債券先物は続伸、新興市場不安受けた株安で-長期・超長期ゾーン軟調

債券先物相場は小幅続伸。新興市場 国をめぐる懸念を背景とした円高・国内株安が買い手掛かりとなった。 一方、長期や超長期ゾーンは午後に入ると売りが優勢となり、軟調推移 に転じた。

東京先物市場で中心限月の3月物は、前週末比23銭高の144円85銭 で開始。直後に144円86銭と中心限月の日中取引ベースで昨年12月5日 以来の高値を記録した。午前は高値圏でもみ合ったが、午後に入ると水 準を切り下げ、一時は7銭安の144円55銭まで下落。その後は前日終値 付近でもみ合いとなり、結局は2銭高の144円64銭で引けた。

大和証券の山本徹チーフストラテジストは、アルゼンチンとトルコ は例外的に悪い特殊事例と見るべきだが、新興国全体として「米量的緩 和の縮小を引き金に状況が良くないことも確かだ」と指摘。ただ、足元 の混乱は「最短で数日間で収束する可能性もある」とも話した。きょう は世界的なリスクオフ局面で上昇しがちな円相場が反落したことが「一 番大きい」と述べ、株価の下げ止まりや債券相場の伸び悩みにつながっ たと説明した。

現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の332回債利回 りは同1ベーシスポイント(bp)低い0.615%で開始。午前9時30分ごろ に0.61%と昨年12月2日以来の低水準を記録した。午後に入ると徐々に 水準を切り上げ、1bp高い0.635%まで上昇。午後2時前から0.63%で 推移した。5年物の116回債利回りは横ばいの0.195%で始まり、午後 は0.5bp高い0.20%で取引された。

20年物の147回債利回りは同0.5bp低い1.445%と昨年10月24日以来 の低水準で開始。午前は横ばいの1.45%で推移したが、午後に入ると水 準を切り上げ1.475%まで急上昇する場面があった。午後2時前後から は1.465%。30年物の41回債利回りは0.5bp低い1.61%で始まったが、午 後には一時2bp高い1.635%に上昇した。その後は1.625%。

午後は上値の重い展開

きょうの東京株式相場は続落。TOPIXは前週末比2.8%安 の1229.23で引けた。午前は2.9%安まで下げたが、午後に入ると下げ幅 を縮める場面があった。東京外国為替市場で円は早朝に7週間ぶり に101円台に上昇した。その後は102円台半ばまで売られた。SMBC日 興証券の山田聡シニアクオンツアナリストは、朝方の急激な株安・円高 が一巡し、午後に入って債券相場の上値が重くなったと指摘した。

前週は中国の製造業活動の縮小が示されたほか、アルゼンチン・ペ ソが2002年以来の大幅安となり、トルコ・リラは過去最安値に下落し た。こうした動きを受けて24日の米債相場は上昇し、米10年国債利回り は一時2.70%と2カ月ぶり低水準まで達した。

JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、アルゼ ンチンやトルコの通貨急落で新興国資産全体に対するセンチメントは悪 化、全般的なリスクオフ(回避)の流れが強まる可能性があると指摘し た。「市場の不安定な動きが続くと、日銀シナリオにも影響し、追加緩 和期待が強まる」とも言う。

あす28日に既発国債を追加発行する流動性供給入札が実施される。 発行額は3000億円程度で、今回は10年物と20年物が対象銘柄。長期や超 長期ゾーンには同入札を控えて売りが優勢だった。

日銀がきょう実施した長期国債買い入れオペ(総額4200億円)の結 果によると、残存期間「5年超10年以下」の応札倍率は3.34倍と、前回 の3.46倍からやや低下した。落札利回りは市場実勢付近との見方が出て いた。一方、「物価連動債」は2.11倍と前回の4.83倍から低下した。

    最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中
    LEARN MORE