票を投じた。

米金融当局は12月18日のFOMC後の声明で、労働市場の改善を挙 げて債券購入額の月750億ドルへの削減を決めたと説明したが、同時に 政策金利をゼロ近辺にとどめる期間の長期化を示唆し、緩和縮小が政策 引き締めではないとの意図を投資家に伝えた。

ハリス氏は、2月1日に新議長に就任するイエレン氏はディスイン フレの脅威を回避するため、そうした金利へのコミットメントを強める 必要があると指摘した。

原題:Yellen to Confront Danger of Too-Low Inflation While Tapering QE(抜粋)

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