東京株式相場は大幅に3日続落。新 興国経済・市場への懸念から投資家がリスク回避姿勢を強め、世界的な 株安連鎖の様相を呈した。為替の円高進行も嫌気され、東証1部33業種 は全て下落。騰落銘柄数も下落の1744に対し、上昇はわずか29にとどま る全面安となった。

TOPIXの終値は前週末比35.37ポイント(2.8%)安 の1229.23、日経平均株価は385円83銭(2.5%)安の1万5005円73銭。 日経平均は取引時間中としては昨年11月15日以来、およそ2カ月ぶりに 1万5000円を割り込む場面もあった。

アリアンツ・グローバル・インベスターズ・ジャパンの寺尾和之最 高投資責任者は、中国やアルゼンチンをはじめとした新興国の情勢悪化 のほか、28-29日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)の判断を見 極めたいとの心理も働くなど、「いろいろな要素が組み合わさり、下げ が大きくなった」と見ていた。先進国の株価は昨年末に大きく上げてい たため、「悪材料・不透明要因には売りで反応しやすい」と言う。

中国では、23日発表の製造業購買担当者指数(PMI)が製造業活 動の拡大・縮小の境目である50を半年ぶりに下回ったのをはじめ、中国 工商銀行が販売を手掛けた30億元(約510億円)規模の信託商品がデフ ォルト(債務不履行)寸前の状態、と24日に伝わった。

アルゼンチンでは、同国中央銀行が為替相場維持の取り組みを後退 させたことに反応、23日にアルゼンチン・ペソが対米ドルで12%安と12 年ぶりの大幅下落を記録した。これをきっかけに他の新興国からも資金 が流出、先週末にかけトルコ・リラ、南アフリカ・ランド、ロシア・ル ーブル、ウクライナ・フリブナなども売り込まれた。

FOMCに警戒感も

新興国不安の高まりで世界に動揺が走り、米ダウ工業株30種平均 が300ドル以上下げるなど、24日に欧米の主要株価指数は昨年6月以来 の大幅安となった。27日のアジア株も、主要株価指数が軒並み下落。為 替市場ではリスク回避の円高が進み、きょうのドル・円相場は1ドル =102円台前半で推移する時間帯が長かった。前週末の東京株式市場終 了時は103円28銭近辺だった。

東洋証券の檜和田浩昭シニアストラテジストは、今週の米FOMC で債券購入額の縮小を続けるか、据え置くかが不透明で、「各ケースに おける市場の反応も読めない」と指摘。新興国経済をめぐる不安が高ま ったタイミングにも重なり、「身動きが取れない中、投資家は換金売り を膨らませた」としている。

この日の日経平均は、一時458円安の1万4933円まで下げ幅を拡 大。ただ、朝方の売り一巡後はやや下げ渋った。「1万5000円の水準は オプションの権利行使価格に当たり、デリバティブでの持ち高調整が活 発化しやすく、心理的にも意識される」と檜和田氏は話す。

東証33業種の下落率上位は保険、鉄鋼、その他金融、不動産、証 券・商品先物取引、機械、空運、銀行、海運、石油・石炭製品など。東 証1部の売買代金上位ではソフトバンク、トヨタ自動車、三菱UFJフ ィナンシャル・グループ、日立製作所、野村ホールディングス、パナソ ニック、新日鉄住金、ファナック、三菱地所、コマツ、エイチーム、第 一生命保険、オリックス、クボタなどが安い。半面、人気ゲームソフト の新作への期待でカプコンが続伸。好業績確認のエムスリーのほか、大 林組や三菱製紙も逆行して上げた。

東証1部の売買高は32億6479万株、売買代金は2兆8503億円。国内 新興市場の下げも大きくなり、ジャスダック指数は3.6%安の102.66、 マザーズ指数も5%安の970.96だった。

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